第18話 尼子包囲網
恐れていたことが起きた
これまでの展開は史実に沿いそれを変えて戦ってきた
それが山名氏を臣従させ4カ国の平定、7カ国に及ぶ勢力となれば周辺国が黙ってないわけが無い
なぜ気づかなかった…もっと慎重に進めるべきだったのに!
そう後悔しても遅い。今は目の前にある状況を打破しなくては
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赤松氏は山名氏が抗議した石見守護の件を引き合いに出し
「尼子政久は山名氏からの石見強奪を認め大内義興という後ろ盾をいいことに好き放題やっている。この蛮行を許しておくわけにはいかぬ」として周辺国に呼びかけたらしい
さしずめ【尼子包囲網】と言ったところだろう
幸いなことに大内義興は京都におり今回の件でも「我が大内は尼子に味方する」と言ってきている
大内は九州で少弐・大友らと争い京都でも戦っている
そんな状態では尼子と戦うのは避けたいに決まっている
また山名の東の丹後守護の名門・一色はこれには加わらなかった
大方若狭武田との戦が忙しいからだろう
こういった所を見るに主戦場になるのは美作…そして父・経久が美作制圧の足がかりとしている高田城が主戦場となるだろう
一つ一つ状況を整理し何としてもこの困難を乗り越えねばならぬ
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1518年8月
出雲に戻るとすぐさま諸将を集め赤松との戦の準備にかかった
しかし上手くいかない
山名への遠征の直後でありさすがに負担が大きい。塩冶興久や桜井宗的はこの戦に連れてけと騒いでいたがこいつらが1番被害を受けている。連れてく訳には行かない
今回の戦では留守を務めた山中、宍道、立原を中心に連れていくしかないと思った矢先嬉しい事が起きる
「兄上、此度の戦、某をお使いください」
そう言ってやってきたのは次男・尼子国久だ
なんと備後に置ける争いは毛利・吉川・小早川らのおかげで余裕があり離れても問題ないという
また
「この相合元綱も是非に」
相合元綱が元就から貸し出された1000の兵で参戦すると言ってきた
大方元就の事だ「此度の戦で相合元綱が手柄を立てれば相合元綱の発言力が増す」などと考えているのだろう
何はともあれそんな元就の思惑は置いておいてありがたい限りと軍に加える
さらに…
「山名誠通でございます。此度の赤松との戦いの為当主・山名政豊より2000の手勢を預かり参戦しました。末席におくわえください」
なんと自身も大変なはずの山名氏から一族の誠通が援軍として来着
まさかの毛利・山名の援軍を得た尼子政久は赤松との決戦に望むこととなった
尼子政久が皆を許してきた成果…と解釈してください()