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居候彼女は泥棒猫  作者: こうたろう
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第一章 いつも通りじゃない日常(11)


「働きたくないんです!」




「は?」


 はて、この人は今なんて言ったんだろうか。


「今、なんて」


「だから、また一人暮らししたら働かなきゃいかなくなるじゃないですか」


 なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!


 はっず! 超はっずかしぃぃぃぃぃ。何を勘違いしてんだ俺は。はぁ、まぁ、そんなラノベみたいな話あるわけないか。


「ん? どうかしましたか」


「い、いえ。なんでもないでしゅ」


 おふ。かんだ。平静を装うとして悪化した。


 やめて! そんなに笑いをこらえないで! 逆に恥ずかしくなる! 大友さんになんでこんなテンパってるのかばれてはいないけど無理。穴があったら入りたい。

 てか、働きたくないってなんだよ。それでも元社会人かよ。


「そ、それでなんで働きたくないんですか?」


「それは…。仕事とかすると、人間と関わらなきゃいけないじゃないですか。そうするとまたいじめられるんじゃないかって思うと」グス


 う、なんてわかりやすいウソ泣き。「グス」なんていう人初めて見たぞ。


「はぁ、そうなんですか」


「はい」


「で、本音は?」


「面倒くさいから」


 俺は黙って席を立ち、彼女のいるほうへ回り目の前に立ち彼女のほうへ手を伸ばす。そして、大きく振りかぶる。

 彼女は俺の行動を見ておびえたように目を閉じ身構える。そして次の瞬間、俺は貯めた力を解き放つ。


「ペシ」


「ひゃん」


 彼女のおでこへ俺の中指がぶつかる。いわゆるデコピンである。


「なにばかなこと言ってるんですか、あんたは」


「うぅ」


 彼女はおでこを抑えながらうなり声をあげる。


「だって~」


「だってもヘチマもありません。面倒くさくても働きなさい」


「そんな~! お願いします~。ここにいさせてくださいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 彼女は半泣き状態で俺へと抱き着きながらすがってくる。

 うっ。こんなふうにされると強く言えねぇじゃねぇかよ。あぁ、もう! 俺もとんだお人よしだな。


「わ、分かりましたから。いていいですから、もう泣くのはやめてください」


「えっ? ほんと!」


 俺の言葉を聞くとパっと泣くのをやめ、顔を上げる。


 えっ、今のも演技なの? 違うよね? ね?


「本当ですよ」


「やったーーーー!」


「でも、やることはやってもらいますからね」


「うぐ。そ、それはもちろんです」


「ほんとかなぁ」


 はぁ。まぁいいか、大友さんの作るごはんおいしいし。

 すると、彼女は急にしがみついていた俺の服から手を放して立ち上がり、一・二歩距離をとる。そして


「改めまして、これからよろしくお願いします。あなた!」


 そういいながら頭を下げてきた。急なことだったので俺は面を食らってしまったが、俺も同様に頭を下げる。


「こちらこそ、よろしくお願いします」


「いや、あなたってなんだよ! 一生を共にするなんて言った覚えなんてないぞ」


「えっ? 違うんですか」


 なんということだろうか。この人は、この機会に一生養ってもらおうと企んでいたのか。


「断じて違う。それに、大友さんの家族への交渉は行いますからね」


「そんなぁ」

 何を言っているのか、この人は。あれ? でもこれ、俺がさっき期待してたことじゃね? 


「まぁ、とりあえず。正式にこの家にいてもいいことになったんでゴロゴロしますね」


 やっぱりさっきのことは忘れて、さっさと追い出してやろうかなぁ。


「ほら、あなたも一緒にどうですか」


「あの、その呼び方はやめてください。いろいろと面倒なことになりそうなんで」


「えぇ、いいじゃないですか。いつかはこうなるんですから」


「なりません」


 俺がそう即答すると「ぷくぅ」と頬を膨らませる。そんな彼女を見て、かわいいと思ってしまうからい

つか本当に彼女の言うとおりになってしまわないか心配である。


「みのり!」


 未来について心配しているといきなり自分の名前を叫びだした。


「はい?」


「だから、私の呼び方。みのりって呼んでくれたら「あなた」って言わないで上げます」


「そ、それは…」


「あ・な・た」♡


 彼女は悪戯に微笑みながらこちらへ呼びかけてくる。

 くそー! そんなの反則すぎだろ。


「み」


「み?」


「みのり」


「え~? きこえないなぁ」


「追い出しますよ」


「ごめんなさい」


 まったく、良い子なのか悪い子なのかよくわからん。いや待てよ、もともとこいつは泥棒だから悪い子か。すっかり忘れてたけど。でも、そう考えると変な感じだよな。泥棒と同居しているなんて。

 そんなことを「シュン」としているみのりを見つめながら考えていた。


「四時に買い物行きますから準備しといてください。みのり」


 そういうとみのりはパっと笑顔になった。


「はいっ!」



初めて書く小説なので、最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


それと、一回に投稿する文量をもう少し増やしたほうが良いのでしょうか? その他にも何か気が付いた点など、教えていただけたら嬉しいです。お願いします。


次回から二章です。

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