表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/86

19 不可抗力を信じる者は存在しないので注意を!


俺はやってしまった。

不可抗力とは言え俺は女性の胸を触ってしまった……


「いいいいい、いい加減離れてくれないでしょうか!」


彩華は顔を真っ赤に混乱している。


「ご、ごめんさい!そしてさようなら!」


俺は彩華に最敬礼で謝る。そして俺はこの場から走って逃げる。

こんな場に到底いられない。


「ちょっと待て 」


その声を聞いたとたんに誰かの足に引っ掛かり転ぶ俺。


一体、誰が……


俺は顔をあげその人物を見た。


「どこに行こうとしているの()()?」

「べ、べつに関係ないだろ!」


俺を睨み付ける駒形。なんだか駒形の表情を見るだけでもの凄く悪いことをしたような気がするし、ますますこの場からいなくなりたい気分が増加する。


「大丈夫ですかー和真さん」


俺がこけたことを心配してくれた葵が俺を立たせようと手を差し伸べてくれている。俺はその手を握ろうと手を伸ばした。


「あ、やっぱり触らないでくれます?」

「えっ?……」


葵の手を握ろうとした瞬間に葵の手は引っ込んだ。



「だってー彩華さんの胸を触った汚らわしい手じゃないですかー。私、他の女性を触った手を握るとか嫌なんですよねーだから……」


制服を脱ぎワイシャツ姿になった葵。

すると葵は第一ボタンを第二ボタンを外した。

まさかと思うがこの展開……


「私の胸、触ってください。勿論、ワイシャツからじゃなくてダイレクトで全然オッケイです」


葵は俺の腕をとり無理矢理でも胸を触らそうとしてくる。


「だ、大丈夫だからー!」


そう言い葵に抵抗する俺だが多少、葵の胸を触ってみたい気持ちもないとは言い切れない。

多分、葵と二人っきりの場合は触っているかも知れない。

だがこの場には木嶋に彩華に駒形もいる。

そして木嶋が俺に向ける視線!

木嶋の目は俺を憐れむような目で俺を見てくる!

あの超優しい、木嶋   が!

多分、これで葵の胸なんか触ったら俺は人間としての扱いを受けなくなる可能性がある。

俺はなんとしてでも葵の胸を触らないようにしないといけない!

俺は本気の力で葵の抵抗をする。


「あぁーそんなに抵抗しなくても大丈夫ですよー」


葵も先ほどよりも強い力で俺に引っ張ってくる。

すると、そこに新たな手が割り込んできた


「あぁーいい加減やめろ!」


俺と葵の仲を一刀両断した人物。

その名は 駒形 花音。

一刀両断した駒形は葵の詰め寄る。


「あんた!そんなに胸を触って欲しいならご要望通り私が触ってあげる!だからそれで満足しなさい!」


駒形は葵の胸を鷲掴みした。

「なっ、何しているんですかー」


葵は胸を触られ顔を真っ赤になった。

一方、胸を触った駒形は地べたに手をつき絶望した。


「な、なんなのあんた……」


一体、駒形は何をしたかったのやら……


俺は何をしていいのかわらず呆然とした。

そして俺はやっと気づいた。

一人はぶつぶつ独り言を言いながら混乱し、一人は顔を真っ赤にし、また一人は絶望している。まさにこの場はカオス状態であることに(一人は除いては……)


「木嶋さん。もし、良かったら俺と一緒に帰って貰います?」

「うん、喜んで」


俺と木嶋はこのカオス状態である教室を後にした。

そして学校の門をでた俺と木嶋は手を繋いで帰った。


「木嶋、手を繋いでもいい?」

「うん」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ