表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/86

52 メリークリスマス!


11月も圧倒間に過ぎ、12月。


そして、何事もなく冬休みに入ってしまった。


今日は12月24日クリスマスイブだ。


「皆さん、いらっしゃい!」


俺は今、ある人の家に来ていた。

そのある人の家は、彩華さんの家でもなく、葵さんの家でもなく、駒形さんの家だ。

俺は、駒形さんに「クリスマスパーティをするから、あんたも来なさい」と誘われた。


「みんなゆっくりして行ってね!」


駒形さんのお母さんはとても上機嫌だ。

それに対して、駒形さんはとても不機嫌だ。


「お母さん!向こう行ってよ!」

「良いじゃない。せっかくのお友達なんだし、中には男子も混ざっているし」

「うるさい!」


と駒形さんはお母さんを無理矢理部屋から出した。

すると、俺と駒形さんは目が合った。

そして、不機嫌そうにこう言った。


「はぁ?なにこっちみんな。まじキモイんですけど」


なんて胸にグサッとくる言われた。

今日の駒形さんとは目を合わせないほうが良いかも知れない。


「では、皆さん始めましょうか?」


ちなみに、俺意外とは、とても友好的である駒形さん。


どうして、こんなにも差があるのだろうか?


ーーパーティーー


「さぁ、みんな遠慮しないで食べてね!」


机の上に、大きなお肉やらポテトなどがある。


俺達は、みんなで仲良く食べる。


どれもこれもとても美味しい。



「おねぇちゃん!」

「ちょ、詩音!」


誰かが来た。


見た感じ、小学生くらいの女の子だ。


甘栗色のショートヘアで、ばっちりとした目

緑色の瞳、どことなく駒形さんに似ている……


もしかして……


「ねぇねぇ、お姉ちゃん!この人達が日記の!」

「詩音!それは駄目!」


やっぱり、駒形さんの妹だ。


それよりも日記?


日記とはなんだ?


「駒形殿、そちらの方は」

「あっ、えっと、私の妹、詩音」

「へー駒形さん、妹さんいるんだ。可愛い~」


葵さんをじっと見つめる。

そして、駒形さんを見ると


「ねぇねぇお姉ちゃん。この人、お胸が」


駒形さんは、慌てて詩音ちゃんの口を押えた。


「今のなんでもないから!」


駒形さんは「あははは」と無理矢理笑顔を取り繕うくらい慌ていた。


そんな駒形さんの様子に俺達は互いに顔を見合い首を傾げた。


「それより、パーティーの続きをしましょう!」

「ねぇねぇ、私の混ざっていい!?」

「駄目!詩音は、お母さんの所に行きなさい!」

「分かったよ……」


詩音ちゃんは、どこか寂しそうに駒形さんの部屋を出ようとした。


すると、彩華さんがこんな事を言った。


「良いじゃないですか駒形殿。詩音ちゃんも混ぜてやりましょう。こう言うのは人数が多いほど楽しいですしね」


「うん、私もそう思うよ」


彩華さん葵さんの意見もあり、駒形さんは「はぁ……仕方がない」と言うとこう言った。


「詩音、ここに居てもいいけど、いい子にするのよ」

「えっ!いいのお姉ちゃん!」

「みんなが良いって言うからいいよ」

「わーい!じゃあ、私ここに座る!」


と言って、詩音ちゃんは俺の膝の上に座ったのだが……

これ、どうするべきでしょうかね……駒形さん


「詩音!降りなさい!その人は駄目!」


駄目とは一体どういう事ですか?

俺の一体、どこが駄目なのでしょうか……


「どうして、駄目なの?だってこのお兄ちゃん。お姉ちゃんの日記に」


「ああああああ!それ以上は駄目!」


「ねぇねぇ、詩音ちゃん。日記ってなに?」


そう葵さんに聞かれた詩音ちゃんは、満面な笑みを浮かべながらこう言った。


「うんと、お姉ちゃんがあの机で楽しそうに書いている、日記!」

「へぇー……」


葵さん、彩華さんはにやにやしながら、駒形さんの机を見ているが……


「駒形殿。私達にその日記やらを見せて貰いませんか……」


「駄目!絶対に駄目!」


「そう言わずに少しだけ」


「駄目駄目!絶対!」


彩華達と駒形さんが、争っている間に、詩音ちゃんが日記を取りにいったが……

俺はこのままでいいのだろうか?


「お姉ちゃん!日記あったよ!」


「ちょっと詩音!やめて!」


詩音ちゃんは駒形さんの日記を持って彩華さんに渡した。

「はいどうぞ!お姉ちゃん!」

「詩音ちゃんありがとう!」


頭をなでる彩華さん。

詩音ちゃんはとても嬉しそうだ。


そんな詩音ちゃんに彩華さんはこう言った。


「詩音ちゃん。お姉ちゃんが嫌な事をしてはいけませんよ。詩音ちゃんも嫌な事をされたら嫌な気分になりますよね」


「う、うん……」

「じゃあ、これはお姉ちゃんに返してあげましょう」


彩華さんは、駒形さんの日記を返そうとした。


彩華さんの事だ。


駒形さんの日記でも読むと思っていたから正直びっくりだ。


「彩華さん……」


駒形さんも彩華さんの意外な行動に驚いていた。


駒形さんは、日記を受け取ろとした。


けれど……


「彩華さん。離してくれる」


「む、無理です!日記が見たくて離せません!」


「はぁ!?冗談じゃない!日記は誰にも見せないから!」


「そんなこと言われると余計に気になります!」


二人は日記を引っ張り合う。


「そんな事したら、破けちゃうよ」


葵さんの言う通りだ。


下手をすれば、日記が真っ二つだ。


「駒形殿、少しだけ見せてくれませんか!?」

「駄目なものは駄目!」

「そこを!」

「駄目!絶対に駄目!」

「お願いします!」

「あぁ分かった。分かったわよ!」


ここで、駒形さんが折れた。

駒形さんは「ただし」と言った後にこう続けた。


「絶対に笑わない事と、後、和真は見ないことを条件に見せてあげる」


ていう事で、俺は目隠しをされ、日記を見ることはなかった。


「駒形殿も、和真殿のことをなんだかんだ言っても好きなんですね」


「なに、悪いの?」


「別に悪くはないよ」


「そんなにくっつかないで!」


「えぇ、別にいいじゃん。私達、友達なんでしょ?」


「えぇ、まぁ……」


「なら、私も抱きつきます!」


「ちょっと二人とも!」


3人はとても楽しそうだ。


なんだか、駒形さんの日記を読んだ後、この3人の中がより一層、深まったような気がした。


俺の膝に座る詩音は俺を見て笑った。


「お兄さんもあの中に混ざりたいでしょ?」

「別にそんな事は……」


ないとは言えない。

俺もあの中に入りたい。

俺だけが、仲間外れにされるのは少し嫌だ。


「詩音ちゃんもおいで」

「うん!」



俺のそばからいなくなった詩音ちゃん。

詩音ちゃん達はとても楽しそうだ。


俺はぼっちで寂しいのに……


「和真!あんたも良かったらこっち来なさい!」


ふん!と顔を反らす駒形さん。


「ほらほら、こっちにおいで」

「なんなら、私の胸に飛び込んできても良いですよ!」

「なら、私の胸に!」

「いやいや、私の胸に飛び込んでください」


彩華さんと葵さんは互いに睨みつける。


そして、その影響は俺に飛び火し


「和真君はどっち!?」

「和真殿はどっち!?」


と言われても困ります。


どちらかに飛び込めば確実にどちらかに喧嘩を売ることになる。


それに、そもそも胸に飛び込むなんて度胸はない。


「お兄ちゃん!ここに座って!」


と可愛い、詩音ちゃんに言われ、俺は詩音の所へ行った。

そして、詩音ちゃんは俺の膝に座った。


「詩音ちゃんはそこ好きだね」

「うん!だってここ居心地がいいだもん!」


と詩音ちゃんは俺の膝で横になる。

そして、詩音ちゃんは俺の太ももを触る。


「お兄ちゃんの太もも、すべすべしていて気持ちい」

「うわ~ほんとですね。和真殿の肌すべすべです」


とどさくさに紛れ、俺の右の肌をつんつんと触るのは彩華さん。


彩華さんは、うへうへと気持ち悪い笑い方をしながら、俺の肌に触れる。


そして、それを見ていた葵さんは、彩華さんとは逆の肌をつんつんと触った。


「ほんと、和真君の肌すべすべ!駒形さんも触って見たら?」


「ふん!こんな男の何が良いのかしら!」


と言う駒形さんだが、ちらちらと俺達の方を見てくるが……


「良かったらお姉ちゃんも触る?」


「はぁ?!触るわけないし!それより詩音!いい加減やめてあげなさい!お兄ちゃんが可哀そうでしょ!」


と言い、駒形さんは詩音をお姫様抱っこをした。


そして、詩音ちゃんは駒形さんが座っていたところに座らせ、駒形さんは俺の横へ


「さぁ、冷めないうちにパーティーの続きをしましょ!」


と駒形さんは何事もなかったかのように、ご飯を食べる。


それをじっと睨む詩音ちゃん。


「お姉ちゃんどうして私がここなの!」

「悪い人から守るため」


とか言いながら、自分の為ではないのでしょうか?


「なに?私に不満?」


いいえ、不満ではありません。


こうして、楽しい楽しいパーティーは続く。


そして、最後にクリスマスケーキがやって来た。


「口を開けなさい和真」


「えっ……」


その瞬間、俺の口にケーキが放り込まれた。


「どう美味しい?」

「うん、美味しい」

「そう、それは良かったわ」


駒形さんはどこか嬉しそうな表情をした。

俺に対しては、やたら不機嫌な表情を見せなかったくせに……

一体……


「それお姉ちゃんの手作りケーキだよね!?私にも頂戴!」


「駄目!これは友達のために作ったものだから。詩音のは別にあるから我慢しなさい」


なるほど、それでさっきとても機嫌が良かったと言う事か……


俺が美味しいと答えて、嬉しかったんだな。


もっと素直に喜べばいいのに……


そう思いながら、ケーキを取ろうとした。


しかし、ケーキが何もなくなっている……


「駒形殿のケーキはとても美味しいですね」


「また、作って来てよ!駒形さん」


まさか、この二人がすべて食べたと言う事なのか……


まだ1ホールほぼ丸々残っていたのに、それをあっさりと食べたと……


「ふぅ、よく食べましたね。葵殿」

「そうだね」


あれ?他の食べ物も食べてしまったのか!?


俺が見た時には、何も無くなっていた。


「さてと、そろそろプレゼント交換をしましょうか?」

「そうだね。そろそろ始めましょうか」


と言う事で、俺達はそれぞれ持ち合わせたプレゼントを交換することになった。


交換する方法は、くじ引きだ。


その結果俺は、葵さんのプレゼントを手に入れた。


早速、空けてみると、中からは、アロマキャンドルが出てきた。


「それ、私が良く使っているアロマキャンドル。和真君もリラックスしたい時に使ってね」


俺は、葵さんからアロマキャンドルを貰った。

ぜひ、使わせて貰います。


「和真、これ何……」


俺のプレゼントは、駒形さんの所に行ってしまった。


そして、今駒形さんはとても苦笑いしている。


俺がプレゼントにしたのはキャラクターもののキーホルダーだ。


とても可愛くていいと思ったが……


なんか反応がいまいちなような


不安な気持ちになりながらも、俺は駒形さんに聞いてみた。


「キャラクターのキーホルダーです。可愛いですよね?」


彩華さん、葵さんは俺を苦笑いする。


やっぱり、これは違っていたのだろう。


これはやっぱり返して貰って、駒形さんには他の物を渡そう。


そう思った瞬間、駒形さんが、「ぷっ」と吹き出し、笑った。


「確かに、キモ可愛いかも。和真、ありがとう。大事にするね」


駒形さんはとても嬉しそうに俺が選んだキーホルダを抱きしめた。


少し、大袈裟に見せるリアクションだが、俺はとても嬉しかった。


今にも泣いてしまいそうだった。


これを選んで、正解だったかも知れないと心の底から思えた。


「彩華さん、これって……」


「あぁ!それは私がおすすめしている、参考書の詰め合わせです!良かったら葵殿も使ってください!」


「あ、ありがとう……」


「駒形殿、これは一体なんでしょうか?」


「それは、私が使っている便利文房具一式。彩華さんも良かったら使ってみて」


「あ、ありがとうございます!駒形殿!大好きです!」


「は、離れろ!」


と言う感じで、クリスマスパーティーは盛り上がった。

そして、俺達にとっては忘れることのない思い出となった。


読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ