表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第七章クリスマスは家族で一緒にいなきゃいけないよ?
49/75

7-4先手を打たれた

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


お兄ちゃんのいけずぅっ!!(由紀恵談)


 「ただいま、って高橋? あれ、矢島に泉までも?」



 玄関で靴を脱いでいたお兄ちゃんは階段から降りてくる私たちを見て驚く。

 

 「お兄ちゃん!」


 「ああ、そうだ由紀恵ごめん。クリスマスバイトのシフトが入っちゃったんだ」



 びきっ!



 私は石化してしまった。



 びきびきびきっ!



 そして後ろからも同じ音がする。

 そう、高橋静恵も矢島紗江も泉かなめも先ほどのお兄ちゃんの言葉を聞いたのだ。


 「いやあ、流石に彼氏彼女もちにシフト押し付けるのは可愛そうだし、手の空いてるのは俺と剛志くらいだもんなぁ。剛志が言わなかったら気付かなかったよ」


 お兄ちゃんは「はははっ」とか軽く笑っているけど、親友その一、貴様は後で死刑だ。



 何お兄ちゃんに余計な事言ってるのよ!!

 シングルベルはお前ひとりでしなさいってのよ!!



 「お、お兄ちゃん、クリスマス・イブの夜は家族で過すのは?」


 「ん? ああ、今年は二十四日は土曜日じゃん。だからフルなんだ。夜には帰ってくるよ、多分十時過ぎにはなっちゃうけど」


 

 ガーン!!



 私は二度目の石化をする。

 勿論後ろの連中も同じだ。



 すると紫乃が遅れてやって来た。


 「ほえ、友ちゃんお帰り~」


 「おお、紫乃ちゃんいらっしゃい」


 「友ちゃんお疲れさんだねぇ~、クリスマスもバイトなの?」


 「ああ、仕方ないんで引き受けた。まあ俺と剛志なら時間もあったからね」


 「ふ~ん、じゃあさぁ、日曜日に私の家でクリスマスパーティーしない? 由紀恵ちゃんたちも呼んで」



 え?

 し、紫乃ぉ??



 「なんかね、みんなクリスマスは友ちゃんと一緒にいたいんだって。でもバイトじゃ仕方ないよね? だからたまにはうちに来てみんなでパーティーするってのはどう?」


 「へぇ、いいじゃん。あ、そうだ。じゃあさ、お店のケーキがもし余ったら持ってくるか? 二十四日の夜まででうちの店のケーキは販売終わりだからな。多分余るだろう。毎年余ったらバイトがもらっていくらしいからね」


 紫乃は「おおぉ~」とか言って喜んでいる。

 そして私に向かって確認をする。 

 

 「ね、由紀恵ちゃん良いよね?」


 「し、紫乃にしてはずいぶんと機転が利くわね?」


 「う、うん、イブはダメでも長澤君とクリスマス出来るなら」


 「先輩と一緒なら」


 「‥‥‥ホテルはキャンセルっと」


 泉かなめ、貴様本当に予約入れてたの!?

 スマホをいじってるところを見るとどうやら本当に予約していたようだ。



 「んじゃ、剛志も呼んでいいかな紫乃ちゃん?」


 「いいよぉ~」


 と、お兄ちゃんもスマホを取り出しSNSで親友その一にメッセージを送る。



 「ちょ、紫乃あのバカも呼ぶ気?」


 「え? だってみんなでパーティーする方が楽しそうじゃない?」



 むう、元はと言えばあいつのせいでイブの夜にお兄ちゃんと過ごせないと言うのに。  


 

 「でも珍しいね、紫乃ちゃんが家に呼んでくれるなんて」


 「うん、実はクリスマスはお父さんとお母さんお出かけなんだ。田舎のおじいちゃんの調子が悪いって。でも私には遠い所に行くの大変だし学校もあるからって言われて一人でお留守番だったんだぁ」



 え?

 そうだったの?



 「ふーん、じゃあ寂しいんじゃないか?」


 「うん、だからパーティーしよう~」



 屈託ない笑みでにへらぁ~とする紫乃。

 お兄ちゃんはそんな紫乃の頭をなでている。


 うっ、なんかうらやましい!!



 

 こうしてクリスマスイブはダメでもクリスマスに紫乃の家でクリスマスパーティーをする事となったのだった。


評価、ブックマーク、ご意見、ご感想いただけますと励みになります。

誤字、脱字ありましたらご指摘いただけますようお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ