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あの時のことは後悔している。
けれど、そう言ったところで、駒形さんには許してもらえないだろう。
だけどもう一度だけ、もう一度だけ俺にチャンスを欲しい。
「駒形さん、俺にチャンスをください!」
だが、現実はそう簡単にいかない。
駒形さんは死んだ魚のような目で俺を見た。
「離してくれる?……」
駒形さんは聞き入れようとしなかった。
そして、駒形さんは俺の手を振り払う。
当然だ。俺が言っていることは自分本位で身勝手なことを言っているのだから。
駒形さんは歩き出し、俺から遠ざかっていく。
もう、諦めようかな……
もう、関係修復なんて無理かな……
そんな諦めようとする自分の考えが頭の中でちらつく。
だけど、俺は駒形さんの手を掴む。
「お願いします!駒形さんもう一度、もう一度だけ俺にチャンスを!」
ここで離したら、せっかく木嶋さんが作ってくれたチャンスを無駄にしてしまうだろう。
そしたら、もう駒形さんとの関係修復も果たせない。
それに、せっかくチャンスを作ってくれた木嶋さんに申し訳ない。
「しつこい!離して!」
駒形さんは俺を罵倒する。
けれど駒形さんに罵倒されようが傷つくようなことを言われようが、この関係を修復出来れば、全然構わない。
駒形さんは俺の腕を掴み、離そうとする。
けれど、俺は負けない。
いや、ここで負けるわけにはいかない。
俺は駒形さんの腕を離さなかった。
これが俺の思いだと分からせるためだ。
すると……
「駒形さん。私からもお願い。もう一度、和真君にチャンスをください」
木嶋さんが頭を下げる。
まさかの木嶋さんの行動。
その姿に俺も駒形さんの手を離し、木嶋さんと一緒に頭を下げた。
「俺からもお願いします。もう一度チャンスをください」
数秒、沈黙が続いた。
そして、駒形さんが「はぁ……」と深いため息をついた。
「分かったわ。ただ……」
ただ……?
駒形さんはその黙り込んだ。
俺は顔をあげ、駒形さんの顔を見た。
するとそこには腕を組み、どこか恥ずかし気に顔を反らしていた駒形さんがいた。
けれど、どこかおかしい。
まるで、周囲を気にしているような……
そう思った俺は周囲を見た。
そして、分かった。
「場所が悪いから、移動するわよ」
俺と木嶋さんそして、駒形さんは人気のない場所へと案内された。
「駒形さん。本当に許してくれるの?」
駒形さんが歩く足を止める。
そして俺達に振り返った。
「えぇ許す。ただし条件がある」
俺達に指を突きつけた駒形さん。
駒形さんは一体、どんな条件を付けつけてくるのか……
次回に続く。
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