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「なら!今すぐ、その()と別れて!」


と千聖が指さす相手は、駒形さん。


面白い冗談を……


駒形さんは俺の彼女。


いくら千聖の言う事でも、それはできない。


そんな千聖の発言に、駒形さんは不機嫌になる。



「はぁ?あんた何言っているの?」


ガタガタと貧乏ゆすりするところ、物凄く苛立っているのが伝わる。


何か、一言でも余計な事を言った瞬間、俺に苛立ちがやってきそうだ。


「だから、和君と別れてくれるかな?駒形さん日本語分かる?」


「それを言うならあんたでしょ?聞いていた?和真自身が言っていたじゃない。私が和真の彼女だって」


「それは今までのこと!今日からは、私の彼女になって貰います!」


と言うと、千聖は内ポケットから、何かを取り出してきた。


よくもまぁ、あそこまで駒形さんに噛みつくもんだ。


俺には到底出来ないことだ。


命がいくつあっても無理だ。


「これ!和君と交わした契約書」


と駒形さんに手渡す。


駒形さんはその契約書と言うものを読む。


「えっと、なになに。 ちさと と かずくんは、しょうらいけっこんし、せかいいち、なかよく、くらすことをちかいます! 〇がつ〇にち〇ようび」


すると、駒形さんは紙をビリビリに破く。


「ふん!くだらない!なにが契約書よ!こんなの昔話でしょ!」


すると、駒形さんは席を立ちあがり俺を引っ張り、腕に絡むとこう言った。


「いい、今は私が和真の彼女!そして、将来の旦那さんなの!あんたみたいな古参が入る場所はないの!」


「「分かったなら!どこか行きなさいよ!」」としっしと千聖を遠ざけようとした。


しかし、そんな事で食い下がるわけがない千聖。


千聖は俺を引っ張る。


「和君とは貴方よりも先に婚約の約束をしたの!和君のことを何も知らない、あんたこそしゃしゃり出てこないでくれる!?」


俺の左手に絡みつく千聖。


なんだか、不穏な空気が漂い始めてきた。


「離れなさいよ!和真が可哀想でしょ!ねぇ、和真、こんな古い中古品よりも私の方がきっといいよね?!」


「駄目よ和君!こんな性格悪女!和君も駄目になっちゃうし、将来の子供も駄目になっちゃうよ!だから、優しくて、可愛いこの私の方がいいよね?!」


「ふん!自分で可愛いとか!馬鹿じゃないの!この自意識過剰女!」


「あら、貴方より少なからず私の方が可愛いし、それに……ねぇ、和君!」


すると、千聖は俺の腕に絡み、それはそれはさぞご立派な胸を押し付ける。


千聖は笑った。


こ、これは確信犯だ!


「和君もこういう女性の方が好きでしょ?」


「えっ!」


男性ならふくよかな方が良いと思う人は多いはずだ。


勿論、俺もふくよか派だ。


「和真は、そんなふしだらなものよりも、こういう健全な方がいいわよね?」


素敵な笑顔で俺を見る駒形さん。


とても素敵な笑顔だが、この状況にその笑顔はすごく不気味だ。


ここは、駒形さんに頷くべきだろう。


でなければ、このあとなにが待ち受けているのか、想像するまでもない。


千聖には後で謝ろう!


「うん、そうだね……」


すると、右の脇腹から痛みがきた。


右を見ると、千聖がにっこり笑っている。


うわー……すごく可愛い……


「違うでしょ?和君。私の方がいいよね?」


「いや、これには深いわけが」


脇腹を強くつねられ激痛がはしる。


やっぱり、千聖に賛同しておくべきだっただろうか


「へーどういうわけなのかな?」


言えない。駒形さんが脅してきたからなんて言えない。


言った所で、駒形さんに適当に誤魔化させ、後で地獄が待っている。


それよりも近い、近い!千聖!


すると、次の授業が始まるチャイムがなった。


とりあえず、チャイムのお陰で助かった……


こうして、突如現れた俺の幼馴染 小手 千聖(こて ちさと)


彼女の登場で、また俺の生活は日々変わるのであった。

読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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