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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!
16/75

3-9登校日

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説!


生徒会の仕事めんどくさ~いぃ!(由紀恵談)


 夏期講習も終わり花火大会も終わり、夏休みも残り半分になる頃に登校日が来た。



 「ねえ由紀恵ちゃん、ものすごく噂されているよ?」


 「何がよ?」


 「由紀恵ちゃんがイケメン四天王全部ふったって」



 今朝は登校する通学路から既に女生徒中心にひそひそ話をされている。

 まあ予想はしていたけど、私としてみれば大した問題では無い。

 

 

 「関係ないわよ。私はお兄ちゃんさえいればいいんだから!」


 「由紀恵ちゃん、ほんと友ちゃん好きだよね? 彼氏とか要らないの??」



 お兄ちゃんが彼氏ならすぐに欲しいわよ!



 紫乃に言われ私はお兄ちゃんが彼氏だったらどれだけ良いか妄想をしてしまう。

 ああ、毎日イチャイチャしたい!!

 

 

 そんな事を考えているとチャイムが鳴った。

 

 「ほれみんなホームルーム始めるぞ~。席に着け」


 担任の新島先生が教室に入ってくる。

 とたんにがやがやとした生徒たちは自分の席に着き静かにする。


 お決まりの出席点呼をしてここまでの夏休みの課題回収を始める。


 勿論やっていない子もいて新島先生に怒られ、夏休みにも関わらず数日後に再提出を言い渡される。


 うちのクラスは全員進学希望だから先生もこの夏からが受験対策の最終ボーダーラインなので真剣になって来る。


 「いいかお前ら、中学最後の夏休みだからと言って遊んでばかりいてはダメだぞ? この夏が休みが終わればいよいよ受験の準備も始まる。浮かれてばかりいないで真剣になれよ?」


 お説教を受けながら残りの夏休みの予定確認をしてホームルームも終わり。

 

 私はこの後生徒会の仕事が有るのですぐには帰れない。

 本当は早く帰ってお兄ちゃんの部屋で勉強を見てもらいたいのだけどね。



 「終わったぁ~。ねえ由紀恵ちゃん帰ろう」


 「ごめん紫乃、まだ私は生徒会の仕事が有るのよ、先帰ってて」


 「え~? 今日も由紀恵ちゃん家に行こうと思ったのにぃ~」



 最近は何故か家のお兄ちゃんお部屋がたまり場になりつつある。

 一応勉強会の名目で集まりちゃんと勉強もしているので親たちも文句は言わないけどその後にみんなでワイワイとゲームや何やと遊んでもいる。



 そう、みんなで‥‥‥



 高橋静恵も矢島紗江も泉かなめもしっかりと来ている!!



 危なくて目なんか離せない。

 おかげで私たちもお兄ちゃんのお部屋に集まるのでもう部屋自体もぎゅうぎゅうだ。

 最近は吉野君も遊びに来るし。


 私はため息をついて生徒会室へ行くのだった。


 

 * * *



 「長澤先輩! 聞きましたよイケメン四天王みんなふったんですって!?」


 「よ、陽子ちゃん、いきなりどうしたの?」



 生徒会室に入ったとたんに天川陽子ちゃんが私に迫って来た。



 「ふん、色恋沙汰に忙しいとは長澤貴様も地に落ちたものだな? この分では二学期も勝負にすらならんな?」


 相変わらずの新田生徒会長。

 見たところ全然日焼けしていないので本当に受験勉強だけやっている様だ。



 「でもすごいですね、流石長澤先輩です!」


 「よ、陽子ちゃん近い近い」



 陽子ちゃんもやっぱり女の子なのかな?

 こういう話は大好きのようだ。



 

 「でもよかった、長澤先輩がもしあの人たちの誰かと付き合うようになったら、僕なんて‥‥‥」



 「ん? 吉野君何か言った?」


 「いえ、なんでもありません! それより会長、今日は何です?」


 陽子ちゃんが近すぎて吉野君が何か言っていたようだけど聞こえなかった。

 吉野君は何か慌てて会長に今日集まった理由を聞いているみたいだけど。



 「うむ、二学期始まってそうそう学園祭が有るのでな。学園祭実行委員会の設立と各学年各クラスの出し物の申請書の作成だな。それと我が生徒会もそろそろ吉野、それと天川以外の人員募集を始めなければならない。二学期始まってすぐに生徒会役員選考も有るのでな。やることは色々あるぞ」



 私たち三年生は二学期以降は徐々に生徒会としての活動を後輩たちに移管しながら最後の大仕事学園祭の実行委員会立ち上げやその関連書類作成等をしなければならない。


 まだ夏休みの最中とは言え休み明けに始めたのでは忙しくなってしまう。

 なので新田会長としては今から準備を始めて二学期からの負担を軽くしたい腹積もりだ。


 

 「二学期からは模擬試験も始まる。僕は忙しくなるからな、こう言った事は準備を早めにしておきたい。学校側へは既に話を通している、ここ一、二日で資料と書類をまとめるからな」


 そう言って先ずは学園祭実行委員会の設立案内を作成し始める。


 各学年各クラス二名選考してもらい視聴覚室で委員会を立ち上げる。

 一応生徒会も補助としてはいるけど委員長や副委員長なども決めて行かなければならない。

 そして各学年各クラスの出し物の申請書とガイドラインの作成。



 これってやっぱり今日中には終わりそうもない。

 私はため息をつきながらパソコンに文章を打ち込んで行く。



 でも学園祭かぁ。

 最終日の土曜日は一般参加もあるからお兄ちゃんにも来てもらおう。



 私は忙しい中にもちょっと楽しみも出来てニコニコしながら資料作成をするのであった。

   


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