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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

いわく付きの場所はおっかない話

作者: 桜橋あかね

[注] 

R15、残酷な描写は保険です。

突然だが、皆さんは『幽霊の存在』はあると思いますか。

……まあ、これは人それぞれでしょう。


ちなみに、僕は姿は見えないものの、『気配を感じる』ことは出来るんですよ。

危ない心霊スポットに行くと、必ず嫌な感じに捉えましてね。

だから、居るかと言われれば居ると思うんですよ。


まあ、これがあるから……あんまり近付きたく無いんです。

―――いわく付きの場所って所にね。


そんな僕が、特におっかないと思ったお話を一つご紹介しましょう。


▪▪▪


あれは数年前、僕はまだ大学生の時でしたか。

授業をしながら、近くの喫茶店でバイト生活をしていました。


で、そのバイト先である喫茶店には仲の良いバイト仲間が居ましてね。

(仮にNさんとしておきます)

そのNさんは心霊スポット巡りが趣味で、僕自身幽霊の気配を感じる事が出来る話はしていたのもあったのか、よく本物のスポットなのか確かめてくれって一緒に連れて行かれました。


最初は嫌々でしたよ。幽霊に取り憑かれたら、たまったもんじゃ無いですから。

……でも、Nさんにバイトのあれこれを教えて貰った恩があって、渋々着いて行きました。

で、その心霊スポット巡りの大体は『噂程度』から発展した場所なので、嫌な気配とかは全然しませんでした。


▫▫▫


それから何ヵ月か経った頃バイトの休み時間にNさんから、夜に市内有数のいわく付きと呼ばれる廃病院に行こうと誘われました。


……いつもは『またいつものか』と思いつつも行くのですが、その廃病院に行くと聞いた時、妙な感じに捉えました。


なぜか、そこには行ってはいけないと思ったのです。


断ろうとしたのですが、今度の休みに食事を(おご)るからと頼み込まれたので、僕の方が折れ……行くことにしました。


バイトが終わり、その足でNさんの車に乗せて貰い、例の廃病院へと向かいました。

そこに着いた頃には、辺りは真っ暗になっていました。


「よし、行くぞ」

と、懐中電灯を付けたNさんはそそくさと中へ入っていきます。


僕も懐中電灯に灯りを付け、Nさんの後に着いていこうと中へ入った瞬間、全身に電気が走ったような感じになりました。


―――この感じになるのは、特に危ない場所として捉えているに違いない。


冷や汗をかきながら、僕はそう思いました。


「おい、大丈夫か」

僕の反応を見た、Nさんが話しかけます。


「……か、帰りましょう。ここは……ダメです……」

か細い声で、僕はそう言いました。


「……そうだな。悪かった、帰ろう」

察してくれたのか、Nさんはそう言って引き返してくれました。

その日は、何もなく過ごせました。


▫▫▫


翌日から、僕は変な行動を取るようになりました。


大学の授業やバイト終わりに、あの廃病院に足を運ぶようになったのです。

それも、『その廃病院に何かをしなければならない』って思って、足を運ぶのです。


何をしようとしたいのか、全く分かりません。

でも、なぜか毎晩のようにその廃病院に行って、数時間その場に居てモヤモヤした思いで帰るのです。


その行動があってから、毎日寝不足と身体のダルさに襲われました。

大学の先生や、バイト先の喫茶店のオーナーに心配されました。


それから、半月程経った土曜日。

僕は、シフト通りにバイト先の喫茶店に赴きました。


「……お疲れ様です」

僕が言うと、オーナーが思い詰めた顔をしました。


「ここ最近、休めていないだろう。今日はいいから、休みなさい」

オーナーが言いました。


「でも……」

僕がそう返すと、オーナーは首を横に振りました。


「君にはいつも助かっているから、今日ぐらいは……な?」

これ以上は返せないと思った僕は、そのまま帰ることにしました。


大学の寮に戻り、ベッドの上に横たわりました。

ふと、またあの廃病院の事が頭に思い浮かびます。


いわく付きの場所には、何かがあるのかも知れない。

そう思って、パソコンを開いて調べました。


何個目かの心霊スポット巡りのサイトに行き着いた時、サイト主が書き込んだと思われる、気になる文面を見つけました。


▪▪▪


本当の心霊スポットに潜む幽霊にも、生きている私たちと同じように、その場所を生半可に訪れると嫌な気持ちになるみたいです。

私がそのスポットに訪れる場合には、必ず「皆様の場所に訪れて、申し訳ありませんでした」と伝えます。でもないと、取り憑かれて厄介な事になりますから――


▪▪▪


これを見て、ハッとしました。

僕は、あの場所に居た幽霊(かれら)に謝ろうとしていたんだ、と。


その日の夜、僕はまたあの廃病院に向かいました。

それから、「生半可に来てごめんなさい」と謝りました。


その時、すぅっと身体が軽くなりました。

きっと、許してくれたんだ。ひとまず安心だな……と思ったその時、携帯電話に着信が来たのです。


その電話番号は、喫茶店のオーナーからです。


『……ああ、急に電話して悪い』

慌てた様子でオーナーが言います。


「別に大丈夫ですが、どうしたんですか?」




『あのな、N君が事故に遭ったと家族から電話があったんだ。……で、助からなかったと……』




そう言えば、僕がこの現象に襲われた時、Nさんはずっと仕事を休んでいたと聞いていた。


……もしかして、奴らに怨念を込められたのか。

それは、今現在も分からない事です。


それから僕は、いわく付きの場所には行かないようにしています。

読んで頂き、ありがとうございました。

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[良い点] : (((;"°;ω°;)):ガクガクガクガクガクガクガクガク ここここここここここここ 怖かった(ノД`)・゜・。 [気になる点] 清々しいくらいありません [一言] 旨い。このしめ…
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