表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?  作者: さいとう みさき
プロローグ
1/75

想い出

長澤由紀恵15歳(中学三年生)。

根っからのお兄ちゃん大好きっ子。

そんなお兄ちゃん大好きっ子が学校見学で兄の高校に行くと‥‥‥


「私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」


ここから始まるラブコメディー。

さいとう みさき が送る初のラブコメ小説! 


 「はぁはぁ、由紀恵しっかりしろ! もう少しで父さんたちが来る!!」


 「お兄ちゃん、もう手の力が‥‥‥」


 「だめだっ! 絶対離さない! 頑張れ由紀恵ぇっ!!」


 足はさっきくじいちゃったし体中痛い。

 雨上がりの山なんて来るんじゃなかった。

 せっかくのハイキングなのにいきなり道が崩れてお兄ちゃんと一緒に崖に落ちるなんて‥‥‥


 見ればお兄ちゃんも頭から血が出てる。

 片手を岩に残った腕であたしの手をつかんでいる。


 足元を見るとぞっとする。


 下を流れている沢までどう考えても十メートル以上ありそうだ。

 こんな所に落ちたら助からない。


 でもあたしのお兄ちゃんをつかむ手の力は無くなってきてズリズリと滑り始める。


 「お兄ちゃん怖いよぉ、助けてよぉ」


 「由紀恵しっかりしろぉ! 頑張れ手を離すんじゃないっ!!」


 お兄ちゃんはそう言うけどもうどうしようもない。

 あたしはどう頑張ってももう駄目だ‥‥‥


 「由紀恵ぇっ!」


 「あっ!?」


 最後に見たのは絶望に叫ぶお兄ちゃんの姿だった‥‥‥



 ―― はっ!? ――


 目が覚めた。

 またあの夢だ。


 私は目覚まし時計のスイッチを切る。

 そしてむくりと自分のベッドから起き上がる。


 私は長澤由紀恵、十五歳。

 今年中学三年生。

 来年は高校受験が待っている。


 私はタンスの上を見る。

 そこには私とお兄ちゃんが仲良く二人で写っている写真が立てかけてある。


 思わず口元が笑ってしまう。

 そう、来年の春には私はお兄ちゃんと‥‥‥




 私は起き上がり着替えてお兄ちゃんを起こしに行くのだった。


  


評価、ブックマーク、ご意見、ご感想いただけますと励みになります。

誤字、脱字ありましたらご指摘いただけますようお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ