67 放課後の後
「もし、良かったら、私と付き合ってくれませんか?……」
木嶋さんに告白をされた、あの日の事が頭の中で蘇る……
他の生徒にも人気があるほど、可愛い木嶋。
俺とは、一生関わりのないほど、高嶺の花的な存在。
そんな木嶋さんが、何も取り柄もない俺なんかに、告白してきてくれた。
最初は驚いた。だけど嬉しかった……
「和真!」
「和真殿!」
少しぼやける視界に、俺を呼ぶ、彩華さんと、駒形さんの顔が映る。
俺は一体……
そうか、あの後、気絶してしまって……
じゃあ、ここは保健室?……
「木嶋さん!」
あのときの事を思い出し、すぐさま起きた俺。
あの後、俺は気絶してしまい、木嶋さんをおいてきぼりに
探さなければ!
木嶋さんを助けなければ!
「安心してください。木嶋殿は、そこで寝ています」
どうやら、木嶋さんは俺から見て、左斜めのベットに寝ているらしい。
良かった……
葵さんに連れられたりしてなくて、本当に良かった。
木嶋さんの安否を確認でき安心していると、駒形さんが抱きついた。
「話は彩華さん聞いたわ……あんた、何一人でカッコつけているのよ……」
「ごめんなさい。駒形さんを巻き込みたくなかった……」
「何よ今更、散々私を巻き込んできたのだから、今回も私を頼りなさいよ」
「ごめんなさい」
「じぁ、私を心配させた罰……受け取りなさい……」
俺と駒形さんは見つめ合う。
そして、キスをした。
今回はいつもより長く、濃厚なキスだ。
だけど、駒形さんに対してこの身で、贖罪出来ればそれでいい。
俺は、駒形さんが満足するまで、キスをする。
ごめんなさい駒形さん……
駒形さんを巻き込まないようにしたかったのに、結局巻き込んでしまって、挙句の果てには、心配までかけてしまって
「はい、二人とも場所を考えて下さい……」
彩華さんは、俺たちの間に入り、俺たちを引き離した。
なんか、いい雰囲気だけあって、邪魔された事に、駒形さんが不機嫌そうに見えるが、彩華さんの言う通りだ。今は、時と場合を考えなくては……
そう思った俺は、気持ちを切り替え、この二人に素朴な、疑問をぶつけた。
「それで、どうして、二人がいるのですか」
「それは、和真殿が気絶した後、私達が、和真殿達を助けたからですよ」
と言う彩華さんだが、俺は疑問に思った。
俺が彩華さんに助けを求めた時、彩華さんは助けてくなかった……それなのに彩華さんが来た?
「どうして、彩華さんは、俺を助けてくれたのですか?」
「あぁ、それはですはね、泣かれたのですよ。駒」
「ああ!言わないで!」
彩華さんの口を押さえ、「今のは何でもないから!」と言う駒形さん。明らかに様子がおかしい。
「別に隠す事ではないと思いますが」
そう呆れる彩華に対して、駒形さんは顔を赤らめる。
そして、ボソとこう言った。
「恥ずかしいから……やめて……」
と駒形さんは言うと、彩華さんは、にっこりと笑った。
そして、俺を見ると、「駒形殿が、助けて欲しいとビービーと泣きついてきたのですよ」と暴露するのであった。
「彩華!許さん!」
彩華さんに全てを暴露された駒形さんは、顔を膨らませ激おこ。そして、彩華さんをポカポカと叩く。
そんな駒形さんに俺は、笑った。
「何笑っているのよ!」
「いや、嬉しくて」
ここまで、俺の事を心配してくれる人がいた事に驚いたと同時に、嬉しかったのだ。
すると、駒形さんは俺の方へ来た。
もしかして、俺も、怒らせてしまったのだろうか?
「和真の馬鹿馬鹿馬鹿!」
俺の右肩辺りをポカポカと叩き始めた駒形さん。
そんな、駒形さんに、俺と彩華さんは、笑うのであった。
こうして、数分間のほんわかした時間は終わり本題へ。
あの後、木嶋さんと葵さんは……
「俺が、倒れた後、どうなったのですか?」
「あの後、私が葵殿を拿捕し、駒形殿には木嶋殿を保護して貰いました。その後、私が和真殿をここに」
そうだったのか……そんな事が……
だが、彩華さんの話には疑問が残る。
「葵さんは、いまどうしているのですか?」
「葵殿は、生徒会室で、尋問中です。まぁ、時間が経てば、なんらかの処分が降る筈です」
「そうですか……」
当然だ
木嶋さんをあんだけ虐めたのだから、当然の報いだ。
それなのに、このモヤモヤはなんなんだ。
「和真、木嶋さんが目を覚ましたわよ」
「ほんとうですか」
俺は、木嶋さんがいる方へ行った。
「和真君」
「木嶋さん、ごめん。俺……」
木嶋さんを救うとか、言いながらも救えなかった。
もし、彩華さんと駒形さんが来なければ、葵さんがどうなっていたかと考えるだけで……
俺は、涙を流す。
「嬉しかった。私を助けに来てくれて嬉しかったよ。だから泣かないで」
と木嶋さんは俺を自分の方へ呼び、俺の頭を撫でる。
なんだか、木嶋さんのぬくもりを感じて、涙が止まらなかった。
数分後
「さて、泣き虫和真殿、今から葵殿のところへ行きませんか?」
うん、今、彩華さんにしれっと悪口を言われたような……
まぁ、それは今はスルーしよう。
「今からですか?」
「えぇ、今、生徒会長が、葵殿を尋問中ですので、会えます。なにか、聞きたいことなどあれば、今がチャンスかと」
「なら、行かせてもらいます」
特に聞きたいことはないし、行くつもりはなかった。
だけど、俺の中にあるモヤモヤを払拭するきっかけになるかも知れない。
「あの私も、連れて行ってくれませんか?」
と言った木嶋さん。
木嶋さんの気持ちはわかる。
だけど、危険だ。
彩華さんも迷っている。
「でも……」
「大丈夫です!私の心配は入りませんだから連れて行ってください!」
その思いが通じたのか、彩華さんはため息をつくと、こういった。
「分かりました。木嶋殿を葵殿の所へ案内します。ただし、木嶋殿に危険が生じた場合は、即座に葵殿との面談を中止します」
「分かりました」
こうして、俺達は、葵さんがいる生徒会室に足を踏み込むのであった。
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