0話【俺。ブラック企業で働きすぎで死亡】
忙しい夜。定時を過ぎたはずの会社ではまだ複数人のパソコンの音が鳴り響いていた。
「だから君はだめなんだ」
「なぜこんなこともできない?」
そんな社長の罵詈雑言が飛び交っている。社内には、やる気のある者なんてだれ一人いない。ただただ俺は、いや、俺達は社長の言葉のままに動くいわば手下である。
(もし俺が死んだら、異世界にでも行きたいなぁ)
20代のいい大人がなにを馬鹿な言ってるのかと思いつつパソコンを打つ。
「みなさん。おつかれさま…もう上がってもらって構いませんよ。」
社長は、そう言い一目散に会社を出ていく。
(あの、ハゲジジイ…)
そんなことを思いつつ俺達もぞろぞろと退社の準備を始める。
「先輩。お疲れ様です!」
そう俺に声をかけてきたのはかわいい後輩である。
「うん。おつかれ。」
彼女にそう声をかけ、立ち上がった途端、急に視界がぐらりと揺れた。立ちくらみだろうか。そう思った矢先、次は激しい吐き気に見舞われる。
「うっ…」
「先輩!?」
俺は机に頭を打ち倒れてしまう。
「先輩!先輩!」
後輩の声がうっすらと聞こえる。俺は死ぬのだろうか…?手足の感覚は無くなり、とうとう目も見えなくなってきた。
「せめて、ホワイト企業に勤めたかったなぁ」
その言葉を最後に俺はこの世を去ったのだった。
こちらの作品をお読みいただきありがとうございます。
なにぶん初投稿なのでいろいろ変なところがあるかもしれませんが目をつむっていただけると幸いです。
第2話も頑張って書こうと思っておりますので、暖かく見守っていただけると、泣いて喜びます。
では、また次回のお話で