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私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!
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3-3由紀恵東奔西走

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説! 


か、可愛らしいだって!

うふふふふっ(由紀恵談)


 「なぜこうなった‥‥‥」



 私はたちは吉野君と一緒に市民プールに遊びに来ていた。


 荷物をベンチの近くに置いているお兄ちゃんの周りには高橋静恵や矢島紗江がいる。

 一体どう言った経由で私たちが市民プールに遊びに来る情報を入手したのだろう?



 「なんだ、高橋や矢島も来ていたんだ。奇遇だな」 



 特に驚く訳で無くお兄ちゃんは挨拶している。



 「ねね、そんな事より長澤君、どうこの水着、似合ってるかな?」


 早速とばかりに高橋静恵が上着のパーカーを脱ぎ凶悪なモノを強調するあのビキニ姿になる。


 「先輩! 私の水着も見てくださいよ!!」


 矢島紗江もそう言って上着を脱ぎ競泳用のような水着姿になる。

 胸はそれほどではないけどその分体のラインがはっきりと出て見事な切れ込みの入ったおみ足が印象的な水着だ。



 「え、ええと、似合ってるんじゃないかな、二人とも‥‥‥」


 ちょっと顔を赤らませて視線を他へ外すお兄ちゃん。

 その前にわざと立とうとする高橋静恵とそれを阻止しようとする矢島紗江。



 「お、お兄ちゃん! 私の水着も見てよ!!」


 更衣室から出て来たばかりの私も慌ててお兄ちゃんの腕を取りこちらに引っ張って上着を脱ぐ。

 オレンジ色をベースにした白のワンポイントが入った胸元にフリルの有る水着。

 

 先日紫乃とショッピングモールであれやこれと試着してこれが一番胸のボリュームを多く見せる水着だった。


 

 「ど、どうかな?」


 「うん、似合ってるよ。可愛らしくていいんじゃないか? 由紀恵らしくて」



 「本当っ!?」



 頑張って選んだ甲斐があったわ!!

 似合ってるだって!

 可愛いだって!!

 私らしいって!!!!


 もうその言葉だけで今日の目的の半分は達成したようなものよ!


 私が嬉しさに有頂天になっていると紫乃が来た。



 「友ちゃん~、私も新しい水着だよ~」


 「紫乃ちゃん、久ぶぅっ!?」


 お兄ちゃんは噴出した。

 それもそのはず紫乃がこちらに歩いて来るたびに紫乃の胸がたわわに揺れている。



 どう言う事よ紫乃!?



 「なんか水着が変だなぁ~」


 「し、紫乃! あんたまさかパッド入れ忘れてんじゃ!?」


 「あれ? そう言えば付属のあの三角って何なんだろうね? 分からないからつけて来てないや」


 私は慌てて紫乃を連れて更衣室へ戻る。

 よくよく見れば突起だって見えちゃうじゃない!!



 「なるほど、これ着ければ胸押さえてくれるんだ。良かったぁ、実は揺れててちょっと痛かったんだぁ」


 「当てつけ? ねえ、私に対する当てつけなのっ!?」


 思わず紫乃の首を絞めてしまう私。

 この天然娘はぁっ!


 どうにか準備を済ませて戻ってくる。

 



 「あ、あの先輩。先輩の水着ステキですね‥‥‥」


 そう言えば吉野君もいたんだっけ。

 いきなりの事ですっかり忘れてた。


 「うん、ありがと。さあ、紫乃の準備も出来たから遊ぼっ!」


 あたしはそう言ってお兄ちゃんを見ると高橋静恵が日焼け止めを持ってお兄ちゃんに迫っているぅ!?



 「ねね、長澤君が日焼け止め塗ってよ。背中届かないんだもん」


 「なっ! せ、先輩、私にも塗ってください!!」


 矢島紗江まで!?

 日焼け止めを持ち出しお兄ちゃんに迫る。



 「ちょ、ちょっと待ってくれ高橋。流石にお前にこれ塗るのは。矢島も落ち着けよ」



 「塗ってくれたらお礼に前も塗っていいんだよ~? どうする長澤君?」


 「だ、駄目ですよ! 先輩!!」



 「だぁあああああぁぁぁぁっ! お兄ちゃん何やってるのよ!! 私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!!」



 私は慌ててお兄ちゃんと高橋静恵、矢島紗江の間に割り込む。

 

 「あら、由紀恵ちゃん。もう戻って来たの?」


 「由紀恵ちゃん、せ、先輩がぁっ!」


 「高橋さんも矢島さんもとにかくお兄ちゃんから半径二メートル離れてください! お、お兄ちゃんが困ってます!!」



 がるるるるるるぅ~



 私は噛みつかんばかりにこの二人を牽制する。

 そして紫乃を呼んでおっぱい女の日焼け止めを奪い取り紫乃に濡らせる。

 私も矢島紗江の日焼け止めを奪い取り塗り始める。


 「お、乙女の柔肌をむやみに男性に触れさせてはいけません! 私たちが塗りますからじっとしていてください!!」


 「ええ? 由紀恵ちゃん堅いなぁ~」


 「あ、あの、由紀恵ちゃん?」


 そして塗り終わってから改めて紫乃や吉野君を紹介する。


 「お、お兄ちゃんは一応保護者ですからむやみに持って行かないでください! それでこっちは幼馴染の綾瀬紫乃あやせしの、こっちは私の後輩の吉野晴幸よしのはるゆき君です」


 「あら、初めまして。高橋静恵です。由紀恵ちゃんのお兄さんのとても仲の良いクラスメイトよ」


 そう言ってあの凶器を両腕で挟む。



 おいこら何をアピールしてるのよ!!



 「こんにちわぁ~、綾瀬紫乃です~」


 「こ、こんにちわ、吉野晴幸です」


 吉野君は真っ赤になっている。

 おのれおっぱい女、吉野君まで毒牙にかけるか!?



 「こんにちわ、先輩の後輩の矢島紗江です。よろしくね」


 「あ、よろしくです~。綾瀬紫乃です~」


 「ど、どうも、吉野晴幸です」


 一応社交場例の挨拶を済ます。



 「ところで由紀恵ちゃん、あそこの柱からこっちずっと見てる人って、この間の人だよね?」


 「へ? ま、まさか!?」


 慌てて紫乃が言う方を見ると柱の物陰からあの美女がセクシーな黒い水着姿でこちらの様子をうかがっている!?



 「あれ? もしかして泉?? 奇遇だね、一年の時は一緒のクラスだったんだよな。元気してたか?」


 「あ、あの、長澤君、お久しぶり‥‥‥ う、うん、元気だったよ私‥‥‥」


 お兄ちゃんも気付いてそちらを見る。

 どうやら知っている顔のようだ。

 もじもじしながら泉かなめは柱の影から出てくる。


 そして高橋静恵も矢島紗江も緊張が走る。


 女性としての完璧なスタイル。

 胸だけの高橋静恵とは違い胸はそこまで大きくないものの油断出来ない大きさ。

 そして全体のバランスは運動をやっていそうなスレンダー気味の矢島紗江の若干筋肉質の体に比べやわらかさを醸し出すライン。


 そして大人の雰囲気ふんだんにばらまく黒いハイレグワンピース!!


 布面積が少なければ好いという物では無いのを夢見る男子に知らしめる水着!


 私は恐る恐るお兄ちゃんを見る。

 お兄ちゃんは少し赤い顔をして泉かなめを見ている!?

 高橋静恵の時のように視線を外す事無く、そして矢島紗江の時のようにチラ見で終わる事無く、更に私に向けた優しい視線でも無い!?



 ―― 魅惑 ――



 そう、魅惑されたかのように泉かなめを見ている!?



 「な、長澤君、この人は?」


 「せ、先輩!?」


 そんなお兄ちゃんに高橋静恵も矢島紗江も震える声で聞く。

 

 「ああ、こいつは泉かなめ(いずみかなめ)。一年の時一緒のクラスだったんだ」


 「あ、あの、こんにちわ‥‥‥」


 泉かなめはみんなに小声で挨拶をするが珍しくうれしそうな表情だ。



 ぴきっ!



 途端に背景が真っ黒に変わり高橋静恵の後ろに白虎が浮かび上がり矢島紗江の後ろに朱雀が、そして泉かなめも何故か背景に青龍が浮かび上がる!?



 「なっ!?」



 驚く私。

 そして私の後ろにも玄武が浮かび上がり背景の神獣たちが目線の火花を散らし始めた!!



 「なによ、これぇっ!?」




 私の意思は関係なく平和な市民プールに女たちの熱い戦いが始まるのであった!!  

 

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