振り返ってはいけない廊下
注意!嫌いな人は嫌いな奴が出てきます!鳴き声は「ホモォ」のあいつです!
急に現れたケサランパサランに夜神の動きは止まる。
「ぺけけ」
何かを言っているかのようにふわふわと上下しているのだが何を言っているのかは全然分からん。
「君は…真照ちゃんの…」
「ぺけ」
そうだ、とでも言うように丸を描く。そして付いて来いとばかりに先へ進み出した。
「君は、真照ちゃんが今どこにいるかしってるの?」
「ぺけけけ」
また丸を描いた。確かにケサランパサランは真照のアホ毛に取り憑いているから真照の居場所位は分かるだろう。そのままふよふよと進む。
「あ、待ってよ!」
夜神と俺は慌てて駆け出した。
階段を上り3階の廊下についた。そこには。
「ヒェッ」
足元にはおびただしい量の血…じゃなくてケチャップがばら撒かれていた。怖…じゃない、なんて勿体無いんだ。うん。そう。怖いんじゃなくて勿体無いんだ。OK?
コツコツと誰も居ない廊下に足音が響く。
このまま真っ直ぐ進むと図書室につくな。そこか?
夜神が走り出そうとする。その時、俺達以外の足音が後ろから聞こえた。
ぺたり…ぺたり…
少なくとも上履きや靴の音では無い。まるで裸足で廊下を歩いているかの様な音だ。
もしかしなくても…これ、七不思議の一つの『振り返ってはいけない廊下』か?
「な、なぁ、夜神…。ここ、3階だよな?」
「うん…」
「ここ、廊下だよな?」
「うん…」
オウフ。ナンテコッタイ。だ、だだだ、大丈夫だ。振り返らなければ良いんだ。
「あ、おま…」
そこで、先導していたケサランパサランが振り返る。何してるんだ!
「ぺけけけけ」
いつもは楽しそうな(゜∀゜)をしているのに、振り返った途端、驚いた様な( ゜д゜)をして、目の前からシュッと消えた。
「あの毛玉、逃げやがったな…」
次会ったら握り潰してやると思ったが…そんなにヤバいやつがいるのか?振り返ってはいけないと言われる程、振り返ってみてみたくなるものだ。
次第にぺたりぺたりと足音が近づいて来る。だだだだ大丈夫だ、真っ直ぐ。そう、真っ直ぐ進めば良いんだ。何、あと少しだから…。と、思ったのも束の間。
「あ」
夜神がコケたぁあああ!こんな時に何やってんだ!
立ち上がる拍子に夜神は後ろを振り返ってしまう。顔が真っ青になった。
「何…これ…?」
歯がガチガチと鳴る程怯えている。流石に気になるな。
とうとう観念して後ろを振り返る。その瞬間、俺は振り返った事を後悔した。
そこには、真っ白な生き物(?)がいた。そのフォルムは丸みを帯びていてまるで饅頭の様だ。顔は絵文字でオワタの様な顔をしている。四足歩行でぺたりぺたりと進む。ネットで見た事のあるこいつの名前は…。
「ホモォ…」
うん。鳴き声の通りホモォだ。
何で学校にこいつがいるんだよ。帰れ!ネットに帰れ!
ここ最近絵文字との遭遇率が高すぎる!ケサランパサランとか!こいつとか!
ホモォはジリジリと近づいて来る。
耐えきれず、俺達は逃げ出した。
「「のわぁあああっ!!」」
こいつ、四足歩行なだけあって速い!ぺたりぺたりだった足音がぺたぺたぺたと言う音に変わっていた。
だが、目の前にはドアが開いている図書室がある!サイズ的にホモォは入れない!よし、このまま突っ走れば…!
俺がドアに手をかけた瞬間、図書室のドアは目の前から消えた。
アイエェエエエエッ!?トショシツ!?トショシツナンデッ!?
図書室のドアは俺達からかなり離れた場所に出現した。まるで今までのドアが幻だったかの様に。
「クソッ!」
まあ、まだ大丈夫だ。もう直ぐ、もう直ぐでまた図書室にーー
ドアは目の前から消えた。
「なぁっ!?」
またかよ!ならばもう一度!
…このやり取りは5回程続いた。
流石にもう疲れてきたぞ!これは何回も同じ場所を走らされている様だ。他の教室が何回も出現している。まずい、このままじゃ追いつかれーー
「あ」
また夜神がコケたぁあああっ!!敢え無く夜神は捕まる。
「え、ちょ、離してっ!?」
夜神は二足歩行モードになったホモォの脇に抱えられた。そのまま逃げ出すホモォ。
「あっ、まて!」
正直に言うと人の話を聞かない夜神の事は嫌いだが、見捨てる程仲が悪い訳でも無い。
俺がホモォに生太刀を構えたその瞬間。
「ホ…ホモォッ!?」
ホモォは血を吹き出して倒れた。白と赤のコントラストが綺麗…でなくて。何で急に血を吹き出したんだ?
ホモォの回りには血の池が出来上がっている。幸せそうな顔をしてやがる。オワタみたいな表情は変わっていないが。
「うえ…血で汚れちゃったよ…」
夜神の服は返り血を浴びたみたいになっていた。怖い。
ホモォが倒れた途端に毛玉が戻って来た。俺は毛玉を握り潰した。
作者的にはホモォはキモかわいいと思っています。




