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ついに彩華さんの別荘に着いた。
「ここが私達の別荘です」
「ここですか」
思っていたより、別荘は見た目はおとなしめで、普通の一軒家ていう感じだ。さて、中はどうなっているのだろうか?
俺は彩華さんの後をついていく。玄関に入り、廊下を歩くが、思っていた以上に普通な別荘だ。しいて、違いがあるとしたら、床がタイルになっていることくらいだろう。なんか、俺が想像していた、もっとド派手で広々とした空間ではなく、居心地がいい。そして、リビングあたりに来ると、外から綺麗な海が見える。
「今日はここで、皆さんと課題に取り組みます」
「みなさん?」
「な、何でもないです!それよりも早く課題に取り組みましょう!」
なんか怪しいがまさか、あの人達がきているわけ……ないよな……そう思った俺は、彩華さんの言葉を信じ、課題に取り組むことにした。窓を開けたところから入ってくる、涼しい風と、心地よいさざ波が聞こえる空間。今は、夏だと言うのに暑さを感じさせないくらい涼しい。
「彩華さんは、夏休みの間は良くここに来るんですか?」
「まぁ、どうしても課題がはかどらなかったり、気分転換したいた時は来ますね」
いいなー羨ましすぎる!俺も彩華さんの家みたいに別荘が欲しい!そうすれば、課題も茶々と終わらせられるのに!とか思いながら、勉強に取り組み、知らないうちに2時間くらいが過ぎってしまった。
「折角だし、一休みして、お昼ご飯でも食べましょう」
「はい!」
と言う事で、一旦お昼休み。あぁー海がきれいで、涼しいーおまけにタイルの床が気持ちよくて、横になりたいー
「おまたせしました。お素麺です。やっぱり、夏はこれに限ります!」
机にたくさんのお素麺が置かれた。夏の宿敵お素麺。夏になると、毎回のように出てくる食材。俺もここ最近は毎日お素麺が出てくるが、まさか、こんなところでも食べることになるとは……俺は、そうめんを何も薬味を入れてない汁にひたし食べる。
その瞬間、電気みたいなようなものが、身体中に走った。
「う、上手い」
いつも食べる素麺とは格段に違う。な、なんなんだこののど越しの良さとこのカツオの出汁がきっちり出ているだし汁は!俺は、食べるのに夢中で知らぬ間にたくさんあった素麺を食べきってしまった。これが本当に美味しいと言うものだろか……
「良かったら、まだ、ありますけど食べます?」
「えっ!いいんですか!」
「勿論!まだ素麺は大量にありますので、是非食べてください!」
お言葉に甘えて俺は、素麺をいただいた。
「まさか、和真殿がこんなにもお素麺好きだとは、思ってませんでした。良かったら?持って帰ります?私の家は、まだまだありますから」
「えっ?いいですか?」
「どうぞ!持って帰ってください!」
彩華さんは、段ボールにぎっしり入った素麺をおいた。
「いやー毎年、沢山送られてきてほんと、困っていたところだったんですよ!あっ、よかったらまだ、持って行きます?」
「もう、大丈夫ですよ!」
一体、どのくらいの素麺が残っているのだろうか?まだ沢山残っているとしたら、彩華さんは、毎日のように、素麺を食べているんだろうな……
こうして、昼休みは終わり、また課題に取り組む。
いつもとは違う環境中のとても新鮮で、おまけに快適で、分からないところは、彩華さんに聞けばいいしで、いつも以上に課題が進む。おかげさまで、半分以上の課題を終えることが出来た。今年の夏は、ギリギリまで貯めずに、有意義な夏休みを送れるかれる。これで、駒形さんにもガミガミとお説教をさせずに済みそうだ。
「もう、太陽が沈みそうなので、今日はこの辺で終わりにしましょう」
「だけど、まだ課題は残っています……」
「和真殿、時には休憩も必要ですよ、それに」
「課題頑張っている?」
「少しは終わったでしょうね!」
木嶋さん、駒形さん!
なぜこの二人がいるのだ!もしかして!
「騙して、ごめんなさい。実は、この二人には事前にきて貰いまして、別荘を楽しんで貰いました」
「どーせ、あんたは海水浴には来ないだろうと思って、事前に計画を立てていたのよ」
「ごめんね和真君」
今年も、まんまとこの3人にやられたのか……
て言うことは、今年も海でワイワイと騒ぐのか
「彩華さん、ちょっと、お風呂貸してくれるかな?砂で、よごれちゃって……」
「私も、借りたいんだけど……」
「いいですよー」
「じぁ、今日も、露天風呂に入ろう!」
「ちょ!ちょっと背中押さないでよ!」
二人は仲良く、露天風呂に向かう。て言うか、露天風呂が、あるのかよ……
「か、和真殿、私達も後で露天風呂を楽しみましょうよ!」
「はい?」
この人は一体何を言っているのだ……自分が、言っていることの意味を理解しているのだろうか?
いや、彩華さんの姿を見る限りきっと意味は理解しているだろう。荒い息にどこか、興奮している姿。
間違えない。自分が羞恥になる姿を想像して、興奮している。
「彩華さん。早く勉強しましょう」
「ううん。そうですね」
気持ちを切り替え、勉強に集中する彩華さん。彩華さんは勉強に集中している。ついさっきまでのお姿はどこはやら……俺もしっかり勉強をしよう。集中し始めて、数分後、やばい、お腹の調子が悪くなった……雲行きが怪しくなってきて、このままお尻の力を抜いたら、やばいかも……
「あの、彩華さん。お手洗い行きたいんですけど……」
「それなら、左行って、ちょっと進んだところを右ですね。間違えてても、左には行かないでくださいね……」
「わかりました!……」
俺は、急いでトイレに向かう。なぜだろうか?普通、トイレに行きたくなるには、何回かの波が現れて、最終的に行くのが普通と思っていたが、まさかいきなり、漏れそうなんて言うところまでくるだろうか?
「えっと……左だな」
とりあえず、左に向かうのは、覚えているが、その次が、左だっけ?それとも右?確か、右だ!
俺は、右の扉を選んだ。すると、もわっと暑い煙とシャンプーのいい匂いがする。そして、驚いた木嶋さんと駒形さんがいる。それより、これはどういった絵図らなのだろうか?全裸で駒形さんが木嶋さんの胸を揉んでいるだけど……




