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「さぁ、2人とも仲良く、お話でもしましょう!」
目の前でニコニコと微笑む木嶋さんを見て思う。
どうしてこうなった……
放課後、てっきり木嶋さんとの二人っきりのデートと思いきや……ふたを開ければびっくり。
なんと木嶋さんと、駒形さんがいるダブルデート的なことになっている。
だけど、駒形さんとはあの一件以来、顔を合わせるのも久しぶりだ。
だから、この状況が気まずい。
俺と駒形さんはまるで、葬式でもしているかのようにシーンとしている。
さて、どうしよう……
俺は注文したアイスコーヒーを飲む。
夏だけあってアイスコーヒーは美味しい。
「さぁさぁ、2人とも何か喋って!」
そんなの無茶ぶりだ。
久しぶりに会話をする駒形さんになんて話せばいいのだ。
今日はいい天気だね?
最近調子はどう?
駒形さん、見ないうちに可愛いくなってね?
いやどれも違う。
てか、最後は気持ち悪いよな……
「ねぇ和真君。いい加減なにか喋ってよー」
「えっ、うん……」
急かしてくる木嶋さんに「待って」と言いたいけど、木嶋さんが顔を膨らませ、こちらを見てくる。
なんだか、機嫌が悪そうだ。
早めに、駒形さんと会話をしなければ……
俺は駒形さんと喋る決心するため、まずはコーヒーを一口飲んだ。
そして
「こ、駒形さん。さ、最近調子はどうですか……」
久しぶりに駒形さんと喋った。
多分、1ヶ月くらいは経つのだろう。
そのせいか、前までは普通に喋れたのに、今は敬語を使わないと喋れない。
それほど俺と駒形さんには大きな壁が出来てしまった。
「普通」
駒形さんは俺なんかよりもチョコレートパフェに夢中だ。
「そ、そうなんですね。普通ですか……」
「……」
駄目だ。
話が広がらない。
たけど、俺は諦めず、他のネタを考える。
「駒形さん、最近、良い事とかあった?」
「別に」
「駒形さん、そのチョコレートパフェ美味しい?」
「普通」
「駒形さん、最近髪切ったでしょ?」
「切ってない」
とまぁ、俺は駒形さんと会話をするため、沢山会話になりそうなネタを作った。
けれど、駒形さんの反応は「普通」「別に」など、薄い反応だ。
木嶋さん助けて……
もう、無理。
会話が続かない。
俺は子犬のような目で木嶋さん見ながら助けを求めた。
すると、木嶋さんがはぁ……と深いため息をついた。
「ねぇ、駒形さん。和真くんのこと好き?」
一息、アイスコーヒーを飲んでいた俺はむせた。
不意を突かれた。
まさか本人がいる前で
「ちょ、ちょっと木嶋さんそれはその……」
「和真君、少し黙っていようか」
「は、はい……」
俺は木嶋さんの言うとおりにする。
木嶋さんを見ると、真面目な表情をしている。
きっと木嶋さんはふざけているわけではない。
何かしらの意図があってのことだと思う。
「好きだったわ」
駒形さんの手が止まった。
駒形さんは俺を見る。
「好きだった……好きだったけどもう嫌いだわ」
駒形さんにそう言われた。
だけど、当然だと思う。
「どうして嫌いになったの?」
「和真が……和真が私の事を信じてくれなかったから。私は和真が孤立したときに助けたなのに……」
そうだ。俺が悪い。
あの時、彩華さんの根拠ない言葉に負けた俺が悪い。
駒形さんが他の男子をたぶらかしているなんてありえないことだ。
勿論、駒形さんも「そんなの嘘に決まっている!」と言った。
だけど俺は信用できなかった。
もし、彩華さんの言葉が本当だったらと思うと怖かった。
だけど、この立場になってから分かった。
きっと、俺が孤立していたとき、駒形さんも「私が次に襲われるかも……」と怖かったかも知れない。
なぜなら、俺がやってないと言う証拠がなかったからだ。
だけど、駒形さんは俺のことを信じてくれた。
「もう、良いかしら……」
駒形さんはお金を置き、立ち上がった。
駒形さんの机を見るともう、パフェを食べ終えていた。
「和真君、駒形さん帰ってしまうよ」
わかっている。
分かっている。
駒形さんはこの店を出ようとする。
きっと、このまま駒形さんを見送れば、もう、駒形さんと関係を修復するチャンスはなくなるだろう。
俺は胃を決して立ち上がった。
「駒形さん!」
あのときのこと後悔している。
あの時、駒形さんに手を差し伸べてあげれば……
だけど、あの日の後悔は戻らない。
だから、今から始める。
「あの時は本当にごめんなさい!お願いします!もう一度俺にチャンスをください!」
投稿ミスをしてしまいました。
申し訳ないございません。
読んでくれてありがとうございます!
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