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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第四章文化祭でもお兄ちゃんは勝手にしちゃいけないよ!!
22/75

4-2学園祭開始で!?

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


ええっ!? 

吉野君が!?(由紀恵談)


 『それではこれより学園祭を開始します。学園祭実行委員会委員長、南野義友君』


 『はい、それではこれより本年度学園祭を開始します! 皆さん健全的かつ文化的学園祭を盛り上げて行きましょう!』



  

 体育館の全校集会で学園祭、うちでは「澄流際」と呼ばれる学園祭が開催宣言がされた。

 この後みんな自分の教室に戻って各々のクラスの出し物を始める訳だけど‥‥‥



 

 「つっかれたぁ~っ!!」



 「由紀恵ちゃん、学園祭始まったばかりだよ?」


 教室に戻りながら私は思わず悪態をつく。


 だって、予想通り学園祭実行委員会って右往左往するばかりでなかなか物事を決めてくれない。

 結局サポートの生徒会が手取り足取り。

 そして文化部を中心に部活での出し物まで提案してくれるからその仕事量の増える事!


 毎日遅くまで私たち生徒会は駆り出されその都度各現場でのトラブル解決をしてきた。



 「由紀恵ちゃん、この後どうするの?」


 「うちのクラスは郷土歴史の研究発表だけだから受付係の順番が来るで私は休むわよ!」


 思わず用意していたリポビ〇ンDをキュシュっとひねり一気に飲む。

 そして生徒会室で机にうつぶせになって休もうと考えていた。


 「え~、せっかくの学園祭なのに~」


 「午後になったら付き合うから、今は休ませて!!」


 紫乃にそう言って私はふらふらと生徒会室に行くのだった。



 * * *



 「あれ? 長澤先輩じゃないですか? どうしたんです?」


 「ああ、吉野君。いや、疲れたんでここで少し休もうと思ってね」

 

 生徒会室には吉野君が一人で書類整理をしていた。

 ほんと、吉野君も疲れているはずなのに頑張るわね。


 「連日の激務ですもんね。あ、じゃあ僕邪魔しないように出て行きましょうか?」


 「ううん、大丈夫よ。ちょっと机にうつぶせになって休めば」


 気を使ってくれる吉野君。

 うーん、こんな好い弟なら欲しいかもね?


 私はそう言ってから椅子に座り机にうつぶせになってから目を閉じる。

 そして目を閉じたら疲れからか眠ってしまったようだった。



 * * *



 「先輩、先輩。そろそろ起きた方が良いですよ? お昼ですよ?」


 「ん? あれ? 私寝ちゃった?」


 まだ眠い目をこする私は起き上がる。

 吉野君は笑いながらウェットティッシュを差し出してくれる。


 「はい先輩。‥‥‥く、口元拭いた方が良いですよ////」


 なんか赤くなりながら私を見る吉野君。

 

 私はまだ寝ぼけていたけどそれを受け取り初めて気づく。


 「うぴゃっ! わ、私よだれ垂らしていたぁ!!!? よ、吉野君、み、見たの!?」


 「あー、その、ごめんなさい」


 思いっきり真っ赤になる私。

 ま、まさか年下とは言え男の子にそんな恥ずかしいところ見られちゃうなんて!!


 私は慌てて口元拭いたり乱れた髪を手ぐしで直したりする。


 「あの、その、長澤先輩。僕誰にも言いませんから‥‥‥」


 ちょっと恥ずかしそうにしている吉野君。



 何で吉野君が恥ずかしそうなのよ!?

 恥ずかしいのは私だっての!!



 「ほ、本当に内緒だからね!! 誰にも言っちゃ嫌だからね!!」


 「い、言いませんよ! 好きな人の寝顔姿の事なんて!!」


 焦る私に焦りながら吉野君も答えるけど、「好きな人」って?



 「へっ?」


 「あっ‥‥‥」



 あたしの間の抜けた驚きに吉野君は思わず固まりその場で真っ赤になる。

 そして私をちらちら見ながらもじもじと話し始める。



 「く、口が滑りました。 でも長澤先輩、僕、先輩のこと好きなんです!」


 「え、ええとぉ‥‥‥」



 突然の吉野君のその言葉に私は理解がついて行けず固まってしまう。



 好き?

 誰が誰を?

 


  

 ガラっ!!



 「ん? なんだ、長澤に吉野か? お前たち生徒会室で遊んでいる暇があるなら見回りに行ってこい。僕ら生徒会も文化祭の安全管理を任されているのだからな」


 いきなり入って来た新田会長がそう言うと吉野君は慌てて逃げるかのよう生徒会室を出て行く。


 「あ、ちょっと、吉野君!」


 「なんだ? あいつ」




 飛び出した吉野君を追って私も生徒会室を出るのだった。   

 


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