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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第八章お兄ちゃんは妹と今年もよろしくしなきゃいけないよ?
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8-3大晦日

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


さぶっ!(由紀恵談)



 「はい、これでおせちの準備は良いわね、由紀恵そっちはどうかしら?」


 「うん、大丈夫だよ!」



 私はお母さんのお手伝いで年越しそばのお汁を準備している。

 ここは関東なのでちゃんとお醤油を入れて黒々としたつゆにする。


 「お母さん、どうかな?」


 私はお母さんに味見してもらう。


 「うん、美味しいわね。由紀恵は将来良いお嫁さんになれるわね」


 お母さんはそう言って笑ってくれる。



 うふっ、良いお嫁さんだって!



 私は思わずにっこりとしてお兄ちゃんに朝のお味噌汁を作る将来の自分を思い描く。

 あさげの香りにお兄ちゃんを揺り起こして、おはようのキスして‥‥‥


 朝やっている国民的ドラマを思い出しながら思わずぽ~っとしてしまう。

 昭和テイストだけどなんか日本の朝って感じでいいなぁ。



 「由紀恵! 吹きこぼれてる!」


 「え? うわっ!!」



 慌てて鍋をコンロから上げる。

 危うく吹きこぼれて大騒ぎになる所だった。



 「なんだい大騒ぎして?」


 先にお風呂に入っていたお父さんが台所に来た。

 お父さんは冷蔵庫からビールを出している。


 「あれお兄ちゃんは?」


 「ああ、友也はさっき風呂入ったぞ」


 お父さんはグラスを持ってリビングに行った。


 そうか、お兄ちゃんもお風呂入ったかぁ、じゃあ私たちも早い所かたずけてお風呂入って準備しなきゃ!


 そう、この後は家族でお蕎麦食べてから私とお兄ちゃんは二年参りで近くの神社に行く事になっている。

 紫乃も一緒だし神社合流で高橋静恵や矢島紗江、泉かなめに吉野君も来る事になっている。


 私はお母さんとお蕎麦の準備をするのだった。



 * * *



 「うわっ、やっぱり寒いね!」

 

 もうすぐ十一時になる。

 お兄ちゃんと紫乃と神社に向かって歩いているけど神社に近づくとだんだん人が多くなってきている。




 「お、来た来た! おーい友也ぁ~!」



 親友その一が手を振っている。

 あいつも来たのか‥‥‥



 「おう、お待たせ! 流石に寒いなぁ」


 「こんばんわ長澤君」


 「先輩こんばんわぁ~」


 「‥‥‥長澤君こんばんわ」



 親友その一以外にも高橋静恵も矢島紗江も泉かなめも来ていた。



 「長澤先輩!」



 集まった私たちのもとへ声がかけられる。

 見れば吉野君だった。


 「お待たせしました。やっぱり寒いですね」


 「こんばんわ吉野君。そうね、今日は特に冷え込むね」


 吉野君は他のみんなにも挨拶してみんな集まったのでお参りの行列に並ぶ。



 「さっむぅぃ~い、ねえ由紀恵ちゃん帰りに甘酒飲んで行こうよ~」

 

 紫乃はそう言って手袋の上から手をこすっている。

 そうね、帰りに暖かいの飲んでから帰ろうか?



 そんな事を思いながら並んでいたら太鼓の鳴る音がしていよいよ始まるみたいだ。

 

 遠くからも除夜の鐘が聞こえ始めた。


 もう少しで年が変わる。

 私はお兄ちゃんを見る。


 お兄ちゃんは私に気付き笑っている。


 そうだ、来年はお兄ちゃんの高校に受かってお兄ちゃんと一緒に高校に通って。


 

 「お、年が変わったぞ! みんな明けましておめでとう!」



 親友その一がスマホを見ながら告げる。

 

 「新年あけましておめでとう!」


 お兄ちゃんが私に向かってそう言う。

 勿論私も‥‥‥



 「あけましておめでとう! お兄ちゃんは妹と今年もよろしくしなきゃいけないよ?」




 そう言う私にお兄ちゃんは笑って頷き参拝の行列が動き始めるのだった。


    


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― 新着の感想 ―
[一言] うむむ……。 近付くと人が増える~に、個人的には疑問がががががが。 むしろそこへ向かう人がまとまってゴチャゴチャ歩く場面しか、住んでる土地的に見ないんですよ。 大人の足で十分歩くかどうか…
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