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「和真さーんこれ、私似合いますー?」


「うん、いいと思う」


「和真殿!わ、私はどうでしょうか! 」


「うん、いいと思う」


「か、和真君私はどうかな?」


「うん、すごくいいと思うよ」


「ふん、別にあんたの意見なんてどうでもいいけど一応聞いておくわ」


「うん……いいと思う……」


それよりも、俺は今何をしているのだ。


確かに以前、彼女らには水着を一緒に買いに行こうとは言われたが、俺も水着ショップに入る羽目になるとは聞いていない。


しかもここは女性ものだけ取り扱う水着ショップ。


周囲は女性ばかりで俺はとても浮いている存在。


少し視線をお店のお客に向ければ、なんだか変な目で陰口を言われているような気がして仕方がない。


「和真さんこれなんてどうでしょうか!」


葵の水着は攻めに攻めている。


下手したらR18禁レベルの攻め方だ。


これをプールで着ようもんなら絶対男子の視線が一人に集まるのは確実だ。


それにこんな姿をしていれば変な男にナンパされる危険だってある。


以下のことを踏まえてこの水着は却下。


「それはあんまり良くないと思うよ」

「そうですか……」


「か、和真殿、私の水着はどうでしょうか!」


興奮気味に出てきた彩華さん。


彩華さんは水着は白だ。


それも健康的な肌を生かしていてかなり似合っている。


これは文句をつけるところはないほど合格だ。


「うん、凄く似合っている」


「では私これにします!」


これで一人やっと水着を決めてくれた。


もう、かれこれ30分くらいは彩華と葵のの水着を見ているがそろそろ飽きてきた。


それにしても、木嶋さんと駒形は最初の時以来あんまり見てないような……


「和真さんーちょっと助けて貰いませんかー」


水着を着替えている部屋から葵がヘルプしている。


俺は中には入れないため葵がいる着替室の近くから葵を呼んだ。


「どうした清水?」

「水着が取れないのですよー」


「そうかとってあげる」なんてことになるわけないだろう。


ここで入れば俺は変態、いや犯罪者になりかねない。


丁度いい、彩華さんが水着を決めたので戻ってくるはず。


それまで待ってもらおう。


「清水、彩華がもう少しで戻ってくるはずだから少し待っていてくれ」

「えー嫌です」


すると葵の手がひょこっり現れ俺の腕を掴んだ。


なんだか嫌な予感が……


「ちょっと清水さんそれは……」

「私は大丈夫ですよーそれよりも助けてくださいー!」


いや、貴方が大丈夫でも俺は駄目です。


これでは本当に変態になってしまう。


俺は力強くで葵の手を離そうと試みる。

けれど葵の力は予想よりも強い。


そうこうしているうちに葵がいる部屋に引きずり込まれていく。


早く、彩華さんが戻ってきてくれればこの状況もなんとかなるがこう言う時に彩葉さんは戻ってもない。


「やばい、やばい!」


俺は葵がいる部屋に引きずられた。


「ちょっと大丈夫ですかー?」


葵に飽きられているような気がするが目の前が真っ暗で何も見えない。


それよりこの右手にある感触は嫌な予感が……


「あのーいい加減どいてくれませんか?変……じゃなかった和真さん」


今、葵は俺の事を変態と言おうとしたよな……

てことは右手のこれは……


俺は顔をゆっくり上げた。

そしてそこにはにっこり笑っている葵に俺の右手はやはり……


「ごめんなさい!」


俺はすぐさまにどいた。

こんな姿を誰かに見られたら警察沙汰だ。


それに葵は怒っているような気がする。


「大丈夫ですよー元々、和真さんがそう言う人間であることは承知済みなので」


もしかして葵は俺の事を変態か何かだと思っているわけなのか?


確かに俺の行動は変態と思われても仕方がない。


けど俺からも一言、言わせてもらう!


こうなったのもすべてお前のせいだ!


「そんなことよりも和真さんーこれ、取ってくれませんかー?」


葵が言うのは多分、水着のブラが取れなくなったと言うことだろう。


それなら普通俺に頼むのではなく、他の人に頼むべきだ。


「やっぱり彩華がくるまで……」


「嫌です!私は和真さんにやってもらいたいです!だって、異性の男性にやってもらった方が嬉しいじゃないですか……」


恥ずかしそうに顔を赤らめた葵はとても可愛い。


男子なら一発でメロメロになりそうだ。


「和真殿ーどこに居なくなったのですかー」


着替えを終えた彩葉が俺を探している。

全く、タイミングが悪すぎる。

そう俺は呆れる。


そんな時だった。


「やめてください!」


突然、悲鳴と共にそう叫んだ。


「ど、どうした急に……?」


俺は急なことに動揺した。

なにせその悲鳴をあげたのは……


「どうしたのですか!葵殿!」


その声に彩華がやって来た。


「和真さんが……和真さんが……」


葵は泣き始めた。


まるで俺に何かをされたように被害者ずらをしている。


「和真殿……どうしてここに……」

「いや、俺は……」


俺は何もしていない。

葵に何も……

何も

なにも

なにも

なにもしてない。













読んでくれてありがとうございます!

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