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セミの鳴き声がうるさい。

そして、今日も暑い。窓を開けても生ぬるい風しか入ってこない。外も地獄のように暑いと思いが、室内も中々の暑さだ。

 俺は、窓を閉め、クーラーをつけることにした。

午前中くらいは、我慢して午後からクーラーからクーラーをつけた方が、体的に良いと思ったが、このまま我慢してもかえって体に悪そうだ。


それに今から課題に取り組まないといかない!

このまま、放置していたら、絶対、駒形さんあたりにどやされるのが目に見える。


「ちょっと和真!課題はもっと、計画的に……ガミガミガミガミガミガミ」


みたいなお説教が、一時間以上は続くだろう。正座をして、駒形さんのお説教を聞くなんて、暑さを耐えるよりもきついだろう。なので、課題に取り組む。涼しい部屋で黙々と課題と睨めっこ。夏休みが始まり、中旬、自堕落な生活をしていたため、ほとんど、手に付けてない。


すると、木嶋さんの〇インから通知がきた。


「和真君ー、今度の休み。皆で海行こうよー」


 なんか、似たような事が去年にもあったような気がするが、まぁいいや。今年は断ろう。

あんな、人だらけの所へ行ったところで、何が面白いんだ。それにこのままだと、課題が終わらない!


すると、駒形さんの◯インの通知がきた。

まるで、打ち合わせでもしたのかぐらい早いペースだ。


「今年も行くわよ」

「嫌です」

「もしかして、また、課題終わってないの?」

「いいえ、そんな事はありません。あと少しだけです」

「なら、今年も強制参加ね」


 去年みたいに、家に来られて強制参加みたいなことに、ならないようにしなければ

今年は図書館に避難して、課題に取り組もう。

 こうして、俺は毎日、午前中から図書館に向かう。

正直、炎天下の中、図書館に向かうのは地獄だが、図書館につけばまさに天国。

クーラーは効いているし、中は静かで、勉強するならうってつけの場所だ。

 俺は、静かに勉強に取り組んだ。そして、気づいた時には、本を読んでいて、課題には一切取り組んでいなかった。


まぁ、明日頑張ろう!


 俺は家に帰った。

そして、夕飯を食べ、お風呂に入り、布団でゴロゴロ。俺は、こんなような生活をほぼ毎日行った。

そんな日が続いたある日のこと彩華さんから〇インが来た。


「和真殿。今年は海行きますか?」


「いや、行かない」


「やっぱりそうですよね。私も今年は行かないつもりなんです。実は、まだあまり課題に取り組めていなくて……そこで提案なんですが、今年は私と別荘へ行きませんか?勿論、遊びとかではなく、勉強をしに」


 彩華さんの別荘。きっと、俺達がびっくりするほどの別荘を所有しているんだろうな。イメージ的には、海を一望できるバルコニーや、天然温泉を楽しめたり、よく別荘にありそうな、暖炉みたいのもあったりして……想像するだけで、行きたくなる。それに彩華さんが居れば、自然に勉強もはかどるだろう。


「是非とも行かせてください!」


「なら、今度の休みに行きましょう!」


休みの日


家の外で待てと言われ、今俺は外で待っている。

すると、前列に黒い車が一台と、その後ろに一台のキャンピングカー、そして、その後ろに黒塗りの車が何台もやってくる。黒塗りの車とキャンピングカーは止まった。


「お待たせいたしました。和真殿。さぁ、乗ってください」


「あっ、うん」


黒塗りの車も、キャンピングカーと同時に止まったと言うことは、彩華さんの家の関係者……まさかと思うが……


「あの、彩華さん、前と、後ろの車は」

「あ、あれは、私を守るspの方々ですよ。本当は要らないんですけど、お父様が危ないからなんて言って付けてきたんですよ……」


 やすがは、世界屈指の大金持ち、西園寺グループのご令嬢。一般庶民の俺達はレベルが違うスケールだ。こんなの、どこかの大統領を護衛するときぐらいしかみないもんだが……俺達、キャンピングカーは高速に乗り、どこかへ向かっている。前方とその後ろに、黒塗りの車がいる。追い越し車線を走る車は何事かと、このキャンピングカーを見ている。



「あぁー和真殿強すぎ!もう一度お願いします!」


 キャンピングカーの中で、彩華さんとトランプをやっている。ババ抜きやスピード、七並べや神経衰弱の順番でやっているが、彩華さんはまだ神経衰弱しか勝っていない。はっきり言って弱すぎる…ババ抜きは顔に出ているし、スピードに関しては遅いし、七並べに関しては、戦略が足りない。神経衰弱は、持ち前の記憶力で勝ちを手にしたが……


「和真殿!強すぎます!もう少し手加減してくださいよ!」


 なんて言われたので、今度は手加減をしてみることにした。まずはババ抜き。ジョーカーを持ったカードを選ぶと、喜ぶ表情をする。そして、ジョーカーカード以外のカードを取ろうとすると、がっかりした顔をする。こんなに表情を出す人はいるだろうかと言いたいほど、はっきり顔に出ている。


「あの、彩華さん。表情出てますよ……」


「えっ!本当ですか!」


「本当ですよ」


「わかりました!なら、表情を出さないようにします!」


 俺のアドバイスを受け、彩華さんは、表情を出さなくなった。これで、やっと正々堂々と戦える。俺は、トランプを取ろうとした。すると、彩華さんの眉がぴくりと動いた。一応、確認だが、隣のカードもとってみよう。なんて言う事でしょう!彩華さんの眉はぴくりともしませんではないですか!て言うことは、ぴくりとしたほうが、ジョーカーと言う事だな……いや、待てよ……ここで、ジョーカーを取らず、俺が勝ったら、彩華さんは、また怒るだろう。それに何度も負けさせるのは、可哀想だし……

俺はジョーカーをとった。その後、彩華さんは、ジョーカーを取ったりしてきたが、その度に俺は取り返した。そして、結果、彩華さんが勝利!そして、その勝利を皮切りに、いろんなカード勝負で勝利!


「すごいですねー」


「いやいや、たまたまですよ〜」


 と謙遜する彩華さんだが、顔を見ると、ものすごく嬉しそうだ。いや〜負けていて良かった。これには裏があり、俺は彩華さんに気づかれない程度で、手を抜き彩華さんを勝利へと導いた。そのため、彩華さんが勝つことは必然であったのだ!我ながら、いい接待ができた!こうして、接待トランプは、彩華さんが飽きるまで続き、気づけば目的地に到着していたのであった。


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