140字小説3.4. 『寂しがり達』『反動』
『寂しがり達』
目の前の本棚にずらっと小説が並んでる。
読んでもない。
「こいつ、こんな所に居てたのか」という本達が、
俺をずっと見ている。
少しだけ考える。
一度読むとハマってすぐ読み終えられるのに、
何故読まないんだろうか。
すぐに答えが分かった。
そうか、俺はずっとこいつらに傍で見られていたいんだ。
『反動』
「願いを一つ叶えられるとしたら何がいい?」
友達が聞いてくる。
『何をしてもいい部屋を作って、その部屋の物全て壊す。
壁も、花瓶も、テレビもベットも。
そして、その場で時が過ぎるのをずっと待ちたい。
何をしてもいいのなら、私は私を壊したい』
なんて言えない。
「んー、皆んな幸せなままがいい」
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今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
まだまだゆっくり頑張ります
泉ふく