5月9日 九九
「しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち、しちしにじゅうはち、しちごさんじゅうご、しちろくしじゅうに、しちしちしじゅうく、しちはごじゅうろく、しちくろくじゅうさん。はい、じゃあ言ってみて」
「しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんじゅんいち」
「しちさんじゅんいち、じゃなくてしちさんにじゅういち」
「しちさんにじゅういち」
「そうそう。じゃあ最初からもう一度」
「しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち、しちしにじゅうはち、しちごさんじゅうご、しちろくしじゅうく」
「ブッブー! しちろくしじゅうに」
「しちろくしじゅうに」
「はい、じゃあ最初からもう一度」
「しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち、しちしにじゅうはち、しちごさんじゅうご、しちろくしじゅうに、しちしちしじゅうはち」
「ブッブー! しちしちしじゅうく」
「しちしちしじゅうく」
「もう一度最初から」
「しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち、しちしにじゅうはち、しちごさんじゅうご、しちろくしじゅうさん」
「違うよ。しちろくしじゅうく」
「しちろくしじゅうく」
「はい、もう一度」
「しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち、しちしにじゅうはち、しちごさんじゅうご、しちろくしじゅうく、しちしちしじゅうく、しちはごじゅうろく、しちくろくじゅうさん」
「この前言っていた資材の発注そろそろ頼むよ」
「はい、わかりました」
七千キログラムの製品を造るのに、大体六倍の原料が必要となる。すぐさま計算して注文を行った。
数日後。
「なんか、めっちゃ原料届いて。倉庫に入りきらんのですがどうします?」
資材課の課長は困った様子で工場長に相談している。
もしや私が発注ミス?
念のため検算する。
しちろくしじゅうく。つまり四万九千キロの発注。
うん、全く問題なし。
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