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――ある日の放課後ー
「「さて、帰ろう!」」とした時、千聖に声をかけられ、捕まった。
「和君!ちょっと付き合ってくれないかな?」
それは何かのお誘いでしょうか?
例えば、いけないこととかの……
だとしたら、無理です!
俺には駒形さんと言う彼女がいます!
駒形さんと言う、それはそれはとても可愛い彼女がいるのに、そんな後ろめたいことなんて出来ません!
よし!駒形さんのためにも嘘をついてこの場を凌ごう!
「これから予定があるけど……」
「そう言って、帰るとかじゃないよね……」
図星だが、嘘をつかなければ……
変な事に巻き込まれるのはごめんだ。
「そ、そんなことはないよ」
「うん!嘘だね!」
と言うと、千聖は腕を掴む。
簡単に嘘はバレてしまい、逃げ場は失った。
俺って嘘が下手くそなのかな……
「私ね、バスケ部に入ったの」
「へぇ、そうなんだ……」
千聖がバスケ部か……
うん!運動ができる千聖にぴったりだ!
それよりも、千聖さん。その腕、離しててくれませんかね?
廊下ですれ違う生徒の視線が気になるのですが!
それに、駒形さんに遭遇したら終わるんですけど!
絶対に修羅場が待っているよー!
「もちろん、応援にきてくれるよね?」
千聖に捕まっている以上、拒否権はないだろう。
という事で、千聖が入部した部活の見学に行くことになってしまった。
はぁ……帰りたい……
「吉田先輩!」
「おー千聖。来たか……で、この人は?」
「紹介します!私の彼氏の鈴木 和真君です!」
「どうも、鈴木 和真です」
「あー知っているよ」
吉田さんは俺よりも上級生
吉田さんと関わるどころか、俺の存在すら知らないはずだが……
吉田先輩は、まるで俺を軽蔑するような目つきを向けながらこう言った。
「あんた、沢山の女子を口説いて、自分のものにしているんでしょ?あんた女子の間では有名人よ」
なんだその風評被害。
俺は、口説くなんてことはしたことないし、そもそのそんな度胸はない。
まさか、俺が知らない所でそんな事を言われているとは……
すると、千聖が俺の腕に絡みつく。
「それは違います!和君は女性を口説くなんてことはしません!私は、心の底から和君が好きです!」
千聖……
お前……
すごいな……
その大きな胸……
改めて実感する……
「そうか。それはごめんな千聖。それよりも早くユニホームに着替えてきて。もうじきミニゲームを始めるから」
「わかりました」
千聖はユニホームを着替えるためにいなくなってしまった。
今、俺は吉田先輩と二人っきりでいる状況だ。
初対面で、あんな事を言われた手前、すごく気まずいのだが、何か会話をした方がいいのだろうか?
「「今日はいい天気ですね……」」的な
「鈴木君だっけ?」
「はい。そうですが」
「さっきはごめん。まさか、本当に千聖が君の事好きだとは思わなくて……」
「いえいえ、全然気にしてませんよ」
まぁ、分からない事でもない。
千聖と俺では釣り合わない。
俺が口説いたと思われてもおかしくはない話だ。
「ねぇ、鈴木君、一つ聞きたいんだけど。鈴木君は、千聖のこと好きなの?」
キリッとした瞳が俺を見る。
まるで鷹の目。
嘘をついたら簡単に見破られそうだ。
ここは、正直な事を言おう。
後々面倒な事になっても仕方がないし
「正直、俺は、恵理のことをただの幼馴染としか見てません。そもそも俺には大切な彼女がいますから」
俺は千聖の事を異性としてはみてない。
千聖はただの幼馴染で、友達みたいな感じだ。
「それは千聖も知っているの?」
「もちろん。千聖にも彼女を紹介しましたから」
その結果、あんな小競り合いが始まったのだから。
すると、吉田先輩は「「はぁ……」」と深いため息をついた。そして、俺の肩を掴むとこう言った。
「鈴木君」
「はい、なんでしょうか!?」
「千聖を幻滅させるようなことだけはしないであげてね。」
すると、千聖が小走りに戻ってきた。
て言うか!着替えるの早!
「お待たせしました!せんぱい!」
吉田先輩がいる前で見てはいけないものが目に入る。
その、バスケットボールのように弾む大きな胸を……
「よし、千聖。今日の最初のポジションは、シューティングガードだ」
「了解です!」
「和君。私の頑張っている姿見ていてね」
手を握る千聖。
他の男子生徒なら一ころ案件だろう。
「じゃあ、私もミニゲームに参加するから、鈴木君は上の観客席で見ていて!」
と言われ俺は千聖の試合を見た。
バスケのルールは素人で何もわからないが、千聖はものすごく頑張っているのは伝わる。
千聖はたくさん得点を取っている。誰よりもたくさんチームの得点に貢献していた。
その後、千聖達は、チームの構成を変えては、試合をしていた。
見た感じ、千聖もポジションをころころ変えていた感じだ。
――部活終わり――
「どうだった。私の姿」
「すごかった。千聖。沢山活躍していてかっこよかったよ」
「そ、そうかな……」
と照れる千聖。
ヤバい、可愛いすぎる。
長い間見ていなかっただけで、こんなに人は変わるものだろうか
「千聖って可愛いよな……」
「そうですね……て!」
隣に吉田先輩がいた。
「どうだった私達のミニゲームは」
「すごかったです!また、試合が見れるなら観てみたいです!
「そっか。なら、今度試合があるから来ると良い。なんなら、鈴木君の彼女さんも連れてこい。私も君の彼女さんには興味があるしな」
と吉田先輩に言われ、今度の休み駒形さんを誘い、千聖の試合を見に行くことになった。
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