鳴り響く絶叫
警察に通報した後、事務所に帰った凛音と春は絶句していた。さっきの死体が吹き飛ぶほどの衝撃である。
あたり一面に広がるゴミの山。出かける前の整理された様子は見る影もない。凛音がプルプルと震えている春からそっと離れた瞬間、絶叫が鳴り響いた。
「ふゆきいぃぃぃーーーーー!これはどういうことだ!なんでこんなに散らかってんだ!」
「おかえりー遅かったね」
「おかえりじゃない!!」
「ただいまー。いやーここまで来ると一種の才能じゃないか?」
「フッ、思わぬところで才能がバレてしまったな⋯」
「ふざけんなよ俺は絶対片付けないからな!お前らが自分で片付けろ!」
「え、なんで俺も?!」
「なんとなくだ!一緒に反省しろ!!」
「理不尽」
「仲間じゃないかブラザー」
「嬉しくない!!」
冬希が食べたお菓子の空袋など片付けたくなかったが、肩をがっしりと掴む必死の冬希とものすごい形相で睨んでくる春からは逃げられず、結局凛音は掃除を手伝うことになった。
「は?殺人現場から出てきた人を見た!?」
やっとのことで掃除を終え、3人は遅い夕食を取っていた。なんだかんだ言って食べるのを待っていてくれた春は優しい。
「そうそう。真っ黒ですごい綺麗な女の子」
「何でもっと早く言わなかった?ついさっきまで 警察と話してただろ」
「いや、だって決めつけはよくないじゃん?それにあんなにほっそい女の子が成人男性を殺せるのかなって」
「だからってお前が情報を隠したら、警察も何も分からないだろ」
「そうだけどさ…」
「それに術を使えば体格差なんて関係ない」
今まで黙々と夕食を貪っていた冬希がぼそっと呟いた。
「確かに!」
「もっと早く気づけよ。お前本当に探偵か?」
呆れたように呟く春にむっとする。
「春だって同じだろ!」
「俺はとっくに気づいてたよ馬鹿」
「なんで言ってくれなかったんだよ!」
「お前が今話したんだろ」
「悔しい!」
「八つ当たりすんな」
2人の呆れた視線を感じながら凜音は夕食を爆速で食べ終えた。




