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だんだんと暑い日が増えてきた。7月。


「和真殿!」


「どうしましたか彩華さん」


突然現れた彩華さん。


一体、何の用だろうか


すると、彩華さんは、スマホの画面を見せた。


「今度、この近くで七夕祭りがあるのですが、良かったら私と行きませんか?」


七夕まつりか……

もう、そんな時期か……


「そうであれば、他の人も誘いに行きましょう」


もし、彩華さんと居るところを木嶋さんや駒形さんに見られたら、またあの悪夢が出てくる。


また、木嶋さんの事件を起こさないようにしなければ……なんて思うが……


なんだろう? 


彩華さんの様子が……


「それなんですが……その……」


「その?……」


ともじもじと恥ずかしそうな彩華さん。


何か言いたそうだが、どうしたのだろうか


「そ、その……分かりませんか?」


「はい?」


何かを察してほしそうだが、彩華さんが何を言いたいのかわからん。


「……」

「……」


沈黙が数秒続いた後のことだった。


「もう!和真殿の馬鹿!少しは乙女心に気づいてください!」


と言うと彩華さんは急に不機嫌になり、俺の席から行ってしまった。


もしかして、俺、彩華さんを怒らせてしまったのだろうか?


だとしたら、後で謝っておかなければ……


それにしても何であんなに、彩華さんは怒ってしまったのだろうか?


ーー昼休みーー



「和真、お昼ご飯行くわよ」

「うん」


俺は、駒形さんと昼食を食べに行く。


駒形さんとお昼ご飯を食べるのは日課だ。


そうだ、彩華さんが怒ってしまった事を駒形さんに相談してみよう。


その方が、訳がわからないまま、彩華さんに謝るよりも、良いだろう。


すると、その前にある人物が……


「なに?邪魔なんだけど」


「お願いします!今日だけ、和真殿とお昼ご飯をさせて貰いませんか?」


俺達の目の前に立ちふさがったのは、彩華さんだ。


「どうして、和真と?」


「そ、その、和真殿とお話がしたいです……」


「そんなのいつでも出来るじゃないの?」 


「今じゃないと駄目なんです!だから、お願いします!」


彩華さんは駒形さんの手を握る。


そんな彩華さんの熱い気持ちが伝わったのだろう。


「分かった!分かったから離して彩華さん!いたい!」


という事で、今日は彩華さんとお昼ご飯をすることになった。


いつも、駒形さんばかりで、彩華さんとご飯を共にするのは、なんか新鮮だ。


「急でごめんなさい和真殿。ただ、どうしても和真に伝えたいことがあって……」


「伝えたいこと?」


「その前にこれ、つまらないものですが、良かったら」


と彩華さんに渡されたのは、重箱。 


中身を空けてみると、それはそれは豪華な料理がこれまでかと思うほど詰まっている。


中には、イクラやウニまである。


「これ食べていいの?」


「えぇ、どうぞ食べてください。なんなら私のお弁当もどうぞ!」


では遠慮なく。


まずは、ごぼうのきんぴらから食べ、次にサバの塩焼きを食べる。そして、イクラなどの高級食材を


「どうですか?美味しいですか?」


「美味しいです!もしかして、彩華さんが」


「いえいえ、私じゃありません。それは私達の家に仕える専属の料理人に、()()作らせた料理です」


「えっ!そうなの!?」


さすが、彩華家。


俺達庶民には到底出来ないことだ。


しかし、ここまでやるには何か裏があるはずだ。


「それで、俺に伝えたいことていうのは?」


「そ、その……」

「その?」


「その!私と七夕祭り行ってくだしゃい!」


とものの見事に最後は噛んだ彩華さん。


彩華さんは、顔を真っ赤にし、とても可愛い……


とかではなく。


それよりも、そんな事でこんな豪華なお弁当を用事してくれたという事なのだろうか?


だとしたら、俺には断る権利はないに等しいだろう。


こんなお弁当を用意さたにも関わらず、彩華さんのお願いを断るのはまずいではないか……


下手すれば彩華家を敵に回して、とんでもないことに!


それだけは、まずい!


「わかりました。一緒にいきましょう。七夕祭り!」


「あ、ありがとうございます!大好きです和真殿!」


と抱きつく彩華さん。


く、苦しい……


まぁ、駒形さん達にバレなきゃ問題もないだろう。


そして、俺達はお弁当を食べながら、七夕祭りの日程を決めた。


「では7月7日。現地集合ということで」


「うん。分かった」


彩華さんはとてもキラキラしていた。


なんか、もう楽しみにしている感じだ。


こうして、彩華さんと七夕祭りに行くことになりましたとさ



読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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