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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第五章お兄ちゃんは知っちゃいけないよ!?
32/75

5-6ラブレターは突然にだよ?

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


お兄ちゃん、わたしは‥‥‥(由紀恵談)


 「お、お兄ちゃん、これ読んでもらえる?」



 私はここ二日ばかりかかって書いたラブレターをお兄ちゃんに渡す。


 「ん? なにこれ?」


 「そ、それは‥‥‥ ら、ラブレ‥‥‥ ああっ! もうお兄ちゃんのバカぁっ! 見ればわかるでしょ!?」


 「ん~、手紙なのはわかるけどなにこれ?」


 お兄ちゃんは勉強机に座ったまま私の渡したラブレターをひらひらと見ている。



 くぅ、この兄は私の決死の覚悟で直に渡したラブレターを何だと思っているのよ!?


 と、ここで私は冷静になる。


 ちょっと待って、今私ラブレターをお兄ちゃんに渡したよね?

 しかも私の気持ちを書き連ねた物だよ!!



 「あ、ああっ! やっぱりそれ無し! 返して!!」



 急に恥ずかしくなってきて私は慌ててラブレターをお兄ちゃんから奪い返そうとする。



 「おおっとぉ、ダメダメ。そこまで言われると逆に気になるもんな。あとでしっかりと読ませてもらうよ」


 「ダメぇっ! 返して!! お兄ちゃんのえっちぃ!」

 

 「何故そこでエッチとか出てくるわけ? まさかそう言う手紙なの?」


 「そ、それは違うけど、女の子の気持ちを無理やり覗こうなんてやっぱりエッチよ!!」



 私はお兄ちゃんの気が緩んだ隙にその手紙を奪い去る。



 なんて事だろう。

 危うくお兄ちゃんに私の本心を書いたものを読まれる所だった。



 「ふーっふーっ‥‥‥」


 「分かった、分かったよ、そんなに怒るなよ」


 涙目で多分少し顔も赤い。

 私はお兄ちゃんから奪ったラブレターを握りしめかばうように後ろに隠す。



 「全く由紀恵は」


 ははははと笑いながら何時ものお兄ちゃんがそこにいる。


 

 そして私はもう一度気付かされる。


 この手紙を渡して読まれていたら果たしてこの笑顔を見せてもらえただろうか?


 私たちは兄妹。

 どんなに好きでもどんなに思っていてもそれは変えられない事。

 

 私はお兄ちゃんが好き。

 それは兄妹愛をきっと超えている。





 私は‥‥‥





 「お兄ちゃんのバカぁ‥‥‥」



 私はそう言ってお兄ちゃんの部屋を出るのだった。


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