57 招かざる生徒
「あれれ?誰かと思えば、和真君ではありませんか?」
「お前……どうしてここに」
俺の目の前にいる人物
それは、木嶋 唯だ。
「私は、ただ色々と書類を取りに来たついでにご挨拶に」
ご挨拶?木嶋は、この学校をやめているはずだが……
まさか……
「そのまさかです。またよろしくお願いしますね。和真君」
嘘だろ……また木嶋と一緒の学校生活を送るのか……
やめてくれ。俺達の平穏な生活の邪魔をしないでくれ
「別に、彼女たちの邪魔はしませんし、関わろうとも思いません。だけど、和真君……貴方だけは特別、私の奴隷にでもしてあげますよ」
と言うと木嶋は、拘束していた手錠を後も簡単に外した。
「彩華さんから逃げるなら今のうちですよ」
「どうして、俺を助けたのですか?」
「気まぐれです」
そう言い残すと、木嶋は生徒会室を……
「あっ、これ和真君のスマホ。彩華さん、馬鹿だから、そのの棚の上にありましたよ」
そして、木嶋が居なくなった所で、俺も生徒会室を出た。
生徒会室にて
「やれやれ、逃げてしまいましたね……」
そう言い、彩華さんは薄っすらと笑ったであった。
その後、俺は、放課後の事を駒形さんとスマホで電話をした。
「そう、木嶋さんがまた戻ってくるのね」
「そうなんだ」
「まぁ、私達に関わらないなら、放っておいてもいいんじゃない?」
「そんな簡単に放置しておいてもいいのでしょうか」
木嶋の言葉は信用できない。
また、嘘をつかれて、俺達の関係を無茶にして来たら………
「大丈夫。木嶋さんが私達に手を出すことはないと思うから」
「どうして、そう言い切るんですか」
「木嶋さんの本当の姿を知るのは私達だけ。だから、それをネタに私達と関わらないように、脅すだけだわ」
「なるほど」
駒形さんが言うように、木嶋の本性を知るのは俺達だけ。普段の木嶋は、皆に好かれる女子生徒を演じている。それをネタに脅せば、木嶋は何も出来ないが……そう簡単にいくのだろうか?
次の日。
俺達のクラスに転校生がやって来た。
言うまでもないが、木嶋 唯だ。
「皆さん、お久しぶりです。木嶋 唯です!またよろしくお願いします!」
と言うとクラス中から、歓声の声が
まるで、木嶋をアイドルのような歓迎だ。
木嶋の本性を知らない生徒達が、木嶋の本性を知ったら一体どんな反応を示すのだろうか……
「じゃあ、木嶋。席に座ってくれ」
「はい」
木嶋が座った場所。
そこは、清水さんが座る左隣だ。
「久しぶり、葵さん」
「う、うん久しぶり」
葵さんは大丈夫だろうか?
清水さんは木嶋に虐められた過去がある。
だから、今、清水さんは相当辛いだろう。
変われるなら、俺が変わってあげたい。
だが、そう思っていても、二人の席を変える事なんかは出来るはずがなった。
こうして、木嶋が新たに加わった新しい生活が始まった。
一体、来年はどうなっているのだろうか?
続く
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