表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/86

58 秘密のデート

ある日の休日。


俺は、朝からネットゲームをし、部屋にこもっていた。


そんな時、インタホーンが鳴った。


これはもしかして、以前頼んでおいたフィギュアが届いたのだろう。


俺は急いで、1階に降りた。

そして、玄関を開けて……


「おはようございます!和真君」


あれ?宅配便の人……ではありませんよね。

俺は、扉をそっと閉めた……


「和真君、閉めないでよ」


にっこりと笑う、葵さんが現れた。

扉を閉められたことに少々腹を立てている模様だ。


さて、どうする俺?


下手に怒らせないようにとりあえず、


「どうしたの葵さん」

「実は」


肩にかけていたバックから、何かを取り出し俺に見せた。


「じゃん!これ!良かったら一緒に行こうよ!」


葵さんが持っているのは、映画のチケットだ。

見る限り、最近、人気のある恋愛映画だ。


「ねぇ、和真君。一緒に行こうよ」


恋愛なんて興味もない。

それに人気の映画だから、人も多いし、恋人みたいな人達も多いだろう。


「ごめん、今日、用事があるんだ」


「そっか……まぁ、予定があるなら仕方がないよね!ごめんね急に押しかけてしまって」


なんか、俺が悪いような気がしてきた。

折角誘ってくれたのに、行きたくないのを理由に断るのは、流石に良くないよな……


俺の家から出ようとした葵さんを俺は呼び止めた。


「葵さん行きましょう!映画」


「えっ!用事は?」


「あっ、えっと急に無くなった……」


「そっか!最初から嘘をついていたんだ……よね」


葵さんがとても怖い目で俺を見てきた。


葵さんはにっこり笑っている。


だけど、右の手を拳を作って今にも俺を殴ろうとしているが……気のせいだよな……


「和真君、どうしたらいいか分かっているよね?」


分かりますよ。


葵さんのご機嫌を取れば良いのですよ……


「そう、よく分かったね」


俺と葵さんは仲良く、映画館へ向かった。

まるで、その姿は、本当の彼氏と彼女のようだ。


「和真君。好きだよ」

「ありがとうございます……」


揺れる電車中、俺の腕にくっついてきた葵さん。


やばい!滅茶苦茶いい匂いがする!


ここは天国か何かですか!?


葵さんに浮かれていると電車が急に止まった。


俺達はバランスを崩した。


そして、上手いことに俺は葵さんを見つめ壁ドンをしていた。


俺は驚いた。


もちろん、葵さんも驚いている。


「和真君、いきなり、不倫をしようなんて、駄目だよ……」


「違う!これは事故だよ!それに葵さんに告白するつもりなんてないから!」


俺は、急いで、葵さんから離れた。


すると、葵さんは不機嫌そうに顔を膨らませ、近づいてきた


「そこまで言うことないでしょ!」


ふんとそっぽを向いた。


俺たちは、何事もしゃべることなく、映画館へと向かった。


映画館--


無事ついたのは良いもののこの後をどうしようか……


「和真君、チケットです」

「ありがとうございます」


……と会話が続かない。

ポップコーンとか買いに行きたいが、行ってもいいのだろか?

俺は恐る恐る葵さんに話してみた。


「葵さん、ポップコーン買いに行ってもいいでしょうか?」

「私も行く」


不機嫌な葵さんと一緒にポップコーンを買いに行った。

そして、映画の上映時間が始まってきたので、俺たちは映画館へ


休みという事もあり、友達同士で来ている人や、中には、家族連れで来ている人も、でもやっぱりカップルが多い。


「カップル、多いですね……」

「そうですね」

「はたから見れば、私たちもカップなのですかね?」


はたから見たら、俺たちは何だろう?

友達に見えるのか?

それともカップルなのだろうか?


「どうして、黙るのですか?……」

「いや、分からなくて……」

「もぅ!そこは、そうですね!でしょ!」


と余計に葵さんを不機嫌にしてしまった所で、映画が始めった。


映画は2時間近く。


葵さんはとても真剣に見ているのに対して、俺は今とても眠い。


普段、映画を見るのは、アニメくらいで、こんな恋愛映画なんて見たとこがない。


「面白かったですね」

「そうですね」


「嘘ですよね……」


「いや、嘘ついていませんよ」


「はい、嘘ですね。だって、和真君、気づきませんでしたもん」


えっ?俺が一体、何に気づかなかったというのだろうか?


「実は私、うっかり、和真君の飲み物を飲んでしまったんですよ。それなのに、和真君は何事もなく飲みました!」


嘘!まじか!全然知らなかった!

やばい、言い訳を考えなければ!


「そ、それは、映画に夢中で」

「嘘ばっかり!私、見ました!ずっと、うとうと眠そうに見てましたよね!」


まさか、そこまで見られているとは……

惨敗です。もう


「すみません!俺、寝ていました」

「酷いです。和真君……さっきから嘘ばっかりついて……和真君がこんな人だと思いませんでした……」


「葵さん!」


葵さんはどこかへ行ってしまった。


俺は、追いかけようとしたが、人ごみに邪魔されて逃がしてしまった。


俺が悪かった。


俺が嘘ばかりついていたせいだ。


葵さんが怒ってしまうのも当然だ。


葵さん謝らなければ……


俺は、葵さんを探す。


葵さんに電話をするが、通じない。


ら〇ンに葵さんと会話を試みるが、既読もつかない。


俺は、一心不乱に探した。


葵さんが行きそうなところなどを手当たり次第に探した。


だが、見つかるはずがなかった。


こうして、俺は、葵さんを怒らせたまま、休日を終わらせてしまった。





読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ