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プロローグ
遠い昔の恋の話。
喫茶店で働き始めた私。
そして彼はそこにお昼になると毎日ランチを食べに来てたお客様。
とても陽気な人で 毎日楽しい話をたくさん聞かせてくれた。
時間的に自由がきく営業マンの彼は、
食事が終わってアフターコーヒーを飲みながら
ランチタイムが終わり少し暇になった店内で、
私とおしゃべりする事が日課となっていた。
いつの間にか彼が来るのを待つ自分に気づき、
また急激に彼に惹かれていく自分がそこにいた。
そして彼もまた、私に想いがあるであろう事を自惚れではなく感じていた。
仕事のこと、趣味の野球のこと、色々なことを教えてくれる彼。
私が知らないことをたくさん知っている彼の話は
とても興味深くすんなりと私の中に入っていった。
けれど、あんなにいっぱい話していたのに
ただひとつだけ私が聞かされていなかったこと
彼が私に どうしても言えなかった事
それは・・・・・・・・・・