37 新たな生活
木嶋さんとの和解をした俺の生活はまた新しくなり、華やかさを取り戻し始めた。
「おはよう、和真君」
「おはよう、木嶋さん」
毎朝、俺は癒されている。
特に毎朝見せてくれる木嶋さんの可愛い笑顔。
まぁーその顔がとても可愛いくて仕方がない。
自然と俺の頬が緩む。
「和真君、私、なんか変?」
「いや、変じゃないよ」
むしろ可愛いです。
まじ、天使です。
もう、ずっと拝めていたいです。
と言いたいけど、流石に恥ずかしいし、変な雰囲気になりそうなので言えるわけがない。
なので、この思いは心の中で留めることにする。
「和真君ちょっと話があるけどいいかな?」
俺の思いを知るはずのない木嶋さんがそう言った。
「うん、別にいいけど」
話ってなんだろうか?
もしかして、放課後デートのお誘いとか!
それとも、二人きりの昼休み!
それともそれとも……
俺は心を弾ませた。
勿論、木嶋さんの返事は「はい」そう決めていた。
だけど、俺が思っている内容ではなかった。
「和真君、駒形さんに会ってみない?」
その名前に俺は少し、胸が傷む。
よみがえる。
あの日の罪悪感……
駒形 花音さん。
あれから、会わなくってどこくらい経つのだろう。
時々、廊下で見かけるときはあるけど、すれ違うことは最近はない。
きっと、駒形さんは俺の事を避けているに決まっている。
その質問に俺は黙り込んだ。
俺には駒形さんに会う資格なんてない。
俺の事を信じてくれた人を最終的に裏切ると言う行動を取ってしまった。
人として災厄な事をしてしまった。
信じてくれた人に一生消えないような傷を残してしまった。
俺は謝っても許されない罪を犯してしまった。
だから、駒形さんに会う資格なんて俺にはない。
「木嶋さん、俺駒形さんに会わないよ。だって、俺には駒形さんに会う資格なんてないもん」
本当は会いたい。
会ってしっかりと謝罪をしたい。
けれど、そんな願いは叶わないし、願ってもいけないことだ。
「そっか。分かった。和真君が会いたくないなら、駒形さんに会わなくていいよ」
木嶋さんは案外あっさりと受け入れてくれた。
もっと、「どうして会わないの!?」とか聞いてくると思っていた。
なんだか、物足りなさを感じる。
だけど、これには続きがあった。
「そのかわり、今日の放課後、午後3時半に学校の正門に絶対に来てくださいね!」
近いよ木嶋さん……
今、木嶋さんの顔は俺の目の前にある。
それよりも、疑問が一つ。
木嶋さんが「絶対来て!」と言うこととはなんだろうかだ。
俺は木嶋さんに聞いてみた。
「それって、どうしてか聞いても言いかな?」
すると木嶋さんはニコッと笑った。
「それは、和真君を幸せにするため、私からのプレゼントだと思って」
木嶋さんはそう言い残し去っていた。
一体、木嶋さんからのプレゼントとはなにか……
次回に続く。
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