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2月19日 コンビニにて

 今日はどうもやる気が起こらない。休日ということもあり何か特別することがあるわけではないが、一日中何もすることなく家にいるというのはひどくつまらない。だからといってどこかへ行って買い物をする気にはならなかった。昨日の夜遅くまでの残業のせいだろうか。倦怠感のあまり自炊する気にもならない。午前中はただスマートフォンをいじって時間ばかりが過ぎ去ってしまった。

 半日ゴロゴロ家の中でしていただけでも意外にもお腹はすくものだ。重い腰を上げ、コンビニで昼食を買いに行くことにした。家からコンビニまでは徒歩五分。近くにコンビニがあって良かったと心底思った。

 コンビニに到着すると真っ先におにぎりの陳列棚へと向かった。所狭しとばかりに、梅や昆布、ツナマヨ、明太子などの様々なおにぎりが並べられていた。

 私がツナマヨのおにぎりを手に取ろうとした時、男の子の姿が目に入った。背丈から察するに幼稚園児といったところだろう。

 男の子は陳列棚の下の方にある段差に足をかけ、上の方にある昆布のおにぎりを取ろうとしている。けれども、結局のぼったところで彼の身長からすると取れないことは容易に想像できた。そして陳列棚の段差は当然のことながら、踏み台にするためのものではない。滑って転げ落ちたりしたら危ない。その子の母親とみられる人は隣のサラダコーナーを見たままですっかり子どもから目を離していた。

 深く考える間もなく私は昆布のおにぎりを手に取り、そして男の子へ手渡した。

 するとありがとうこそ言わなかったが、男の子はこちらを見てぎこちなくお辞儀をしたのだった。それからその子は母親のもとへと行き、おにぎりを買い物かごへと入れる。その後、ちらちらと男の子は私の方を見ている様子はとても可愛げだった。

 その後、私はというとおにぎりを三つとお茶を購入するとコンビニを出た。家までの帰りの道中、先ほどの男の子のぎこちないお辞儀とその後の様子を思い出し、自然と笑みがこぼれ出る。

 気がつけば先ほどまであった倦怠感はどこかへと消えていったのだった。


このお話はすべて実話です。あの男の子、かわいかったなあ……。


お読みいただきありがとうございます。


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