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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
5月
34/308

池に映る女



「お、あったな」


俺達は今理科室と思われる場所にいる。『池に映る女』を調べる為だ。


思われるって言うのは、俺の知っている校舎と違うから断定出来ないだけだ。だが、人体標本やホルマリン漬けが置いてあるから正解だろう。


勝手口を開ける。キィ…と言う音がしてドアが開く。すると、そこには鬱蒼とした茂みが広がっていた。


ジメジメした所だ。コケが生えていたり、ドクダミが生えていたりする。木も背が高く、何本もあり、池と勝手口を囲む為の塀の役割を果たしていた。


俺は生太刀を、夜神は八尺瓊勾玉を構えながらそろりそろりと進む。


おや?生太刀がぼんやり青く光っているな。ライトセー○ーみたいだ。夜神の短剣もぼんやり黒く光っている。…黒く光るってなんだ?比喩が難しい。


かさりかさりと歩を進めて行く度に蝶(蛾?)が飛んだり、小さな虫がまとわりついたりする。うざったい。


そうしてたどり着いた池はそこそこの大きさだった。具体的には庭先にありそうな池以上、公園の池以下。鯉は大きいが、赤や黒、白色の普通の鯉だ。蓮の花が咲いている。


「 あ…人面魚」

「え!?」


夜神が呟く。それに驚く俺。お化けか!?


「あ、いや、人面魚は人の顔をした模様がある魚の事で、お化けじゃないよ。偶然の産物さ」

「そ、そうか」


お化けじゃないのか…。良かった。生太刀と言う武器を手にした今でも、お化けに対してビビりなのは変わらない。15年染み付いて着た『お化け=太刀打ち出来ない怖いもの』と言う俺の中の元絶対公式は直ぐに消える事は無いのだ。


「じゃあ、『池に映る女』って人面魚の事じゃないのか?ほら、見間違いでさ」

「ああ、そうかもね。じゃあ、次の所に行こうか。早く真照ちゃんを助けないとね!」


そう言って俺達は池に背を向ける。その時だった。


ざばあっ


と、水から何か出て来た様な音がした。


「「……」」


こ、これ、振り返ってはいけないやつでは?七不思議の廊下じゃないが、振り返ってはいけない気がする。


「うふふ…」


女の声がする。俺は逃げようと足を踏み出しーーうあ!?


あ、足が固定されて動かない。逆に首は動かしたく無いのに、強制的に池の方へ向けさせられる。それは夜神も同じの様だ。元々病弱そうな白い肌が更に真っ白になっている。


そこにいたのはーー


「お久しぶりです!黒髪さん!青髪さん!」

「「 お ま え か よ 」」


この前夜神が吹っ飛ばした人魚だった。慰謝料を請求しに来たのだろうか。それだとどうしようもないんだが。


「今日わざわざ私が淡水に来たのはですね!黒髪さん!貴方に会う為なんですよ!貴方に会いたかったんです!」

「…僕?」


夜神は自分を指差してコテンと首をかしげる。目が点になっているな。


「そうです!…貴方に頼みたい事があって来たんですよ…」


そう言う人魚は俯いた影により目元が見えない。一体何なんだ?やっぱり怒っているのか?


「私を…。私を…いえ」


人魚は肩を震わせながら告げる。


「この雌豚をいたぶって下さいぃいいいい!」

「「…は?」」


俺も夜神も目が点になる。こいつは何を言っているんだ?


「わ、わわ、私、あの時貴方に打たれた時すっごく気持ち良かったんですぅ!ア、アソコがきゅんって…。あの時の事が忘れられませんん!責任とって下さいぃ!」


…ドMかよ。頰を赤らめて言うな。それだけ見れば美少女が恋している様に見えるのに、発言のせいで台無しになっている。


「…いいよ」

「は!?」

「本当ですかぁ!?」


正気か!?頭のネジ外れて無いか!?だが夜神は「ただし」、と付け加える。


「もう2度と…僕の前に現れないでね?」


そう、冷酷に告げた。


「え、ちょ、ま」


人魚が何か言い返そうとする前に俺から生太刀を受け取った夜神はフルスイングした。


「はぁっあああああんっ♡」


夜神に吹っ飛ばされ、夜空にすいこまれて行った人魚は星になって見えなくなった。


もう2度と出てこないでくれとその星に願った。

主人公ズ( ゜д゜)( ゜д゜)ナ、ナンダッテー!?


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