表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/189

4月27日 彼女

 公園を歩いていると、彼女は僕の後についてきたんだ。少し休憩しようと思い、ベンチに腰かけると、彼女も腰かける。

「いい天気だね」

 と声をかけてみたけれど、返事はない。

 すると突然、彼女は僕に近寄ってきたんだ。一体どうしたのだろう。こんなに密着するほど小さなベンチではないのに、どうしてこんなにもくっつくんだ。このベンチにはきっとあと大人三人くらいは座れるに違いないよ。僕たちはこんなにも大きなベンチにも関わらず、片側に偏って腰かけているんだ。この光景は傍から見れば、何とも滑稽に映るだろうね。

 そんなことを考えていると、さらに彼女は思い切った行動に移した。なんと僕の膝の上に座りだしたんだ。しかも、お互いに顔が向き合うように乗っている。あまりにも素早い動作だったため、驚くことを忘れてしまったよ。

 緩やかな風が吹き、少し肌寒さを感じた。彼女が座り始めてから何分が経過したんだろう。もう随分と長く座っているように思うのだけれど……。

 そして、彼女は僕の体に寄りかかって眠ってしまったんだ。

「困ったなあ。こんなところで寝られては……」

 僕もそろそろ帰ろうと思ったから、彼女には申し上げないが、仕方なく起こすことにしたんだ。

「おーい、起きろー。風邪ひくぞ」

 彼女のふさふさの毛をツンツンとつついて起こす。

 まだ眠気は冷めていないようで、あくびをしながら、

「ニャー」

 とその三毛猫は鳴いたんだ。


お読みいただきありがとうございます。


少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク登録あるいは広告の下にある【☆☆☆☆☆】を押して評価していただけると幸いです。作者のモチベーションアップになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ