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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!
17/75

3-10田舎

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


なんでみんなおっきのよ!!(由紀恵談)


 『そう言う訳で三日ほどいなくなるね』


 『うん、うちもお爺ちゃんの所に行くって言ってたからね~。じゃ、またね~由紀恵ちゃん』


 『うん、じゃまた』


 ピッ。


 私はそう言いながら電話を切る。

 明日から二泊三日でお父さんの実家に行かなければならない。

 お盆でお墓参りもあるからこの時期の恒例の行事なんだけどね。


 でも私はウキウキしていられる。

 なんたってその間お兄ちゃんを独り占めできるからだ!

  

 私はおじいちゃんの家に行くために準備をしている。

 着替えや勉強道具、スマホの充電器など身の回りの必要なものをバッグに入れていく。



 さて、後は下着とかだけど‥‥‥



 下着入れのタンスでいくつか引っ張り出しながらふと手を止める。



 お兄ちゃんを独り占め‥‥‥


 

 こ、ここは新しい下着やお気に入りにした方が良いのかな!?

 お、お兄ちゃんに見られても大丈夫なように好いやつにしないとだめよね!?



 私はお気に入りの青いパンツを引っ張ってみる。


 

 ‥‥‥

 も、もうちょっと大人っぽい方が良いのかな?


 

 ふと高橋静恵を思い出す。

 きっとあの凶器のでかい胸を大人っぽい下着で包んでいるのだろう。

 谷間がブラに押しあげられて‥‥‥


 私は自分のブラを引っ張り出す。

 ブラジャーの恰好をしているけどそのカップは無いに等しい‥‥‥


 私は服を引っ張りながら自分の胸を覗き込む。


 「何時になったら大きくなってくれるのよ。せめて揺れが感じるくらいになってもらわないと」


 そして大きなため息をつくのだった。



 * * * * * 



 「みんな忘れ物は無いか? 母さん、ガスの元栓や戸締りは大丈夫か?」


 お父さんが車に荷物を詰め込んでいいる。


 ここも結構田舎な町だけどおじいちゃんの家はど田舎と言える。

 だって路線バスなんか一日に数本しか無く最近やっと近所に出来たコンビニだって自転車で三十分もかかる。

 お隣さんの家までだってかなり離れていて回覧板を持って行くのだって一苦労なほど。


 そうそう、「有線」ってのがまだ有っておじいちゃんの家に取り付けられたスピーカーから音楽や農協や役場の放送が流れてくる。

 最初はラジオか何か大音量でつけっぱなしなのかと思ったけどどうやらそう言うものが田舎ではまだあるらしい。


 あと去年驚かされたのがスマホの電波が弱いのなんの!


 お父さんが心配だからって去年買ってあげたお年寄り用のスマホでさえ電波はやばい。

 結局電話線を光回線に交換してお父さんがWi-Fi設置してどうにか。


 おかげで私もおじいちゃんの家で私のスマホの通信容量気にしなくていいのは助かるけどね。


 今ではたまにおじいちゃんとテレビ電話出来るほどだし、うちのお母さんよりよっぽどおじいちゃんたちの方がこう言った文明の利器に強くなっているのよね。


 「よし、じゃあ出発するか」


 お父さんが運転席に着くとお兄ちゃんが助手席に乗ろうとする。

 私はすぐにお兄ちゃんの腕を取って後部座席に引っ張る。


 「お兄ちゃんはこっち! 私と一緒だよ!」


 「ええ~? せっかくオーディオいじって好きな曲流そうと思ったのに」


 「音楽より私とお話してよ!」


 そういいながら 無理やりお兄ちゃんを後ろの席に座らせる。


 「相変わらず仲がいいわねぇ。あなた、準備いいわよ?」


 「それじゃ出発するか」


 お母さんが助手席に乗って買い置きのペットボトルをホルダーに置いて私たちにもよこす。


 うん、準備万全。


 私たちはお父さんの運転する車で一路田舎のおじいちゃんの家に向かうのだった。



 * * * * *



 「うーん着いたぁっ!」



 車から降り私は思い切り伸びをする。

 大体一時間ちょっとで着くので休憩もなしでノンストップでおじいちゃんの家に着いた。



 「おお由紀恵、よく来たな」


 「いらしゃい由紀恵ちゃん」


 おじいちゃんとおばあちゃんがちょど庭先から出てきた。

 麦わら帽子をかぶっていたから畑でも行ってたのかな?


 「こんにちわ、おじいちゃん、おばあちゃん。お世話になります」


 「あらまぁ、由紀恵ちゃんはお行儀良いねぇ。それに大きくなってまたきれいになったね?」


 「えへへっ、ありがとうおばあちゃん。ほらお兄ちゃんも!」


 「こんにちわ、おじいちゃん、おばあちゃん」


 「友也、お前、妹の方がしっかりしているじゃないか? お兄ちゃんなんだからもっとしっかりしなきゃいけないぞ?」


 もたもたしているお兄ちゃんに私が催促しておじいちゃんたちに挨拶させるとおじいちゃんからお兄ちゃんはお小言言われる。


 「こいつは俺なんかよりずっと優秀なんでね」


 苦笑いするお兄ちゃんにおじいちゃんは飽きれて言う。


 「全く、友也の様なのには由紀恵の様なしっかりとした嫁さんがつかにゃ心配になるな」



 「おじいちゃん、まかせて! お兄ちゃんの面倒は私が見るから!!」



 私みたいなお嫁さん!!

 いやいっそ私をお兄ちゃんのお嫁さんにしてぇ!!


 思わず赤くなって頬に手をあていやんいやんしてしまう私。



 「あれ? 由紀恵ちゃん? うわぁ、大きくなったね!!」


 ふと声のする方を見るとたわわな胸をぴちぴちのランニングでかろうじて押さえている女性が!?


 「恵、またそんな恰好で。年頃の女の子なんだからもう少し注意しなさい」


 おばあちゃんに怒られているその人物は私たちの従姉、恵姉!?



 「久しぶり恵! 元気だったか?」


 「友ちゃん! うぁ~、二年ぶり? 元気してた!?」


 「あれ、唯と裕一は?」

 

 「あ、さっき畑でおじいちゃんと野菜取って来たからもうじき来るよ」


 指さされた庭の方を見るといとこの唯ちゃんと裕君が籠に野菜をたくさん詰めて持ってきていた。



 「あれ? もしかして友ちゃん由紀恵ちゃん?」


 「友にぃだ! あ、由紀恵姉ちゃんも!」


 私たちに気付いた二人は元気にこちらに駆け寄ってくる。


 が、唯ちゃんもTシャツ越しに歩くたびに胸が揺れている!?



 なっ!?

 二年前は私と同じで限りなく大平原だったのに!?



 私はもう一度恵姉を見る。

 

 たわわ‥‥‥



 「どうなっているのよこの姉妹!?」


 同じ血が流れている従姉妹のはずなのに!?




 私の絶叫が響くのだった。   

  

  



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