5月16日 暴言にオブラートを添えて
「どうしてこんなミスをしてくれるんだ!」
叱責する上司。彼の部下は頭を下げて謝罪した。
「申し訳ございません。発注する数を間違えていたようです」
「そんなことを言われてもねえ。もう物は注文して届いてしまっているんだ。特注の品だから今さら断るわけにもいかないし、この大量の品をどうするつもりかね」
部下の社員は深々と頭を下げて再び謝った。
「大変申し訳ございません」
「ただ謝ればいいと思っているのかね。そんなことだから君は時おりミスをしでかすのだよ。入って一年足らずの人間にあまり厳しいことを言うのもあれだから、多少はオブラートに包んで言わせてもらうけれど――このロクデナシがぁ!」
「大変申し訳ございませんでした」
「物品の発注すらできないとか死んでしまえ!」
「誠に申し訳ございませんでした」
「このクソ●●●がぁ!」
「オブラート全然包めてない!?」
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