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ep.20 転移

「戻ったか。」ザラゴスは短く告げ、冷静な目で三人を見つめた。


その視線には、一切の驚きや動揺がなく、むしろ計算された冷静さが漂っている。


「儀式の阻止は成功した。」


ヴァルノスは状況を報告した。


「守護者は想定外だったが、無事に撃退し魔剣も手に入れた。」


ザラゴスは無言で聞き入ると、軽く頷いて視線をヴァルノスに向けた。


そして、ザラゴスは再び口を開き、これからの任務について話し始めた。


「今回の儀式は防げたが、これが終わりではない。人間側は今後も儀式を繰り返し、魔界への干渉を試みるだろう。そのためには、さらなる対策が必要になる。」


エリスが疑問の表情を浮かべた。

「人間たちの儀式の目的を知る手段はないの?」


ザラゴスはしばらく考え込み、重々しく答えた。


「それを知るには、潜入し、彼らの計画を探るしかない。しかし、踏み込むには、それ相応の力が必要だ。」


その言葉にヴァルノスは息を呑みつつむも、次の任務について尋ねた。


ザラゴスは静かに笑みを浮かべながら言った。

「まずは人間の計画を探り、儀式を完全に阻止する手がかりを得る必要がある。」


三人は決意を新たにし、潜入作戦に参加する意思を示した。


ヴァルノス、エリス、グラーデの三人は、ザラゴスの指示を受けて、潜入に向けての準備を整えることになった。


ザラゴスは、彼らが目立たず動けるように、魔法の衣装や道具を提供してくれた。


それらの装備は、見た目には人間のものとほとんど変わらないが、魔力を隠す機能が備わっており、他の魔族や魔法使いに感知されにくくしている。


ザラゴスは慎重な表情で言った。


「無暗に力を使うな。特に儀式に関与する者たちは魔術に通じている。お前たちが魔族だと気づかれれば、警戒を強められることになる。忍び寄り、彼らの動向を見極めるのだ。」


ヴァルノスは頷きながらも、その目に戦意を宿していた。


「わかった。まずは必要な情報を手に入れ、企みを阻止する手がかりを得て戻ってくる。」


ザラゴスはわずかに微笑みを浮かべ、「お前たちならできると信じている。これまで以上に力を尽くし、任務を遂行するのだ。」と言い残した。


ザラゴスは彼らを転移の魔法陣まで案内し、最後の確認をした。


「この魔法陣は、あらかじめ指定した場所へお前たちを送り届ける。転移先は人里離れた森の中だ。そこから町へと向かえ。」


ヴァルノス、エリス、グラーデは魔法陣の中に立ち、互いに視線を交わした。


それぞれの胸には、任務に対する緊張と興奮が入り混じった感情が渦巻いている。


「では、行くぞ。」ヴァルノスが力強く言い、エリスとグラーデもそれに同意するように頷いた。


ザラゴスが呪文を唱えると、魔法陣が淡い青白い光で輝き出し、三人の姿が徐々に霞んでいった。

そして、光が完全に収まると、彼らの姿はその場から消え去っていた。


転移先の森に現れたヴァルノスたちは、周囲を見回して状況を確認した。

森の木々は人間界ならではの野生的な雰囲気を醸し出しており、微かに動物の鳴き声が響いていた。


ヴァルノスは懐かしさを感じた。

かつて人間だった彼が魔族としてのこの地に足を踏み入れることは奇妙な感覚を抱かせた。


エリスが慎重に周囲を観察し、「まずは町の方へ向かいましょう。儀式についての情報は、きっと町の中に手がかりがあるはず。」と提案した。


「町では目立たないように行動しよう。情報を得るには、我々が魔族であると悟られないことが肝要だ。」とグラーデが冷静に応じた。


ヴァルノスたちは森を抜け、近くの町へと向かうために歩き出した。

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