第一章 いつも通りじゃない日常(5)
彼女がお風呂を上がった後、俺もすぐにお風呂に入った。もちろん、ラノベのようなラッキースケベイベントなど起きることはなく、無事上がることができた。
「じゃ、俺はリビングで寝ますんで大友さんは俺の部屋で寝てください」
「そ、そんな、困ります」
「な、何かまずかったですか」
「いや、その…」
ん? もしかして、変なことされるんじゃないかとか思われてるのかな。まぁ、こんな状況じゃそういわれてもしょうがないか。
「大丈夫ですよ。俺も何もしませんし、部屋には鍵もついてますんで」
「いえ、そうじゃないんです」
「じゃ、どうしたんですか」
「あの、わたし、枕が変わると寝れないんです」
「そんなことかよ! てか、変なところで贅沢だな」
「そんなこととは何ですか。私にとっては一大事なんですよ!」
「いや、そんなこといわれても」
「枕もしっかり荷物と一緒に持ってきたのに、なくなちゃって、どんな気持ちかあなたにわかりますか」
いや、どう考えても自業自得では。
「てか、さっき公園で泣いてた理由ってこれが理由だたりしないですよね」
「はい? そうですがなにか」
「俺の同情を返せぇぇぇぇぇぇ!」
「とりあえず枕は我慢してください」
「そんな鬼畜な~」
「そんなに嫌なら外で寝てもらいますよ」
「私、どこでも眠れます」
「それ、ほかで言ったら誤解されるから言わないほうがいいですよ」
「え?」
「いえ、分からないならいいです」
「まぁ、とりあえず。夜ももう遅いですし、自分も明日大学何でもう寝ましょう」
「はい」
「じゃ、おやすみなさい」
俺はそういうとリビングの端にお客様用の布団を敷き、横になろうとする。が、そこで声をかけられる。
「あの、今日はありがとうございました。おやすみなさい」
彼女はそういうと足早に二階にある俺の部屋へと向かっていった。
ちょっと抜けてるところがあるけど、やっぱりかわいい人だな。
俺は、彼女が階段を上がる音が聞こえなくなるのを確認してからリビングの電気を落としてもう一度布団に横になる。
はぁ。それにしても、これからどうしようか。一番はあの人の知り合いに任せることが一番なんだろうけど、話を聞く限りそんな人いなそうだしな。
かといって、ずっとここに置いとくわけにもいかないしな。うーん、どうするべきだろう。まぁ、とりあえず明日のことは明日の俺が何とかしてくれるだろ。
俺はそう考えると瞼を閉じた。結構疲れていたのだろうか、俺はすぐに意識は闇の中絵と落ちていった。
と、思ったのだが…
・・・つづく
初めての作品なので読んでいただけるだけで感謝です。