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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第四章文化祭でもお兄ちゃんは勝手にしちゃいけないよ!!
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4-5楽しい一日のはず?

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


なんでなのよっ!

お兄ちゃぁ~ぁんッ!!(由紀恵談)


 「お兄ちゃん、さぁさぁ♪」


 私は上機嫌でお兄ちゃんの腕を取る。

 だって今日はお兄ちゃんは私の言う事聞いてくれることになっている。


 お兄ちゃんには私の恥ずかしい姿見られちゃったけど、おかげでこうして今日一日はお兄ちゃんは私のモノ。

 自然とにやけてしまう。



 「由紀恵ちゃん、ちょっとくっつきすぎじゃない?」


 「せ、先輩も歩きにくいですよね!?」


 「うらやましい‥‥‥」



 何故か家に一度集合してから私の登校と一緒にみんなもついてくる。


 「由紀恵ちゃん~、今日最終日だねぇ~もう受付の仕事終わったから今日はめいいっぱい遊べるねぇ~」


 紫乃はにこにこしながらパンフレットを見ている。

 

 しかし私には昨夜練りに練ったデートプランがある。

 そして、きっと今日はこうなると思って途中でお兄ちゃんと二人っきりになれるように策も練ってある。



 「なぁなぁ友也、お前のいた中学って文化祭結構大々的にやるんだな!?」


 「まあなぁ、この界隈だと一番でかい中学だしな。いまだに生徒数も多い。剛志たちの中学はやらないのか?」


 「うちは人数少ないから二年に一度だな。それもしょぼい内容ばかりで招待客以外の参加は無い。つまんねぇやつだったよ」


 親友その一はそう言って両手を頭の後ろに持ってきて空を見る。



 天気は上々。

 秋に入り始めたこの頃は天も高くなってきている。




 私は文化祭の最後にあるキャンプファイアーに期待をしている。



 我が校の伝説ではそのキャンプファイアーで最後に一緒にオクラホマミキサーを踊るとその二人は恋人になれるという言い伝え!


 これはぜひお兄ちゃんと踊らなければならない!!

 そしてそれまでにこいつらを引き離さなければならない!!


 私は静かにその決意をもう一度固めるのだった。



 * * * * * 



 「んで、長澤ぁ、貴様生徒会としての見回りはどうした!?」


 「ああ、来賓が有るので私はそちらに。昨日は私がしっかり見回りしていましたから今日は親族の人たちの案内です。先生方には既に了解取ってありますから」


 取りあえずお兄ちゃんたちを私たちのクラスの研究発表に連れてきていたらちょうど生徒会の見回りで会長と出会ってしまった。


 「ふん、それなら仕方ない。天川行くぞ」


 新田会長はそう言って向こうへ行こうとすると‥‥‥


 「あれ? 由紀恵の知り合い?」


 お兄ちゃんがちょうどこちらに来た。


 「ああ、お兄ちゃん。こちらはうちの生徒会の新田生徒会長です」


 「これはこれは、長澤さんのお兄さんですか? 初めまして新田泉一郎と申します。長澤さんにはいつも生徒会を手伝っていただいて大変助かっておりますよ!」



 ‥‥‥おいっ、誰だお前!?


 何このものすごく低姿勢!?

 しかも当たり障りのない社交的トーク!?



 「ああ、何時も妹がお世話になっています」


 お兄ちゃんも一応年下相手にちゃんと挨拶している。

 すると会長は「それではまだ見回りが有りますので、失礼します」と会釈して去っていった。



 「しっかりしている生徒会長さんだな?」


 「‥‥‥うん、まあねぇ」


 ジト目で見送るあたしは生返事しか出来なかった。



 * * *



 「友ちゃん、かき氷だって!」


 「長澤君、あれ面白そうよ! 恋愛占いだって!!」


 「先輩、ダーツやってますよ! あ、景品のぬいぐるみ可愛い!」


 「コスプレ記念撮影‥‥‥ 長澤君と‥‥‥」


 既にお兄ちゃんを誘惑するあれやこれやを言い始めるみんな。

 しかしここまでは予想通り! 



 「ねぇねぇ、それより演劇部の一般向け公演がもうじき始まるわよ? 先にそれ見に行かない? 良いよね、お兄ちゃん?」


 「ああ、そうだな。由紀恵がそう言うなら」



 ふっふっふっ、お兄ちゃんは約束通り私の意見を最優先してくれる。

 だって今日は一日私の言う事聞いてくれるのだから!


 とりあえず飲み物だけ購入して一同体育館へ。

 並べられたパイプ椅子に座ってもうじき公演が始まる演劇部お芝居が始まるのを待つ。


 しかしここで私は通路の端にお兄ちゃんを座らせその横に私が陣取る。



 「あれ? 由紀恵ちゃんもっと真ん中の席空いてるよ~?」


 紫乃が余計な事を言う。

 しかしそこは計算済み。


 「うん、始まっておトイレ行きたくなっちゃったら動きづらいからね。これって四十五分くらいあるもんね」


 ちゃんと言い訳も考えてある。

 そしてうちの演劇部!


 実はうちの演劇部はかなり成績が良くて全国のコンクールにまで出場するレベル! 


 今回のお題は恋愛をモチーフにした「ロミオとジュリエット」という金字塔!

 噂ではコンクールに入選した作品らしいのでここで高橋静恵や矢島紗江、泉かなめを引き離すチャーンス!


 私はひそかに演劇が盛り上がる頃にお兄ちゃんとお手洗いに行くことにして抜け出す計画。


 ふっふっふっ、さあ、見ていなさいよ!!



 * * *



 「ううっ! なんでそこで自分で短剣刺しちゃうのよ! ああっ! 毒飲んで後追っちゃうなんてぇっ!!」


 「はい、由紀恵」


 「あ゛り゛か゛と゛う゛、お゛兄゛ち゛ゃ゛ぁ゛ん゛っ!!」



 私は目から流れる汗で前が見えなくなっていた。

 そんな私にお兄ちゃんはそっとハンカチを差し出してくれる。



 「ちーんっ!」


 「なんか由紀恵ちゃんってこういう話弱いよねぇ~」



 紫乃にそう言われるけど、分かるのよ、引き離される二人の愛が!!



 ‥‥‥ん?

 あ゛っ―!!



 しまった、あまりにも演劇部の公演が素晴らしくて最後まで見ちゃった!!



 「うん、中学生の演劇にしては良かったね、思わずほろりと来ちゃった」


 「大丈夫か高橋? お前がこう言うの弱いの意外だったな? ほれ」


 そう言ってお兄ちゃんはポケットティッシュを渡す。


 「もう、長澤君のバカぁ、でもありがと‥‥‥/////」



 えっ?

 何それ?

 高橋静恵のお兄ちゃんに対する好感度が上昇している!?


 私には見える!

 頭上のステータス好感度バーが一気に増えたのが!!



 「それより次何処行きます? 先輩」


 むう、脳筋の矢島紗江にはぴんと来なかったか?

 いつも通りにしていて校門の所でもらったパンフレットを見ている。



 おのれ! 

 しかし私の計画はこれだけじゃない!



 「ねぇ、お兄ちゃん。気分転換でここ行こうよ!」


 私は矢島紗江が眺めているパンフレットの一点を指さす。


 「室内迷宮? へぇ、時間内にクリアー出来たら粗品プレゼントだって。面白そうですね先輩!」


 体を動かす事が好きな矢島紗江の事だ、きっと乗って来るとは思っていた。

 今度こそここでこいつらを巻いて‥‥‥



 * * *



 「ふえぇーんっ! お兄ちゃん何処ぉっ!!!?」


 私は何故かお兄ちゃんとはぐれて頼りない紫乃と一緒になってしまった。


 「由紀恵ちゃん、任せて! 迷宮はねこうして片手を壁に付けてそれに沿って行けばいずれ出られるんだよ!!」


 鼻息荒く紫乃はそう言うけど、ここの壁ってカーテンじゃない!!   

 既に何度か紫乃はカーテンによる壁間違いをしている。


 「あれ? また戻って来ちゃったね? 携帯のゲームだったらもう抜けられるのに?」

 

 「もう嫌ぁ――っ!!」


 数分後スタッフにギブアップして助け出された。



 * * *


 

 「ぜえぜぇ、お、お兄ちゃんは何処!?」


 あたしは慌ててきょろきょろと周りを見渡す。

 すると丁度迷宮の出口でお兄ちゃんが出てきたところだった。


 「お兄ちゃん!」


 「おお、ここにいたのか由紀恵。いつの間にかはぐれちゃうんだもん、驚いたよ」



 そう言うお兄ちゃんの腕には泉かなめが!?



 「ななななな、なんで泉さんがお兄ちゃんと一緒に!?」


 「‥‥‥助けてもらった。 長澤君、あ、ありがとう‥‥‥」


 「いいって、泉はこう言うの苦手だったんだな。大丈夫だったか?」


 お兄ちゃんにそう言われた泉かなめは「ぽっ」と顔を赤く染め下を向く。

 それはスマホアプリのモンスターにボールをぶつけてゲットするゲームで果物あげた時のように周りにハートをまき散らして!!


 「‥‥‥うん、でも長澤君がいれば大丈夫/////」



 なっ!

 ダメぇっ!

 お兄ちゃんは私のなんだからね!!



 私は思わずお兄ちゃんの腕にしがみつく。


 「ああ、いたいた。いやぁ、意外と難しいねこれって?」


 「あー、先輩も何処か行っちゃうし!」


 「大丈夫だよ君たちには僕がついているから‥‥‥ ぐはっ!」


 残りの三人も出て来たみたいだけど親友その一は高橋静恵と矢島紗江に殴られている。



 くぅううぅっ、ここまでまだ誰も脱落者がいない!?

 このままでは私の計画が!!




 私は次なる催し物へをこいつらを誘うのだった。

   

  

   

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