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――最終日――


今日が本当に葵さんと会う最後の日だ。


「皆さん、お待ちしていました」


「葵殿!会いたかったです!」


会ってすぐに、葵さんに抱きつく彩華さん。


「さぁ!頭を撫でて下さい!」


と要求する彩華さん。


そんな彩華に苦笑いする葵さんだが、彩華さんの頭を撫でる。


「もぉ、仕方がありませんね」


そんなやり取りに木嶋さんが葵さんにのところに


「彩華さんばかりずるいです。私も、頭撫でてください」


「もぉ、二人とも仕方がありませんね」


そう言っても、葵さんは二人の頭を撫でる。


彩華さんと木嶋さんはとっても嬉しそうだ。


「駒形さんは行かなくても良いのですか?」


「私は、和真に頭を撫でてもらえれば、それで満足だわ」


なんか、嬉しいような……


恥ずかしいそうな……


そう言ったそばから、駒形さんが葵さんの所へ

やっぱり、言葉と裏腹に本当は、頭を撫でてほしいとか?


「はい、これ。私達からのお別れのプレゼント。海外に行っても私達のこと忘れないでね」


「これは……」


「まぁ、実用性を考えてハンカチ。これ私達が葵さんのために選んだわ」


「良かったら受け取って下さい!」


「て言うか!受け取れ!葵殿!」



すると、葵さんは涙を流した。


「どうしたのですか?!」


「私達、なにか悪い事でもいいましたか?」


「いいえ、そういうわけではなくて……ただ嬉しかったです。こんな私を友達と認めてくれたことに」


「葵さん……」


「あっ、そうだ」


葵さんは涙をふき取ると、どこかへ行った。


そして


「皆さん、これ私からのプレゼントです」


葵さんは一人一人、プレゼントを渡す。


「駒形さんと彩華さんには、シュシュをプレゼントします。二人とも、仲が悪いことがありますので、一緒にお揃いで、仲良くしてくださいね」


「はい!今日から駒形殿と仲良くします!」


「別に、私達は普段から仲いいから」


「そして、木嶋さんには、私とお揃いのペンダントを差し上げます。と言いたいのですが、まだ出来上がってないので、私が居なくなった後に受け取ってください」


「うん、わかった。大事にするからね」


「最後、和真君には……」


「これで満足ですよね?」


ま、満足……ではない。


こんなことされて……俺は別に満足なんて……


「あれれ?和真君、泣いているのですか?」


「別に泣いてない……」


これで、葵さんと最後。


葵さんとは色々あった。いい思い出もあるし、悪い思い出もある。


だけど、それをひっくるめて、葵さんと居られた日々はかけがえのない時間だった。


「葵さん、今までありがとうございました」


「こちらこそ、和真君に会えて良かったです」


こうして、時間はあっという間に過ぎ、お別れの時間が


「じゃあ、皆さん、お元気で」


「1っか月に一回、必ず手紙を交換してくださいね」


「分かっていますよ」


約束だからねと、指切りをする木嶋さんと葵さん。


そんな二人をじっーと彩華さんが見る。


「葵殿、私とも文通してくれませんか?」


「えっ、二人分ものやり取りをするのですか?」


「駄目ですかね……」


うるうるした瞳で、葵さんの腕を掴む彩華さん。


「この人、話して貰えませんか?」と俺と駒形さんに助けを求めるが、駒形さんは無視し、そっぽを向く。


仕方がない、俺が行くしかない……


「彩華さん、葵さんが困っていますので、離れましょうよ」

「邪魔をするなら、噛みつきますよ」


ガルルルと猛犬のように威嚇する彩華さん。

手を伸ばすと、ワン!と吠え、今にも噛みつきそうだ。


「葵さん、諦めてください」

「そうそう、その調子ですよ和真殿」

「あっ、ちょっと和真さん!」


言っておくが、別に怖いから離れた訳ではない……

彩華さんに対する執着心に負けただけだ。


「葵さん!文通!よろしくお願いしますね!」

「はぁ……分かりましたよ……」


渋々と手紙のやり取りを約束した葵さん。


いや~、良かったですね。彩華さん。


「和真さん。あなたには幻滅です……もう、嫌いです」


彩華さんのせいだ。


彩華さんのせいで、葵さんに嫌われた。


それも最後の最後に!


「そんなこと言わないでください!」


俺は、葵さんに仲直りしてもらうように交渉した。



「なら、私と文通のやり取りを申し込みます」


「えっ?文通?」


「皆さんと同じく、1ヶ月ごとに手紙を送り合いましょう」


「えっ、文通ですか……」


正直言って面倒くさいからやりたくないが……

葵さんと仲直りするためだ


「分かりました、やりますよ文通」


「じぁ、決まりですね。木嶋さん、彩華さん、和真君で文通をやりま……」


「ちょっと待った!」


俺は、駒形さんの方を見る。


「えっ?私?」見たいな表情をしているが、そこの貴方です!


「駒形さんも、文通やりますよね?」


皆んなが、やるのに一人だけやらないなんて、可哀想だ。

まるで、駒形さんだけが仲間はずれのようだ。


「わ、私は大丈夫よ!ほら、文通なんてしなくてもスマホでちゃちゃとやり取りできるし!」


なんて、言うが、なんとしてでも駒形さんも巻き込んでやる。一人だけ助かろうなんてさせない。


「でも、文通の方が、思いとかこもっていて、貰った方もいい気分ですよ!」 


「確かに、和真殿の言う通りですね」


「和真殿にしては良いことを言いましたね」と余計な一言はいらないが、ナイスアシスト!彩華さん!


さぁ、駒形さん!貴方も文通を始めましょう!


「悪いけど、私はやらないわよ」


「えっ!私達と一緒にやりましょうよ!」


木嶋さんの言う通りだ!


皆んなで、やりましょうよ!


「嫌よ」


「なら、良いです。駒形さんはやらなくても良いです。さて、()()()()()()()()私達だけで、楽しくやりましょうね!」


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ……」


「はい~なんですか~」


「や、やっぱり私も入れなさいよ……」


「えっーそれが人に頼む態度ですか~?」


と煽り散らす葵さん。


駒形さんは、顔を真っ赤にし、今にも怒りそうだ。


まさか、最後の最後まで喧嘩を……


と思いきや駒形さんがボロボロと涙を流し始めた。


「私も、葵さんと文通がしたいです。お願いします……」


葵さんは駒形さんを泣かすつもりはなかっただろう。

慌ててこう言った。


「わ、分かりましたよ。駒形さんと文通しますから、泣かないでくださいよ。ねぇ?」


と言うと、駒形さんは「ぷっ!」と笑った。


そして、腹を抱え笑い始めた。


「そんなに動揺するとは思わなかったわよ!」


「まさか!私を騙したのですか!」


「煽り散らしてきたお返しだわ」


と「どうよ!」と葵さんに対して、高笑いする駒形さん。

はっきり言って、性格悪……



「葵、そろそろ……」


「じゃあ、皆さんとはこれで、お別れですね……あれ、おかしいな。ほんとなら泣かないつもりでいたのに」


涙を流し笑う葵さん。


そんな葵さんに対して、木嶋さんが葵さんを抱きしめる。


「葵、向こうでも元気で」


「唯、こそ元気で」


二人が名前で呼び合い、そして笑った。


なんとも感動的な絵だ。


「お元気で和真」


「彩華こそ元気で……って、何をやらすのですか!」


「いや~、ついあの二人が羨ましくて!」


ではない。ついノリでやってしまった俺も俺だが、


「和真、本当にお別れしよっか!?」


とそれはそれは素敵な笑みを浮かべ、拳を見せる。


そして、俺の方に迫ってきて……その後はご想像にお任せで


「それでは、皆さん。さようなら」


「行かないで~葵殿~」


「元気でね葵!」


「じゃあね、葵さん」


「向こうでもいい生活を」


こうして、葵さんと別れた俺達。


葵さん一人居なくなると寂しいもんだ。


――数週間後ーー


葵さんから手紙が届いた。


「元気ですか、和真さん。私はまだ向こうの生活には少々不慣れですが、楽しく過ごしています」


と言う手紙と一緒に、満面な笑みを浮かべ、ピースサインをする葵さんの写真が送られていた。


楽しそうな笑顔を見ると、向こうでも楽しくやっているのを伺える。


さて、俺も手紙を書こうか……


読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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