最高学年になりました
彼─ 船森大和と出会ったのは中学3年の春のことだった。
「薫~今年こそ一緒のクラスになりたいよね…」
少し気だるげそうにそう話しかけてきたのは、同じチームメイトである西条美緒。
彼女と薫は三年間─正確には二年半だが─バレー部の両エースとして肩を並べてきた。
「ね…なんで一緒にしてくれないんだろ先生たち」
クラス分けに関わる教員勢に控えめに不満を零す。
やはり、仲が良すぎることが問題なのだろうか?
義務教育9年目の今でもクラス替えのシステムがよく分からない。
「あ~見るのドキドキするね、怖い。…ま、見に行くしかないか」
そうだね、と軽く返事をして
私たちは職員室前の廊下の掲示板に張り出されている名簿を確認しに向かった。
*
私と美緒の通うこの、上代中学は
全校生徒数がおよそ960名という市内でも有名なマンモス校だ。
1学年8クラス1クラス40人を基準に学年が編成されている。
もちろん転入、転校などがあるから人数に多少バラつきはでるが。
「8分の1とか確率低すぎ!ジーザス!!」
まだ名簿を見てもいないのに顔を両手で覆い嘆く美緒を横目に見つつも、
1クラスずつ自分と美緒の名前があるかどうか確認していく。
斎藤 淳史
"西条 美緒"
…
"谷本 薫"
「あ、美緒見て!名前あった!3組だって」
そんな美緒を少しでも励まそうと明るく声をかけてみる。
すると、
「え!嘘、ホント!?嬉しい!え、マジで?!ありがとう!」
頭のねじが1本どころか10本はじけ飛んだ回答が返ってきた。
…大丈夫かなこの子と一瞬思ってしまった私をだれか許してください。