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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第六章お兄ちゃんは妹がもらったラブレターを気にしなきゃいけないよ?
40/75

6-5矢島紗江の場合

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


なにそれっ!

お兄ちゃんお方が百倍良いわよ!!(由紀恵談)


 「道理で高橋さんが由紀恵ちゃんを気にかけるわけだ」


 ドリンクバーで飲み物をもって帰ると矢島紗江が高橋静恵に話しかけていた。


 「それでお兄ちゃんに出会って仲良くなったと?」


 「まあね、長澤君は男女分け隔てなく接してくれるから自然と一緒にいるのが多くなって気付けば彼の側にいるようになったの。由紀恵ちゃんがあの時教室に乗り込んできて初めて自分が長澤君に引かれている事に気付いたのよね」



 なんと!


 しまった、あの時お兄ちゃんの横でこのおっぱい女がお兄ちゃんの腕取ってもう少しでかい胸をあてがいそうになったのを見ていてもたってもいられなくなったのが災いしたか!?



 「そうですよねぇ~、先輩っていつの間にか見ちゃうんですよねぇ~」


 「あら? 矢島さんは見てばかりだったの? もっと積極的だた思ったけど?」


 「昔からそう言うので上手く行った例が無いんですよ‥‥‥」


 「‥‥‥昔から、奥手?」


 「そうそう、矢島さんは昔そう言ったお話無いんですか?」



 私は思わず聞いてしまった。


 

 「私のは‥‥‥」


 そう言って矢島紗江は懐かしそうに当時を思い起こす。



 ―― 矢島紗江の思い出 ――


 高校に入ったばかりの彼女は中学の時に告白できず結局別々の高校に進学して音沙汰無くなってしまった思い人の事を悔いていた。


 だから高校に入ったら絶対に彼氏を作るのだと意気込んで一ヵ月、何の進展もなく時間だけだ過ぎていた。



 そしてある日たまたま通りかかった体育館でバスケ部を見てそのキャプテン、内藤武ないとうたけしに一目惚れした。



 今までの自分を変える為、そしてステキな先輩と良い仲に成りたい為、たまたま募集中だったマネージャーになるのだった。


 しかし思いとは裏腹にキャプテンの内藤武との間は全然進展せずしかもかなりの対抗馬がいた事に思い知らされる。


 全くの脈も無く、そしてまた中学の時と同じく見ているだけの自分に嫌気がさしマネージャーをやめようとした時だった。



 重い荷物を運ぶのをお兄ちゃんが手助けした。


 

 矢島紗江は最初は単に感謝をしただけだったがお兄ちゃんは何かあるごとに手を貸した。

 そして気付けばお兄ちゃんを目で追うようになる。



 そんな時私が現れた。



 仲のいい兄妹を見ているうちにふつふつと湧き上がる思い。


 そして決定打が高橋静恵の存在。

 あのショッピングモール以来矢島紗江もお兄ちゃんに対する思いがはっきりとしてしまったのだった。




 じゅるるるるる~る



 「うーん、やっぱりミントにキャラメルラテ合うよ~」


 紫乃がまた変なもの作っている。


 私たちは矢島紗江の話を聞き終え大きくため息をつく。


 「まあ、あるわよねぇ。最初の目的がいつの間にか他の男性に引かれちゃうって」


 「‥‥‥二股」


 「ぐっ、お兄ちゃんったら他の女の子にも優しくしていたんだ。く、悔しい!」


 「長澤先輩の良い所はそれだけじゃないんですよ、後ですね~」


 お兄ちゃんお良い所を聞かされるとなると思わず耳を傾けてしまう。

 そしてその通りとか、うんうん有る有るとか思わず私も高橋静恵も共感してしまった。



 「そうよ、だからお兄ちゃんは素晴らしいのよ!」



 思わず私もこぶしを握りそう力説してしまう。





 「‥‥‥でもそんな表面的な所だけじゃない。長澤君は救世主」



 私たちが変なテンションでお兄ちゃんの良い所を話していると泉かなめがポツリとそう言う。



 「表面的な所だけじゃないってどう言う事です?」



 お兄ちゃんを一番よく知っているのは私よ! 

 それなのにさもお兄ちゃんをもっと深く知っているかのような口調で!


 「だって‥‥‥ 長澤君は見ていてくれたんだもの、こんな私も‥‥‥」



 そう言って嬉しそうに目を伏せうんうんと頷く。

 おまけに両手で何かを包むようなしぐさでそれを優しく胸元にまで持って行く。



 く、くぅうぅっ!


 何その乙女乙女しい雰囲気は!?

 何時もとんでもない事口走って唯ちゃんみたいなのに!!



 「じゃ、じゃあ泉さんはどうだったんですか?」


 「‥‥‥私は」



 そう言って泉かなめは話し始めるのだった。









 「ん~、長くなりそうだなぁ~。そうだ、今度はハーブティー系行ってみよう!」


 紫乃は一人また変なものつくりに行くのだった。

 

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