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木嶋さんに連れてこられたカフェにある人物がいた。
「人を呼び出しておいて、遅刻とは非常識ではありませんか?」
優雅にカップに入った飲み物を飲んだ人物それは、西園寺 彩華さん。
彩華さんは元は俺の事が好きだった人物の一人。
だけど、あの事件以来、会うことはなかった。
だから、彩華さんとは、あの一件以来の再会となる。
彩葉さんと目が合った。
すると、彩葉さんは薄ら笑った。
「久しぶりですね、和真殿。それと……」
彩華さんは駒形さんの顔を見ると、じっと駒形さんの顔を見たまま、黙り込みこんだ。
そんな彩華さんの姿に駒形さんは顔を真っ赤にしこう言った。
「駒形だよ!」
「えぇ知っています。ただ、駒形殿をからかってみたかっただけですよ」
と笑う彩華さんに対して、駒形さんはより一層顔を真っ赤にし、彩華さんに近づこうとする。
なんか、ヤバそうだと感じた俺は、駒形さんを宥める。
「気持ちはわかる!だけど、駄目だ駒形さん!」
「分かった。ならあんたが・・・・・・」
とにっこり笑った駒形さんはその後、俺の顔を思いっきりつねったりしてきた。
まぁ、お陰様で駒形さんの怒りが収まったので良かったことにしよう。
「それで、私を呼んでなんのようですか?木嶋殿」
笑顔から一転、木嶋さんを睨みつける彩華さん。
そんな彩華さんに対して、木嶋さんは彩華さんがいる椅子に座った。
「彩華さん。私は、和真との仲を取り戻してほしい、そう思って彩葉さんを呼んだの」
と言った後、俺達を招きいれ、木嶋さんはパフェを注文した。
彩華さんは白いカップに入った紅茶を飲んだ後、こう言った。
「木嶋殿、申し訳ないがその申し込みは受けられない」
「どうしてかな?」
「木嶋殿忘れましたか?和真殿は、好きだった女性を傷つけたのですよ。仮にもそんな人と関わるなんて私は嫌ですよ」
「でも和真君が清水さんを傷つけてたと言う証拠はないんじゃないの?」
「そうですね。確かに証拠はありません。だけど、この場に清水殿がいない。それが証拠ではありませんか?」
「それは、そうかも知れない。だけど、和真君はそんなことをする人柄ではないそれは、今まで和真君の近くにいた私達なら良く知っているのでは……」
彩華さんは黙り込む。
そして、カップに入っていた飲み物を飲んだ彩華さんはこう言った。
「そうですね。和真殿は女性を襲うほどの勇気はないです。けれど、それは100セントと言えますか?もしかしたら、私達には知らない和真殿がいるかも知れませんよ」
「それは……」
二人は黙り込む。
そして、そのタイミングを見計らって彩華さんは立ち上がる。
「どうやら、私を取り戻すのには早かったらしいですね」
と言って彩華さんは俺達の分までのお金を置き、この場を後にした。
――その後――
「ごめんね和真君」
と落ち込む木嶋さん。
きっと彩華さんを取り戻せなかったことに対して謝っているだろう。
けれど、謝る必要はない
「いいや、大丈夫。むしろ感謝している」
「ちょ、ちょっとそれはどういう事なのよ和真」
と言う駒形さんに俺は言った。
「これで、彩華さんを落とす方法を見つけた」
後はそのタイミングを見つけることだ……
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