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19 裏切り者

「清水 葵。あいつは鈴木 和真のことが好きではない」


突然すぎるカミングアウトをしてきた駒形に俺、木嶋、彩華は言葉を失った。


だがそんなことを言われた葵は違った。


「は、はぁ!?何言っているんですか?!そもそも証拠がないじぁないですか!?」


確かに葵が言っている通り葵が俺のことが好きではないと言う証拠がない。


「証拠ならあるわよ」


「な、なら今この場で見せてください」

「ええ、いいわよ」


突然なカミングアウトに葵は動揺しているのに対して駒形は自信があるような表情をしている。すると駒形はポケットからボイスレコーダーのような物を取り出しそれを再生した。


「チッ、なぜあいつだけは私に振り返ろとしねーんだよ!あっ!イライラする!」


ガン!となにかを蹴ったような音がした後にこの再生は終わった。


「これがあいつの本性よ」

「な、なんの冗談ですか?駒形さん……」

「冗談じゃない、真実よ」


声を震わせ今にも泣きそうな木嶋はこの葵を受け止められていない。だが事実、今の声は正真正銘 清水 葵の声である。


「ど、どうなんですか?葵殿……」


彩華もこの事実を受け止められていない。

だからこそ、本人に聞いたのだろう。


「嘘に決まっています!」


怒鳴るように否定した葵。だが見てわかる通りかなり動揺しているのがわかる。そのため葵の言葉を信じることは俺には出来ない。


「ふっ、白々しいわね。いい加減に認めたらどうなの?なんなら本性をさらけ出したあんたの動画もあるわよ」


「は、はぁ?!なに見え透いた嘘をつくですか?!」

「嘘じゃない本当にあるわよ」

「な、なら今ここでその証拠とやらを出してくださいよ!」

「えぇいいわよ」


駒形はポケットからスマホを取り出した操作し始めた。だがそれを見かねた木嶋が駒形の腕を掴み止めた。


「こ、駒形さん。これ以上は葵さんが可哀想だよ」


木嶋を睨みつけた駒形。


「じぁああなたはあいつの見方につくわけですか?」

「そ、それは……」


駒形は木嶋の手を振りほどりスマホの操作を続ける。そして操作を終えてから1分くらい。駒形はスマホを俺たちに見せた。


「ではあんたのお望み通りこの動画見せてあげるわよ」


再生ボタンに手をかけた駒形。

スマホは再生しようとくるくる回り始めた。


もし駒形が言っていることが本当ならば葵は本当に俺のことが好きではないことになる。息を吞み再生されるのを待つ俺。


すると駒形の目の前に彩華が立った。


「もう、やめたらどうでしょうか?駒形殿」

「な、なにするのよ!」


スマホを取り上げた彩華。そして駒形のスマホを操作し始めた。その間にも駒形はスマホを取り返そうとするが彩華は駒形より背丈があり、駒形を難なく回避していく。


そして2分くらいたった頃。


「駒形殿、動画は削除させて頂きました」

「はぁ?」


スマホを取り上げ慌ててスマホをいじり始める駒形。


「ない、ない、ない……」


だがいくら探してもその動画が見つからない。


「だからないと言っているじゃないですか」

「あんた!何しているのか分かってやっているの!?」


動画を探すのをやめた駒形は激怒し彩華の胸ぐらを掴んだ。だが彩華は冷静な表情でこう言った。


「もう良いじゃないですか駒形殿……」


一体、彩華はなぜ動画を消したのか?……


その真相は次回に続く















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