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ep.18 救出

「これからどうするつもり?」エリスが静かに尋ねた。


彼女の声には、これまで共に戦ってきた仲間としての親しみと、彼の決意を確認したい気持ちが込められていた。


ヴァルノスはしばらく考え、やがて答えた。


「俺は、ザラゴスが見せてくれたように、この力を誰かのために使う。それが誰であれ、守るべきものがあるなら俺は戦う。それが…俺が生き延びた意味だと思う。」


エリスはその言葉にうなずきながら微笑んだ。


「あなたは変わったわね、。最初はただ生き延びるだけだったのに、今は誰かを守るために立ち上がる覚悟がある。」


「変わったか…」ヴァルノスはふと過去を振り返りながら呟いた。


「そうかもしれない。けれど、俺にはまだ自分が何者なのか、はっきりとはわからないんだ。」


グラーデがそのやり取りを静かに聞いていたが、やがて口を開いた。


「だが、何者であるかなんて関係ない。お前が何を望み、何を行うかが、お前自身を形作るのだからな。」

ヴァルノスはグラーデの言葉に小さくうなずいた。

彼の中に、ザラゴスから与えられた「魔族の名前」を通じて新たに得た力と、その意味が静かに根付き始めていることを感じていた。


やがて、彼らが歩き続けるうちに、エリスが遠くに何かを見つけたように立ち止まった。


「あれは…村が燃えている?」


煙が空に立ち上り、その奥には炎の赤い光がちらついている。

焦げた木の匂いが風に乗って届き、不安な予感が三人の心を引き締めた。


「行ってみよう。」


ヴァルノスは即座に言い、足を速めて村の方へと駆け出した。

エリスとグラーデも彼の後を追い、炎の勢いが増していく村へと急いだ。


彼らが村に到着すると、すでに多くの家々が燃え上がり、悲鳴と怒号が混じり合う中、村人たちが必死に逃げ惑っていた。


ヴァルノスは周囲を見回し、村人たちを守るべく行動を開始する。


「グラーデ、エリス!村人たちを非難させよう!俺は火の勢いを抑える!」


そう指示を出すと、ヴァルノスは魔力を集中し、炎に立ち向かった。

魔族としての力を使い、炎を制御する術を試みると、空気中の魔素が彼の周りに集まり、赤い炎を青く冷たい光に変え始めた。


エリスとグラーデもそれぞれの方法で村人を導き、安全な場所へ避難させていった。


救出が一段落したとき、一人の若者がヴァルノスたちの元に近づいてきた。

彼は目に恐怖と敬意を宿しながら、ヴァルノスに向かって深く頭を下げた。


「ありがとうございます…あなた方が来てくれなければ、私たちはどうなっていたか…」


ヴァルノスはその若者に優しく答えた。


「礼はいい。ここを守るために、俺たちができることをしただけだ。」


若者は少し躊躇った後、静かに言った。


「実は…この村には、伝説の魔剣が隠されているという話があって…その剣の力を狙う者が襲ってきたのです。」


エリスが興味を持ち、若者に尋ねた。


「その剣は本当に存在するの?」


若者は小さくうなずいた。

「はい、ただし、その剣を使いこなせる者は、選ばれた者だけだと言われています…もしかしたら、あなた方ならその剣を手にする資格があるかもしれません。」


若者の言葉を聞き、ヴァルノスは再び自らの胸の中に湧き上がる使命感を感じた。

その剣を手に入れることで、さらに強大な力を得て、多くの人々を守れるかもしれない。


しかし、それは新たな戦いと試練をもたらす可能性もあった。


「俺たちはその剣を見つけてみよう。」


ヴァルノスはそう決意を固め、若者の案内で伝説の魔剣が隠されたとされる山へと向かう準備を始めた。

新たな仲間と共に、さらなる試練と謎が待ち受ける地へと歩みを進めるヴァルノスたち。


ヴァルノスたちは若者の案内に従い、深い森を抜け、険しい山道を登っていった。

その道中、彼らは幾度も魔物の襲撃を受けたが、仲間同士で協力し、すべての危険を乗り越えた。


やがて、彼らの前には薄暗い洞窟の入り口が現れた。


「ここが…魔剣が眠っている場所です。」若者は声を震わせながら告げた。


洞窟は禍々しい雰囲気に包まれており、周囲の空気はひんやりと冷たく、まるで内部に吸い込まれるかのようだった。


ヴァルノスはその場に立ち尽くし、ゆっくりと深呼吸をした。

「準備はいいか?」ヴァルノスが仲間たちに問いかけると、エリスもグラーデも力強くうなずいた。


彼らの目には、決意と覚悟の光が宿っていた。

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