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今週の魔法少女

今週の黒の魔法少女の悪事


月曜日

日の出の時間を闇で覆い、音を消して、朝の目覚めを妨げる。


火曜日

近くの山の地面に落ちていた花粉という花粉を集めて、都市部で竜巻を起こしてばら撒き続けた。


水曜日

微妙に道路という道路を歩きづらい凸凹にして、傾かせた。


木曜日

休み


金曜日

駅のホームに並んでいる人々の頭から、付属品という付属品を全て飛ばす。


土曜日

ある会社の社用車を全て、30階建ての屋上に載せた。


日曜日

海水浴場の海を氷漬け




「今週、静音がやっていた事は以上ですね。」


「ふふふ、相変わらず面白い事ばかりをしているのね。私も、いい暇潰しになるわ。」


暗闇の中、緑の虎の姿をした流峰が静音が巻き起こした、それぞれ大きな被害は無いものの一部に限っては被害を受けて絶叫をあげた出来事を報告していく。

流峰が報告をしている相手。

それは、精霊獣達の主人、魔法少女を生み出し世界を守ろうとしていた、この世界の管理者である女性だった。

しかし、その姿は異様なものだった。


黒い空間の中で、両腕を絡め取られているかのように周囲に繋ぎ止められ、下半身はすでに黒い靄の中に溶け込ませている。

その表情は青白く、体は時折透けているようにも見える。


それも、これも、全てはアウネ神のせいだと、静音と精霊獣達だけが知っている。

魔法少女も知ってる筈だった。伝えた筈だった。

でも、それが伝わっていなかったのだと、精霊獣達が思い知った時には全てが遅かった。


管理者自身が動かねば、世界はすぐにでも終わりを迎えていた。

それを繋ぎ留める事が出来ているのは、全ては管理者が世界を愛して止まなかったから。静音が協力を申し出てくれたから。


それは誰も知らない。

管理者と同じ、一つの世界を担っていた筈のアウネ神でさえ愚かにも気づいてはいない。



「後少し。静音には後少しだけ頑張って欲しいと伝えてくれますか?」


「分かりました。しかし、管理者様もどうか持ち堪えて下さい。消えたりなど…」

「それを決めるのは私では無いの。アウネがどれだけの穴を開けたのか、アウネが管理していた世界がどうなっているかによるもの。運が良ければ、この身が削がれるだけで済むかも知れないが……確率は低いわね。」


「静音をしっかり助けてあげなさい。頼みましたよ、流峰。」


「言われるまでもありません。」


それではまた来週。

流峰は緑の軌跡となって黒い空間から姿を消した。

真っ直ぐに、静音が眠りを楽しんでいる小さな部屋へと戻っていった。


「本当に、困ったおとうとだ事。世界を管理するモノが世界を見捨てるなんて。」

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