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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第七章クリスマスは家族で一緒にいなきゃいけないよ?
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7-1寒くなって来たね

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


こたつあったかぁ~(由紀恵談)


 「うーん、こんなものかぁ~」


 私は帰って来た模擬テストの結果を見ている。



 希望校:桜川東高校/合格率百パーセント



 第二第三なんて空白なので第一志望高校の結果だけのっている。

 ちなみに三科目全て満点。



 「ふぇえぇぇぇん、合格率七十パーセントだよぉ!」


 隣で同じく結果を見ている紫乃は何度もその結果を見直している。

 

 そんなに見ても変わらないってのに‥‥‥


 私は紫乃のその結果票を見る。

 案の定、数学が足を引っ張っている。


 「紫乃は数学が苦手なんだからそこを集中すれば何とかなるのよ?」


 「分かっているけど数学苦手だよぉ~」


 しゅんとする紫乃。

 しかしここは頑張ってもらわないと。


 「じゃあ数学の駄目だった問題の復習しましょう。そうすればもっとぐっと合格率上がるから」


 私にそう言われ紫乃は泣く泣く私と勉強会を開く事となったのだった。



 * * *



 「あ、雪だ!」


 一緒に帰っていると灰色の空から白いものがふわっと落ちてきた。

 まだまだ数は少ないけどそれははっきりと雪と分かるものだった。



 「そうかぁ、もう十二月だものね。雪も降るわよね‥‥‥」



 私はそこまで言ってふとある事を思い出す。

 そう、それはクリスマス!


 クリスマスと言えば好きな人とクリスマスパーティーを過ごし、楽しくケーキを食べたりフライドチキンを食べたりと‥‥‥



 そう言えばなんで日本ではクリスマスにフライドチキンなのだろうか?



 確かキリスト教が広まっている他の国では七面鳥のはずなのに?


 日本ではその頃になるとテレビのCMも最近はコンビニもフライドチキンである。

 白いひげのメガネおじさんの人形もサンタクロースの服着せられてフライドチキンを宣伝している。


 あ、ちなみにあそこのフライドチキン美味しいのは皮だけで中の味が薄くなるのが嫌なのよね。


 

 私はそんな事を考えて家の前に向うと既に数人の人が待っていた。


 高橋静恵、矢島紗江、泉かなめ。


 なんで私の家の前にいるかと言うと勉強会で紫乃に苦手科目を教えると言う事になっている。

 そして先日の生徒会長や三浦佳奈美ちゃんの事についての報告もする事になっている。


 

 「お待たせしました。どうぞ上がってください」


 「うん、ありがと。私たちもさっき来たばかりだよ」


 「雪、ふってきましたね?」


 「‥‥‥この時期電線柱の所は冷える」


 

 まあ紫乃が呼んだのだけど仕方がない。

 高橋静恵の勉強の教え方は確かに上手だ。

 あの紫乃でさえすんなり覚えられるのだから。



 私は家の中へとみんなを招き入れる。

 そして勉強会場となる私の部屋に招き入れる。


 「本降りにはならないっぽいね?」


 階段をのぼりながらスマホでお天気情報を見る高橋静恵。

 もし本降りだったら今日は中止になるはずだった。


 「本降りだったらお兄ちゃんに傘届けに行かなきゃだったのに、残念」


 「長澤君は折りたたみ傘持っていたわよ?」


 「あ、部室にも置き傘在りますよ」


 「‥‥‥長澤君に温めてもらいたい」


 めいめいが好き勝手言ってるけど私の部屋に付くとみんなそれに気づき声をあげる。



 「由紀恵ちゃん、こたつ部屋にあるんだ!」


 「あ~、今日みたいな日には助かるわね。私冷え性なんだ」


 「良いですね、こたつ!」


 「‥‥‥あったまる」



 ふふっ、どうよお父さんが受験勉強で冷えるだろうからってこないだの日曜日に量販店で買ってくれたカジュアルこたつ!

 少し紫が入った白をベースにした可愛いやつ!


 今日の勉強会を私の部屋でするのを了承したのはこれを見せたかったってのもあるのよね!!


 しかも横長のこたつだからお兄ちゃんと一緒に並んで入れる!


 お兄ちゃんの部屋にはこたつは無いもんね、今後も私の部屋に呼び込んで一緒に温まるんだ♪



 私たちは荷物を置いて上掛けを脱いでこたつに入る。


 最新型だからスイッチを入れればすぐに温風と赤外線で温かくなる。



 「ふううぅぅぅ、あったか~いぃ」



 紫乃はこたつに入って既にとろけるようにへにゃ~っとしている。

 私も紫乃の横に入り座ると足元がポカポカしてくる。

 

 「う~ん、温かい」


 「いいわねこたつ。私の部屋にはセラミックヒーターだけだから足元がいつも冷えるのよね」


 「あ、分かります。私の部屋も足元にヒーターですから」


 「私はあんか入れてる‥‥‥」


 どうやらみんな寒さ対策はめいめいのようだけど場所を取るこたつは部屋に無い様だ。

 私も冷え性だから最初はセラミックヒーターでも買ってもらおうと思ったけど、お父さんが価格も同じならこたつの方が良いだろうって買ってくれた。


 おかげでこの二、三日は勉強机に座っていない。



 今日は昨日の夜のうちに部屋掃除していたからこたつの上も奇麗だけど、確かにこたつは人間をダメにする一面がある。


 あと、脱ぎ散らかすとブラとかの下着がこたつの中に入って気付かずにお兄ちゃんに見られるとか。



 あの時は本気で焦った。

 変な臭いとかしてないだろうけど、たまたま洗濯に出すのを忘れたやつだったから私の残り香が‥‥‥


 あ、でもそれでお兄ちゃんが興奮してくれたら!



 「でへへへぇ」



 「なんか由紀恵ちゃんが変だよぉ~」


 「温まり過ぎたかな? さてと、勉強を始めましょうか?」


 「そうですね、由紀恵ちゃんの報告もふまえて♪」


 「‥‥‥ちょっと楽しみ」





 私たちはこたつに入りながら勉強会を始めるのであった。 

 

 


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