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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!
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3-5夏期講習

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説! 


またなのっ!?(由紀恵談)


 「由紀恵ちゃぁ~ん、あっついよぉ~」


 紫乃が暑さにダレている。


 確かに梅雨明けしてからこっち連日猛暑日が続いている。

 気温も軒並み三十度を超え今日あたりから三十五度にまで達するだろうと朝のテレビは言っていた。


 「紫乃頑張りなさい。もう少しで教室よ。あそこに行けば冷房あるから」


 私も確かに暑い。

 でも学校の無料夏期講習は是非でも受けておきたい。

 なんたって例年の各高校の入学試験問題の開示があるからだ。


 私自身は問題無いと思うけど紫乃はまだまだ安心できないし、一応桜川東高校の過去問題やっておいて損はない。


 ハンカチで汗をぬぐいながらやっと教室につく。

 

 既に何人か来ていて部屋の中は快適な温度にまで冷やされていた。



 「ふぅぃ~ぃいいぃ、生き返るぅ~」


 暑さにダレていた紫乃は部屋に入って人心地。

 私も涼しさにほっとする。


 そしてしばらくすると先生が入って来た。


 「おう、暑い中お疲れさん。さてそれでは始めるとするか」


 そう言って夏期講習が始まったのだった。



 * * * * *



 「う~ん、まあこんなものか」


 「由紀恵ちゃんは問題無いみたいだけど私は厳しいなぁ~。苦手な所が多いいよぉ」


 夏期講習三日目で既に紫乃は音を上げていた。


 講習は過去十年間の問題をひとつづつやって答え合わせとその回答方法、説明を受けてから分からない所を聞くというスタイル。


 過去問題から出題傾向の予測を最後の数日でやるので意外とためになる。


 「でもちゃんと受けておけば紫乃でも可能性はずっと上がるわよ? ここ数年似たような問題が出ている傾向らしいしね」


 「でも数学苦手! あんなの何かの魔法か呪文だよ! 全然分からないよぉ!!」


 魔法か呪文って。

 数学はそのやり方のルールさえきちんと覚えれば解けるのに。


 「仕方ないわね、じゃあ私の家で勉強会でもしますか?」


 「やった! 由紀恵ちゃんが教えてくれるの? 助かるぅ~」


 「だからと言ってうち来て遊んでちゃだめよ?」


 「分かってるよぉ~。あ、でも息抜きも必要だよね? 私秘蔵のアニメのDVDも持って行くねぇ~」


 既に遊ぶ方だけはやる気満々な紫乃。

 私はため息をつきながらいったん分かれて後で私の家で集合と言う事とした。



 * * * * *



 「なななななっ!?」


 私は家に戻り玄関に並べられた女性ものの靴を見て震える。

 慌てて二階に駆け上りお兄ちゃんの部屋をノックするのだった。

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