第一章 いつも通りじゃない日常(9)
俺が講義のある教室へ入り席をつくのと同じタイミングでチャイムが鳴った。
「ふぅ」
何とか間に合った。
俺は、カバンから教科書を取り出すと授業をまじめに受け始めた。
「キーンコーンカーンコーン…」
「じゃ、今日はここまで、予習復習を忘れないように」
高校と同じようなチャイムと同時に一時間目の授業が終わる。高校生の時は、大学生はもっと大人なイメージがあったが実際になってみると、あまり高校と特に変わらない。しいて言えば、高校と比べ校則という校則がなく授業が長いくらいである。
「おはよう、哲。今日はずいぶんと遅かったわね」
次の講義へと向かうために荷物をまとめていると声をかけてきた女子がいた。
「あぁ、今日はちょっとあってな」
彼女の名前は大沢麻衣。彼女とは一応幼馴染で、彼女は今こちらへ引っ越し一人暮らししている。
なぜ一応なのかというと、実をいうと俺は小学生のころ麻衣の実家のあるほうから今の家に引っ越してきたのである。
そして、偶然にも大学の入学式の時に再開し、今に至るのである。ちなみにいうと、彼女の家は俺の家の近くのアパートなのでよくご飯を作りすぎたとかでおすそ分けをくれたりする。
「そういえば、なんで麻衣はもっと大学の近いところにアパート借りなかったんだ?」
「なっ! そ、そんなのなんとなくよ。なんとなく。気に入ったのが大学の近くになかったから。それに…」
「それに?」
「な、何でもないわよ!」
「そうかよ」
なぜ急にキレているのだろうか。言っておくと、彼女はたまにこのように急にキレることがあるのだが理由はいつもよくわからないのだ。
「それより、早くしないと次の授業遅れるわよ」
「あぁ、そうだな。次は確か、中国語だっけか」
「そうよ。早く行きましょ」
そうして俺たちは次の教室へと向かった。ちなみにいうと、俺の大学には第二言語科目ごとによってクラスが分かれておりまいと俺は同じクラスである。
「キーンコーンk…」
時刻は十二時二十分となり二時間目終了を告げるチャイムが鳴る。
「よぉ、哲。一緒に学食行こうぜ」
そう声をかけてきたのは、同じクラス、同じ野球サークルの内海一である。しかし、苗字に内海がついているからと言って某プロ野球球団の選手とは無関係である。
そして、俺はこいつとは結構仲がいい。というのも、こいつとは同じ高校に通い、ともに夏を戦った戦友である。
「すまん、今日はちょっと早く帰らねぇといけねぇんだ」
「なんだよ、つれねーな」
「悪いって、まぁ、麻衣とでもいっしょに食べてくれ」
「はぁ、お前も相変わらずだな」
「ん? なにがだ」
「なんでもねぇよ。でも、そういうのもほどほどにしないと痛い目にあうぞ」
「お、おぅ」
一は何が言いたいのだろうか。まぁ、今は時間もないしいいか。
「そんじゃ」
「おう」
俺は一と軽く挨拶を交わし、足早に家へと向かった。
初めて書く小説なので、最後まで読んでいただけるだけで感謝です。
それと、一回に投稿する文量をもう少し増やしたほうが良いのでしょうか? その他にも何か気が付いた点など、教えていただけたら嬉しいです。お願いします。




