第二章 彼女がいる日常(14)
「「ごちそうさまでした」」
食べ終えるとこれまたいつも通り俺が食べ終わったお皿をまとめて台所へと持っていき片付ける。
その間にみのりは洗濯物を干しに向かった。
そして、俺もお皿を洗い終えてみのりを手伝いに向かった。その後、無事やることをやり終えた俺たちは今は二人でテレビ前のソファに座りくつろいでいる。
「そろそろ出かけましょうか」
時刻はもうそろそろ十時である。
「あ、朝言っていたことって本当だったんですか」
「この前言ったじゃないですか。今度ちゃんとした服を買いに行こうって」
「そうでしたね。でもてっきり社交辞令かと。以前、会社で働いていた時…」
「さ、さぁ早く行きましょう」
このままみのりに話させると長くなりそうだったので急いで話題を終わらせ準備をさせることにした。
準備を終えた俺たちはミオンに行くため十分の動物公園駅へと向かった。ちなみにこの駅名からわかるように近くに動物園があるのだ。
まぁ、俺たちが住んでいるのとは駅の反対側だが。
「あ、そういえばビスモもないんですよね」
「はい」
「じゃ、今後も必要になるでしょうから作っておきましょう」
「あ、ありがとうございます」
俺は改札機のところでみのりのビスモを発行する。そして、それを渡して二番線ホームへと向かい十時
二十五分発、急行中央林間行きに乗り込む。乗り込んで五分ほどで目的の駅、春日駅に着く。そこからはバスに乗り換えて十五分。
「着いた」
「やっぱり越峰のライクじゃないんですね」
「よし、帰るか」
俺はみのりのその発言を聞いて先ほど乗ってきたバス停他派反対のほうへ行こうとする。
「すみませんでしたぁ、ここで大丈夫ですから」
着いた俺たちはさっミオンそく目的の服屋さんへと向かう。ちなみにミオンとは大型複合施設であり、中には様々なショップや映画館などがある。だが、ここのミオンモール春日店は比較的小さなほうであり、遊ぶ場所としてはそこそこだが買い物するにはちょうどいいくらいである。
そして、先ほどみのりが言っていたライクとは越峰にある日本最大級のショッピングモールのことである。あそこはとてもじゃないが生活用品を買いに行くのはお門違いなのでいかない。
ていうか、服にあそこまでお金使えるか!
「哲人さん! こんなのどうですか」
「とても似合ってていいですよ」
ということで、今、俺たちはチェーン店のアニクロへと来ている。
うん、なんてお手ごろな価格。
「でも本当にいいんですか、こんなに」
そういってみのりが見つめる目線の先のかごの中にはすでに山盛りになっている。
「大丈夫ですよ」
「哲人さん…」
「その分家事を頑張ってもらうので」
「ですよね」
まぁ、もともとそういう決まりだしな。そんなこんなで一時間ちょっと買い物をして、フードコートでお昼を済ませ、今は着の身着のままにお店を見て回っている。
「これ可愛くないですか!」
「そうですね」
みのりはというとしばらくの間極貧生活を送っていた反動からか、このようにずっとはしゃぎっぱなしである。
そのままこれまた一時間ほど見てまわって特に変わったこともなく家に帰ることにした。
初めての作品なので読んでいただけるだけで感謝です。




