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5月17日 東西橋《とうせいきょう》

 昔、とうという国と西せいという国があった。その国の境には東西川とうせいかわが流れており、両国を行き来するには船を使っての移動が常である。遣いの者が川を渡るとなれば、船に乗って移動しなければ向こう岸には辿りつけない。また、大きな荷物を運ぶことはこの船ではできず、せいぜい大人が十人乗れるくらいの大きさである。

 ある日、東の皇帝は東西川の行き来をもう少し簡単にできないかと思った。西でとれる良質な絹は、東では重宝されている。どうにかして多くの絹を輸入できないかと考えたところ、ある一つの考えにたどり着いた。

 彼はすぐに西へ遣いを送るよう命じて、一緒に橋を造るよう呼びかける。すると、西の皇帝はその計画に賛同し、建設を進めることになった。造ると決まれば両国の大勢の大工が集って、橋を両側から造っていく。そうして多くの資金、長い年月をかけてようやく両国を結ぶ東西橋が完成した。

 それによって人々の行き来は盛んに行われるようになった。両国とも宗教、作物、文化、得意とする技術が異なっていたこともあって様々な交流が行われ、そして市場は活性化した。

それから何年か時が経過すると、考えの違いにあつれきが生じた。それは宗教や文化の違いによるものであった。

 やがては戦へと発展し、その際も東西橋は使われた。

 東は敵の侵入を防ぐために武器で橋を破壊して寸断する。一方、西は火をつけることで敵と橋を焼き払った。

 そうして、長い年月と多くの資金をかけて造った東西橋はなくなってしまったのである。


お読みいただきありがとうございます。


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